中古自動車を扱う古物商許可の申請では、車両の保管場所の確保が原則として必須要件となっており、特に東京都内では保管場所に関する書類提出がほぼ確実に求められます。駐車場の賃貸借契約書や土地の登記事項証明書の提出が一般的ですが、対応は管轄警察署によって異なります。
自動車商は他品目と比べて審査が厳しく、これは中古自動車の売買価格が高く盗難を誘発するリスクが大きいためです。ただし、買い取った車両を輸出ヤードへ直行させる事業体制が整っている場合は、例外的に保管場所なしでの申請が認められることもあります。

目次
中古車の保管場所確保が許可申請の必須要件
中古自動車を取り扱うための古物商許可申請では、買い取った後の置き場所(保管場所)について、警察署から確認や質問がなされやすい点に注意が必要です。特に東京都内で申請する場合には、ほぼ確実に車両の保管場所に関する書類の提出を求められます。
保管場所として利用する駐車場は、古物商許可の営業所を設置する市区町村内(つまり古物商許可申請を行なう警察署管轄内)に存在する必要はありませんが、営業所からかなり遠い場所で利用することが難しい場所だと、認めてもらいにくい可能性が高まります。
駐車場契約書などの必要書類
駐車場を借りて中古車を保管する場合は、賃貸借契約書の提出が求められるのが一般的です。自宅のガレージなどに中古車を停めるスペースがある場合、図面などを添付することで申請が可能な場合もあります。ただし、この点については管轄の警察署によって取扱いに差があります。
通常は駐車場の賃貸借契約書のコピーや土地の登記事項証明書の添付を求められますが、これらの書類を免除される場合もあります。また、地域によっては保管場所の有無を口頭で尋ねられるだけで疎明資料の提出までは求められない場合もあります。
古物商許可で自動車商が厳しく審査される理由
古物商許可制度では、13品目から中古品売買を取り扱う品目を選択して申請・取得することになりますが、そのなかでも中古自動車および中古自動車部品を扱う「自動車商」は、他の品目と比べて警察署で申請者の状況を厳しく確認される傾向にあります。
この審査が厳しくなる根拠は、中古自動車の売買額の大きさにあります。他の品目と比較して相対的に中古自動車は売買の価格が高めであり、もし万が一にも古物商として盗品を高く買い取ってしまうと、それだけ自動車窃盗犯に大きな利益を与えることになってしまい、次の自動車窃盗を誘発しかねません。
こうした事情があるからこそ、古物商許可を申請する際に、申請者が十分な注意を持って売買ができる能力を有しているかどうかが厳しく確認されます。警察署は、申請者がディーラーとしての適性を備えているか、盗難車を見分ける知識や判断力があるかなど、複数の角度から申請者の実務能力と適正性を検証する必要があるのです。
駐車場台数と地域による基準の差
駐車場の具体的な要件については、管轄の警察署によってローカルルール(地域による基準の差)が存在します。保管台数、車庫証明の有無、賃貸借契約期間の長短など、警察官の現地確認の有無など、警察署から確認の入る内容・程度にはかなりのローカルルールがあります。
一番多くみられるケースは「4台」程度です。ただし、この台数はあくまで目安であり、申請する管轄によって異なる可能性があるため、事前に申請予定の警察署に確認することが重要です。
路上駐車は認められない
重要な制限として、路上に駐車することは認められていません。中古車の在庫を一時的に持たない業態であっても、この要件は免除されません。在庫の保管場所を確保せずに事業を進めると、売先との問題で納車が遅れた際に路上駐車を余儀なくされ、警察や地域住民とのトラブルに発展するリスクがあるためです。
中古車輸出や特殊業態での保管場所要件の例外
ここまで原則として、中古自動車を取り扱う古物商許可申請では駐車場の確保が必須であることについて解説してきました。しかし、業態によっては例外的な扱いが認められる場合があります。
買い取った中古自動車を海外へ輸出することを事業の中心とする場合、一時的にも中古車を自社や自宅で保管することなく、別の輸出業者に直接引き渡すという事業体制を構築していれば、駐車場の契約がなくとも古物商許可の申請が受理されることもあります。この業態では、港の大規模な輸出用駐車スペース(いわゆるヤード)に直行させる仕組みを取っており、中古車が流通する過程で不要な保管期間が生じません。
ただし、この例外的な扱いを受けるには、単に保管がないというだけでは足りません。ヤード運営業者や中古自動車輸出業者との間で、確実な取り決めや契約が成立していることが求められます。さらに、ヤード以外に保管しない旨の念書を提出するよう求められることが一般的です。
ただし要件が変わっても、古物商許可の取得が容易になるわけではありません。この例外的な制度の運用については、地域の警察署によって判断基準に差がある可能性が高いのです。港に近い警察署であれば、ヤード関連の契約書や書類に慣れている傾向があります。一方、港から遠い地域や中古自動車を取り扱う業者の少ない地域では、ヤード直行方式の事業体制自体が想定されておらず、従来の保管場所確保という原則的な基準で審査される可能性があります。
輸出事業を念頭に置いて古物商許可を申請する場合は、事前に申請先の警察署にこうした例外的な扱いが可能かどうかを直接確認しておくことが重要です。単に「駐車場がない」では足りず、輸出業者との契約内容やヤード利用の体制など、具体的な事業計画を説明できる準備が必要となります。







