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代表取締役の人数を増減させたら登記!必要な手続きは?

株式会社の代表取締役は1人以上であればよく、増やしたり減らしたりすることができます。代表取締役が増減した場合には、登記の手続きが必要です。

この記事では、代表取締役が就任または退任により増減した場合の登記の手続きについてご紹介します。

代表取締役を増員する場合の手続き

法律上、代表取締役の人数に上限はなく、複数の代表取締役を会社に置くことができます。

代表取締役を増やす場合の手順は、取締役会設置会社か非設置会社かによって異なります。

取締役会設置会社の場合

取締役会設置会社の場合、代表取締役の選定を行うのは取締役会です。取締役会を開催し、取締役の中から代表取締役を選定します。

ただし、代表取締役になる前提として、取締役である必要があります。そのため、その時点で取締役ではない人を代表取締役にする場合には、まずは株主総会の決議で取締役として選任し、その後に開催する取締役会の決議で代表取締役に選定する、という二段階の手続きが必要です。

代表取締役が選定され、本人が就任を承諾した日を原因日として代表取締役の就任登記を申請します。

取締役会非設置会社の場合

取締役会非設置会社の場合、会社の定款の規定によって、代表取締役の選定方法が異なります。
代表取締役の選定方法として、以下のいずれかの方法があるため、定款の内容を確認しましょう。

①株主総会の決議で選定

株主総会の普通決議で選定します。
普通決議は、議決権の過半数を有する株主が出席して、出席者の議決権の過半数が賛成することで可決されます。

②取締役の互選により選定

取締役の互選とは、取締役の過半数の意見の一致で代表取締役を選ぶ方法です。

③定款に直接代表取締役の氏名を記載

定款に直接代表取締役の氏名を記載する場合、定款変更決議として、株主総会の特別決議で可決される必要があります。特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席者の議決権の3分の2以上が賛成することで可決されます。

上記の3つの中から定款で決められた選定方法に従い、代表取締役を選定することになります。

代表取締役の選定方法そのものを変更したい場合には、事前に株主総会の特別決議で定款変更をする必要があります。

なお、取締役ではない人を代表取締役にしたい場合には、取締役会設置会社の場合と同様に、まずは株主総会で取締役として選任する必要があります。

代表取締役を増員するために定款変更が必要なことも

定款で代表取締役の上限を定めている場合には、代表取締役を増員するために事前の手続きが必要となります。

会社の定款には、取締役の人数について上限を定めている場合があり、会社の規模などにより、5人以内、3人以内などと定めています。

その上限を超える場合には、取締役を増員するために定款を変更して上限を変更もしくは撤廃しなければなりません。

定款の変更をするためには、株主総会の特別決議で可決される必要があります。

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登記に必要な書類

代表取締役を選定した場合には、選定方法によって以下の書類を登記申請の際に添付する必要があります。また、新しい代表取締役の選定を証する書面に、前代表者による会社代表印の捺印がない場合は、出席または同意した役員全員の印鑑証明書を添付します。印鑑証明書を添付しない場合は、本人確認証明書を添付しなければなりません。

①取締役会で選定した場合(取締役会設置会社)

  • 取締役会議事録
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 代表取締役の印鑑証明書(もともと取締役でなかった人が新たに代表取締役になる場合)

②株主総会で選定した場合(取締役会非設置会社)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 代表取締役の印鑑証明書(取締役でなかった人が新たに代表取締役になる場合)

③取締役の互選で選定した場合(取締役会非設置会社)

  • 取締役の互選書(決定書)
  • 定款
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 代表取締役の印鑑証明書(もともと取締役でなかった人が新たに代表取締役になる場合)

④定款に直接代表取締役の氏名を記載する場合(取締役会非設置会社)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 代表取締役の印鑑証明書(もともと取締役でなかった人が新たに代表取締役になる場合)

代表取締役が退任する場合の手続き

代表取締役が退任して人数を減らす場合には、いくつかの方法があります。

退任する主な原因としては「辞任」「取締役の任期満了に伴う退任」「解職・解任」があります。それぞれの退任原因による手続きは以下のとおりです。

辞任の場合

辞任は、代表取締役が自らの意思でその職を辞めることです。代表取締役が辞任する旨の意思を会社に伝えることで、基本的にいつでも自由に辞任することができます。口頭で伝える方法でも構いませんが、通常は辞任届や辞表などの書面を提出します。

また、辞任する場合、代表取締役の地位のみを辞任するのか、取締役としても辞任するのかを確認する必要があります。

辞任した場合、辞任の意思を会社に伝えた日を原因日として、辞任の登記を申請します。

任期満了の場合

代表取締役の前提として取締役である必要がありますが、取締役には任期があり、非公開会社の場合は最長で10年です。

取締役の任期が満了した場合、代表取締役としても当然に退任することとなります。

この任期満了に伴う退任の場合には、本人の意思や会社の決議は不要で当然退任となり、任期満了日を原因日として退任の登記を申請します。

解職・解任の場合

解職

解職とは、代表取締役から代表権のみを消失させ、平の取締役に降格することを指します。

解職の決定をすることができるのは、取締役会設置会社の場合には取締役会です。

取締役会非設置会社の場合、定款の代表取締役の選定方法によって解職方法も異なります。

①株主総会の決議で選定する会社

株主総会の普通決議で解職の決議をします。普通決議とは、議決権の過半数を有する株主が出席して、出席者の議決権の過半数が賛成することで可決となります。

②取締役の互選により選定する会社

取締役の過半数の意見の一致で代表取締役を解職します。

③定款に直接代表取締役の氏名を記載する会社

株主総会の特別決議で定款変更が可決される必要があります。

解任

解任とは、代表取締役の地位だけでなく、取締役としての地位も消失させることです。解任は、株主総会の普通決議によって行われます。

登記に必要な書類

退任の理由によって、以下の書類が必要となります。

①辞任の場合(以下のいずれか)

  • 代表取締役の個人の実印が押印された辞任届と印鑑証明書
  • 代表者実印が押印された辞任届

②任期満了の場合

  • 任期満了により退任した旨が記載されている株主総会議事録
  • 定款(株主総会議事録に上記が記載されていない場合)

③解職の場合

(取締役会で解職された場合)

  • 取締役会議事録

(株主総会で解職された場合)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト

(取締役の決定により解職された場合)

  • 取締役の決定書
  • 定款

④解任の場合

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト

まとめ

代表取締役が就任したり退任したりすることにより、人数が増減した場合には役員変更登記が必要です。ケースによって必要な手続きや書類は異なるため、まずは自分の会社の定款の内容や取締役会の有無などを確認しましょう。

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