被扶養者状況リストの書き方(記入例あり)
被扶養者状況リストとは、全国健康保険協会から送られてくるもので、従業員(被保険者)の被扶養者が引き続きその要件を満たしているのかどうかを再確認する書類です。
今回は、この被扶養者状況リストがどのようなものであるのかについて説明したうえで、記入例と書き方のポイントなどについて解説します。
被扶養者状況リストとは
まずは、被扶養者状況リストがどのようなものであるのかについて説明します。
被扶養者資格の再確認のための書類
健康保険事業の運営主体(保険者)である全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」)と健康保険組合では、法律によって毎年、加入事業所の被保険者の被扶養者が引き続きその要件(年収が130万円未満で、かつ、被保険者の年収の半分未満であるなど)を満たしているのかどうかについての再確認を行っています。
被扶養者状況リストとは、協会けんぽがこの被扶養者資格の再確認のために加入事業所に送付する書類のことです。
※健康保険組合では、その健康保険組合が定める方法で加入事業所の被扶養者資格の再確認を行っています。
毎年提出が必要
協会けんぽが被扶養者資格の再確認を実施する時期は、その年によって異なりますが、毎年実施されています。
協会けんぽに加入している事業所では、毎年、送られてくる被扶養者状況リストに被扶養者が引き続きその要件を満たしているのかどうかの確認結果を記入し、また、必要に応じて他の書類も作成して提出しなければなりません。
被扶養者状況リストの記入例・記入のポイント
被扶養者状況リストの記入例と記入のポイントは次のとおりです。
記入例
被扶養者状況リストは次のような書類で、従業員(被保険者)の被扶養者として認定されている方について、その要件を再確認した結果を記入するものです。
※被扶養者状況リストは2枚複写で1枚目が協会けんぽへの提出用、2枚目が事業主控です。
※被保険者整理番号や被保険者氏名、被扶養者氏名などはあらかじめ印字されています。
※右端の「備考」欄に「確認不要」と記載されている被扶養者は、令和2年4月1日時点で18歳未満の方、または、令和2年4月1日以降に被扶養者に認定された方(令和2年度の場合)であり、今回は確認する必要がない方です。
記入のポイント
被扶養者状況リストは、印字されている被扶養者ごとに要件を満たしているのかどうかを確認し、その結果を太枠で囲まれている「チェック☑」欄内の「変更なし」または「解除となる」の該当する□に✔を付けるだけです。
それぞれ次のポイントに注意して記入してください。
「変更なし」の場合
被扶養者が引き続き要件を満たしている場合には、まずこの枠内の左端の□に✔を付けます。
また、その被扶養者が従業員(被保険者)と別居している場合には「被保険者と別居している」の□に追加で✔を付け、海外に在住していて国内に住民票がない場合には「海外に在住している」の□に追加で✔を付けます。
なお、「被保険者と別居している」の□に✔を付けた場合には、扶養者状況リストとあわせて送られてきた「被扶養者現況申立書」を別途、記入して、仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類を添付しなければなりません。
また、「海外に在住している」の□に✔を付けた場合にも「被扶養者現況申立書」を記入して、一定の要件を満たす(これを「海外特例要件」と言います。)ことを証明するために査証(ビザ)などの写しを添付しなければなりません。
詳しくは、被扶養者状況リストとあわせて送られてきたリーフレットか下記の協会けんぽのホームページでご確認ください。
> 事業主・加入者のみなさまへ「令和2年度被扶養者資格再確認の実施方法等について」/全国健康保険協会(協会けんぽ)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat590/info200928/#a6
「解除となる」場合
被扶養者がその要件を満たさなくなっている場合には、この枠内の□に✔を付けますが、今回の再確認でそのことが判明したのであれば、「被扶養者調書兼異動届を添付」の□に✔を付け、既に年金事務所または事務センターに「被扶養者(異動)届」を提出済みであれば、「日本年金機構へ届出済」の□に✔を付けます。
なお、「被扶養者調書兼異動届を添付」の□に✔を付けた場合には、被扶養者状況リストとあわせて送られてきた「被扶養者調書兼異動届」を別途、記入して、扶養から外す方の保険証を添付しなければなりません。
被扶養者状況リストの提出方法・提出期限
被扶養者状況リストの提出方法、提出期限は次のとおりです。
提出方法
被扶養者状況リストや、必要に応じて提出する「被扶養者現況申立書」、「被扶養者調書兼異動届」、などの添付書類は、被扶養者状況リストなどとあわせて送られてきた返信用封筒に入れて協会けんぽに提出します。
提出期限
令和2年度の被扶養者状況リストなどの提出期限は、11月30日(月)です。
なお、協会けんぽが被保険者資格の再確認を行う時期は毎年違いますが、令和2年度については、被扶養者状況リストなどを10月3日から10月31日にかけて順次、加入事業所に送付し、11月上旬までには届く予定です。
まとめ
従業員(被保険者)の被扶養者が就職などでその要件を満たさなくなれば、本来はその都度「被扶養者(異動)届」を提出すべきものですが、従業員から報告がない限りは手続きないし、報告があっても手続きを忘れてしまうこともあります。
要件を満たさなくなった被扶養者をそのままにしておくことは不正加入(保険給付を受けた場合は不正受給)であり、また協会けんぽの財政を圧迫し、ひいては保険料の上昇にもつながります。被扶養者状況リストの確認は法律で義務づけられたものです。期限までに必ず行うようにしましょう。