
役員変更登記の申請にあたって変更登記申請書を作成します。その際に登記すべき事項を記載することになりますが、「どのような内容を記載すればよいのか、わからない…」と戸惑う方も少なくないようです。
変更登記申請書に記載する項目は決められているため、所定の項目をもれなく記載しなければなりません。
この記事では、役員変更登記の申請書の「登記すべき事項」に記載する内容について説明します。

目次
登記すべき事項とは
登記が必要な項目や登記ができる項目は、商業登記法などの法律で決められています。その内容が「登記すべき事項」です。
登記すべき事項は、下図の赤枠で囲んでいるとおり、変更登記申請書の記載項目となっています。

自分が登記したい内容を自由に登記できるわけではなく、例えば、会社の電話番号を登記したいと思っても、電話番号は「登記すべき事項」ではないため登記することはできません。
逆に、登記すべき事項であるにも関わらず、登記したくないから登記しないということはできません。例えば、代表取締役の住所は「登記すべき事項」ですが、公表したくないから登記しない、などということは認められません。
登記すべき事項の記載例
ここでは、役員変更登記についての登記すべき事項の具体的な記載例を紹介します。
取締役を新たに追加した場合
現在就任している取締役に加えて、新たに取締役を追加する場合の登記すべき事項の記載例は以下のとおりです。
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」甲山太郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日就任
「氏名」には新たに就任する取締役の氏名、「原因年月日」には就任した日付を記載します。
取締役が退任した場合
現在就任している取締役が退任した場合の、登記すべき事項の記載例は以下のとおりです。
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」乙山花子
- 「原因年月日」令和●年●月●日退任
「氏名」には退任する取締役の氏名、「原因年月日」には退任した日付を記載します。なお、退任理由が任期中の辞任や解任、死亡による場合には、以下のように「辞任」「解任」「死亡」と記載します。
「原因年月日」令和●年●月●日辞任
「原因年月日」令和●年●月●日解任
「原因年月日」令和●年●月●日死亡
前代表取締役の退任に伴い、新代表取締役が就任した場合
代表取締役が退任し、新たな代表取締役が就任する場合の登記すべき事項の記載例は以下のとおりです。代表取締役の場合、住所も登記する必要があるため注意が必要です。
例.代表取締役甲山太郎が退任し、乙山花子が新たに代表取締役に就任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」代表取締役
- 「住所」A県B市C町1丁目2番3号
- 「氏名」甲山太郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日退任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」代表取締役
- 「住所」甲県乙市丙町1丁目2番3号
- 「氏名」乙山花子
- 「原因年月日」令和●年●月●日就任
退任する代表取締役の「住所」には、登記されている代表取締役の住所を記載します。新たに就任する代表取締役の「住所」には、新たな代表取締役の住所を記載します。
また、退任する代表取締役の「原因年月日」は、退任理由によって「辞任」、「解任」、「死亡」に変わります。
なお、代表取締役甲山太郎が、代表取締役だけでなく、取締役についても退任する場合には、取締役の退任についても記載が必要です。
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」甲山太郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日退任
役員全員を重任する場合
現在就任している役員全員が重任する場合の登記すべき事項の記載例は以下のとおりです。
「重任」とは、現在就任している役員が、任期が満了しても引き続き同じ役職に就任する場合です。
「退任」と「就任」が同時に起きた場合と理解していただければよいでしょう。
ここでは、取締役甲山太郎、乙山花子、丙山二郎、監査役丁山広子、代表取締役甲山太郎が全員重任する場合の記載例を紹介します。重任する場合、「退任」と「就任」の登記をする必要はなく、「重任」の登記だけをすれば足ります。
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」甲山太郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日重任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」乙山花子
- 「原因年月日」令和●年●月●日重任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」取締役
- 「氏名」丙山二郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日重任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」監査役
- 「氏名」丁山広子
- 「原因年月日」令和●年●月●日重任
- 「役員に関する事項」
- 「資格」代表取締役
- 「住所」A県B市C町1丁目2番3号
- 「氏名」甲山太郎
- 「原因年月日」令和●年●月●日重任
登記すべき事項の記載・入力方法
登記申請する際に「登記すべき事項」を記載・入力する方法は4つあります。
①変更登記申請書に直接記載する
変更登記申請書の「登記すべき事項」の欄に直接記載します。
②別紙に記載する
変更登記申請書とは別の用紙に「登記すべき事項」だけを記載して、登記申請書と合綴して申請することも可能です。この場合、変更登記申請書の「登記すべき事項」の欄には「別紙のとおり」と記載します。
③電磁的記録媒体に格納する
CD-RやDVD-Rなどの電磁的記録媒体に「登記すべき事項」を記載したファイルを格納して、登記申請書と一緒に提出します。この場合、変更登記申請書の「登記すべき事項」の欄には「別添CD-Rのとおり」「別添DVD-Rのとおり」などと記載します。CD-R等はそのまま提出すればよく、紙に出力して提出する必要はありません。
④オンライン申請する
法務局の「登記・信託オンライン申請システム」を利用して、インターネットによる申請手続きができます。この場合、「登記すべき事項」は直接入力し、添付書類はPDFファイルにして送信します。詳細は法務局のホームページをご覧ください。
まとめ
役員変更登記を申請する場合、「登記すべき事項」を定型的に記載する必要があります。ルール通りに記載しなかった場合、登記を申請しても受理されません。また、登記については一字一句間違いのないように記載しなければ、法務局から訂正を求められたり、誤った内容が登記されてしまい、後から訂正するにはお金や手間がかかってしまいます。
今回紹介した記載例を参考に、登記すべき事項を正確に記載したうえで登記を申請しましょう。
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