引越ししたら何をする?忘れがちな行政手続き・住所変更やることリスト

引越し後には、転出届・転入届の提出を起点に、マイナンバーカード、国民健康保険、運転免許証、印鑑登録など複数の住所変更手続きが必要となる。これらは転入手続きと同時に進めることで効率よく対応できる。

不動産を所有している場合、住民票の変更だけでは登記簿の住所は自動更新されない。2026年4月以降は変更登記が法的義務となり、怠ると過料の対象となるため、引越し直後に手続きを済ませることが推奨される。

引越し後に必要な行政手続きやることリスト

引越しが決まると、荷造りやライフライン契約など、やることが一気に増えます。その中でも特に忘れやすいのが「行政手続き・住所変更」です。住民票だけ変更して安心してしまいがちですが、実際にはさまざまな手続きが必要になります。

転出届・転入届

他の市区町村へ引越す場合、最初に必要になるのが転出届と転入届です。

転出届は、転出予定日のおおむね14日前から提出できます。旧住所地の市区町村役場の窓口のほか、郵送やマイナポータル(引越しワンストップサービス)からのオンライン提出も可能です。引越し後でも手続きはできますが(引越し後14日以内が目安)、転入届の際に転出証明書が必要になるため、引越し前に済ませておくのが確実です。その後、転入届は、転入した日から14日以内に新住所地の市区町村役場へ提出します。

これらの手続きにより住民票が変更され、その他の行政手続きはこれに基づいて行われます。転入手続きのタイミングで、後述するマイナンバーカードの更新なども合わせて行うと、手続きがスムーズに進みます。

マイナンバーカードの住所変更

引越し後は、マイナンバーカードの住所更新も必要です。更新しないと、電子証明書の利用やコンビニでの証明書発行などに影響が生じることがあります。役所で転入届を提出するタイミングで一緒に手続きを行うと効率的です。

国民健康保険の住所変更

国民健康保険に加入している方は、住所変更手続きが必要です。会社員の健康保険とは異なり、自分で役所へ届け出る必要がありますので、転入手続き時に合わせて確認しましょう。

国民年金の住所変更

第1号被保険者(自営業者など)の場合、住所変更手続きが必要になるケースがあります。自治体によって対応が異なるため、転入手続き時に確認しておくと安心です。

運転免許証の住所変更

警察署や運転免許センターで住所変更を行います。本人確認書類として使用する機会が多いため、早めの変更がおすすめです。

印鑑登録の変更

別の市区町村へ引越す場合、旧住所の印鑑登録は失効します。必要に応じて、新住所の自治体で再登録を行いましょう。

マイホーム所有者は「不動産登記の住所変更」も確認

引越し後、住民票を変更しても、不動産登記簿に記載されている住所は自動では変更されません。そのため、登記簿上の住所が旧住所のままになることが多くあります。以下のようなタイミングで対応が必要になることがあります。

住所変更が必要になるケース

不動産売却時
不動産を売却する際には、登記簿の住所と現在の住所が一致していることが必要な場合があります。異なる場合は、売却前に住所変更登記を行う必要があります。

相続登記時
相続が発生した場合、登記簿の住所が古いままでは、相続人の確認や手続きが複雑になります。

住宅ローン完済時や借り換え時
抵当権の抹消や借り換え手続きの際に、住所の確認が必要になることがあります。

その他の金融取引
新たにローンを組む場合などに、登記簿と現在の住所の一致が求められることがあります。

登記名義人住所変更登記について

不動産登記簿の住所を変更する手続きを「登記名義人住所変更登記」といいます。

登録免許税は土地または建物1個につき1,000円必要です。複数の不動産を同時に申請する場合は、不動産の個数分の登録免許税がかかります。

変更登記の義務化について

2026年(令和8年)4月1日から、不動産の所有者は、住所や氏名・名称の変更日から2年以内に変更登記をすることが義務付けられました。正当な理由なくこれを怠った場合、5万円以下の過料の対象となります。

なお、施行日より前の引越しで登記が済んでいない場合も対象で、2028年(令和10年)3月末までに手続きが必要です。過去に転居して登記簿の住所が現住所と異なっている方は、忘れずに確認しておきましょう。

自分でもできる「登記名義人住所変更登記」

住所変更登記は、本人が直接法務局に申請することも、司法書士に依頼することもできます。

LegalScript書類作成では、フォームに答えるだけで簡単に必要な書類を作成できる「不動産の住所変更登記支援サービス」を提供しています。「少しでも費用をおさえたい」「自分でやりたい」とお考えの方はぜひご利用ください。

引越し回数が多いと手続きが複雑になることも

住所変更を長期間放置すると、必要な書類が増え、手続きが複雑になる場合があります。

特に引越し回数が多い場合、住所履歴を証明するために戸籍の附票や除票などの追加書類が必要になることがあります。例えば、A市→B市→C市というように複数回の引越しをしている場合、登記簿の住所をC市の現住所に変更する際に、すべての住所変更の経歴を証明する書類の収集に時間がかかることになります。

さらに時間が経つと、以前住んでいた自治体の除票が廃棄されてしまい、書類を取得できなくなるケースもあります。不動産売却が必要になった際に、こうした書類が揃わないと手続きが進まず、売却予定を延期せざるを得ないこともあります。

そのため、引越し直後や引越し回数が増えた際には、なるべく早めに住所変更登記を済ませておくことをお勧めします。手続きを先延ばしにするほど、後々の対応が煩雑になる傾向があるため、計画的に進めることが大切です。

引越し後は「後回し」にしないことが大切

引越し後は忙しく、住所変更手続きを後回しにしてしまいがちです。しかし、行政手続きや不動産登記の住所変更は、先延ばしにするほど手間が増える傾向があります。

早めの対応がおすすめ

引越しを機に、一度まとめて住所変更手続きを確認し、必要な対応を済ませておくことをお勧めします。特に不動産登記については、引越し直後が最もスムーズに手続きを進められるタイミングです。

登録免許税は土地または建物1個につき1,000円の費用がかかるため、金銭的な負担は大きくありません。引越しの手続きと同じタイミングで対応することで、後々の不動産取引や相続手続きをスムーズに進めることができるようになります。