登記申請の補正指示が法務局から届いたら?対応手順を説明
登記申請した後に、法務局から指示されることがある「補正」。補正を一定期間内に行わなければ、登記申請が却下されてしまうため、正しい手順を知っておく必要があります。
この記事では、登記の補正とはどのようなものなのか、手順はどうなるのかについて解説します。
登記の補正とは
法務局に登記申請をして受け付けられると、登記官はその申請内容、提出された添付書類についての調査を行います。そして、その調査の過程で、申請内容や添付書類についての誤りや不備などがあることが判明する場合があります。
そんなとき、登記官から申請人に対して、誤りや不備を訂正することを指示する場合があり、この訂正の作業のことを補正といいます。
補正は、あらゆる誤りについて認められるわけではなく、すぐに訂正することができる軽微な内容に限られます。重大な誤りがあり、すぐに訂正することができない場合には、申請人に一旦登記申請を「取下げ」するように指示します。
取下げは申請人の意思で登記申請を撤回することです。取下げをすると、登記申請ははじめからなかったこととなり、再度申請書を作成して改めて登記を申請することになります。
法務局からの指示に従わず、補正も取下げもしない場合には、法務局がその申請の理由を示して「却下」します。却下は、法務局の判断で登記申請を認めないことで、却下されてしまうと申請した内容が登記されず、改めて登記申請をすることになります。
補正が認められる軽微な内容がどのようなものか、明確な基準はありませんが、大抵の誤りについては補正が認められます。
たとえば、提出した株主総会議事録の記載に誤りがあった場合でも、その株主総会議事録の記載内容を訂正することも認められます。
必要な添付書類が不足している場合でも、通常は不足書類の追加提出による補正が認められます。
補正の手順
商業登記の補正の手順について紹介します。
手順①:法務局の指示を受ける
登記官から補正の指示を受けます。登記官からの連絡は、通常は申請書に記載した連絡先の電話番号にかかってきます。
ただし、オンライン申請により申請した場合には、オンライン上で補正指示の連絡が届く場合もあります。
登記申請中に法務局の電話番号からの着信履歴があった場合、補正指示の可能性が高いので、速やかに折り返し連絡するようにしましょう。申請書に記載する連絡先は、携帯電話など日中連絡が取れる電話番号を記載しておく必要があります。
連絡を受けたら、具体的な補正内容についてしっかりと確認し、疑問点などがあれば登記官に確認しましょう。
また、補正については、期限があるのが普通です。登記官にいつまでに補正をすればよいのかもしっかりと確認しましょう。通常は1週間程度以内には補正を完了することを求められるでしょう。やむを得ず補正に時間がかかる場合には、登記官に事情を説明し、いつ補正ができるのかを伝えて待ってもらえるかどうか指示を仰ぎます。
手順②:補正の作業を行う
登記官の指示どおりに補正の作業を行います。申請書の内容を補正する場合、紙で申請している場合には法務局の窓口まで補正をするために出頭します。
法務局から連絡が来た際に担当者名を確認しておき、窓口でその担当者を呼んでもらいましょう。その際、申請書に押印した印鑑と同じ印鑑を持参する必要があります。
オンライン申請をした場合には、申請書の補正はオンライン上で行います。
申請書ではなく、添付書類の内容等に誤りがある場合、書類を差し替えるべきなのか、今提出している書類に訂正印を使って訂正をするべきなのかは登記官に確認しましょう。多くの場合は、どちらも認めてもらえます。書類を差し替える場合には、郵送することもできます。
郵送する場合には、担当する登記官の名前を確認し、封筒の宛先には担当者名も記入し、「補正書類在中」と書いておくと分かりやすくてよいでしょう。
まとめ
登記申請後に誤りが判明するケースはよくあることで、慌てる必要はありません。登記官の話をよく聞き、どのように補正をすればよいのかしっかりと確認の上、速やかに対応することが大切です。