【会社設立後の提出書類】⑪国民年金第3号被保険者関係届の書き方(記入例あり)
会社を設立して事業を進めていくうちに、「従業員がめでたく結婚!」といった喜ばしいニュースが届くこともあるでしょう。
今回は、そのような時などに提出する「国民年金第3号被保険者関係届」の概要と書き方のポイントについて説明します。
国民年金第3号被保険者関係届の概要
国民年金第3号被保険者関係届は、国民年金第3号被保険者(以下、第3号被保険者)の資格の取得や喪失、変更等を届け出るために作成するものです。
第3号被保険者とは、国民年金および厚生年金(会社員)・共済(公務員)に加入している者(第2号被保険者)に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満(障がい者の場合は年収180万円未満)の人を指します。
なお、全国健康保険協会管掌の健康保険(協会けんぽ)の届出を同時に行う場合、提出する書類は別様式(届出健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届)になるのでご注意ください。
提出が必要なケース
国民年金第3号被保険者関係届は、次のようなケースが発生した際に提出が必要となります。
第2号被保険者の配偶者が第3号被保険者に該当した場合
すでに健康保険・船員保険の被扶養者となっている配偶者が20歳となり、第3号被保険者に該当した場合
健康保険の任意継続中のため、配偶者の健康保険被扶養者とならず、第3号被保険者にのみ該当した場合
第3号被保険者の収入が基準を超えたため扶養から外れた場合
第2号被保険者と離婚した場合
提出期限、提出先、提出方法
提出期限は、第3号被保険者の資格取得・喪失等の発生から5日以内です。
提出方法によって提出先が異なり、郵送の場合は事務センター、窓口持参の場合は事業所の所在地を管轄する年金事務所となります。なお、電子申請も可能です。
必要な添付書類
提出時には、次の書類の添付が必要です。
続柄確認のための書類
- 被保険者の戸籍謄本もしくは戸籍抄本(被保険者との続柄がわかるもの)
- 被保険者の住民票 (被保険者が世帯主で、被扶養者と同一世帯である場合に限る)
上記の添付書類は、いずれも提出日から90日以内に発行されたものを添付します。なお、届出書に以下の記載があれば、添付は不要です。
- 被保険者と扶養認定を受ける人のマイナンバー
- 扶養認定を受ける人の続柄が相違ないことを確認した旨
収入要件確認のための書類
所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっているものは、事業主の証明があれば書類の添付は不要です。
それ以外の場合は、状況に応じて以下の添付書類が必要になります。
・雇用保険失業給付受給中、または受給終了により収入要件を満たす場合
「雇用保険受給資格証のコピー」
・年金受給中の場合
現在の年金受給額がわかる「年金額の改定通知書等のコピー」
・自営(農業等含む)による収入、不動産収入等がある場合
「直近の確定申告書のコピー」
・上記以外に収入がある場合
上記の各状況に応じた書類と「課税(非課税)証明書」
・退職により収入要件を満たす場合
「退職証明書」または「雇用保険被保険者離職票のコピー」
・上記以外
「課税(非課税)証明書」
なお、上記の状況等にかかわらず、障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の非課税対象となる収入がある場合は、「受取金額のわかる通知書等のコピー」が必要です。
事業主はマイナンバーの確認が必須
国民年金第3号被保険者関係届は、被保険者から事業主に提出し、事業主から日本年金機構へ届け出る流れになっています。
事業主は日本年金機構に提出する前に、被保険者のマイナンバーカード(ない場合は個人番号表示のある住民票や通知カード、および運転免許証などの身元確認書類)と照合して、マイナンバーが被保険者本人のものであることを確認しなければなりません。
なお、本人確認を行った後の確認書類は日本年金機構に提出する必要はありません。
国民年金第3号被保険者関係届の書き方
ここからは国民年金第3号被保険者関係届の書き方についての説明です。国民年金第3号被保険者関係届には規定の様式があり、日本年金機構ホームページでダウンロードすることができます。
繰り返しになりますが、協会けんぽの届出を同時に行う場合、提出する書類は「届出健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届」になるのでご注意ください。
記入するときのポイント
国民年金第3号被保険者関係届を記入するときのポイントをいくつか抜粋して説明します。
<提出者情報>
事業主が記入する欄です。
<A.配偶者欄(第2号被保険者)>
①個人番号[基礎年金番号]
原則マイナンバーを記入するようにしましょう。基礎年金番号(10桁)の場合は左詰めで記入します。
<B.第3号被保険者欄>
②氏名欄の日付
配偶者(第2号被保険者)を通して、事業主に提出する日付を記入します。
③※届書の提出は配偶者(第2号被保険者)に委任します
□に✓印をつけることで、「代理権の確認ができる委任状」の添付を省略できます。
④住所
住民票の住所を記入します。
※住民票の住所と異なる住所に通知書の送付を希望する場合、「国民年金第3号被保険者住所変更届」に送付希望先の住所を記入し、あわせて提出します。
⑤配偶者の加入制度
第3号被保険者の配偶者が加入する制度を丸で囲みます。
<医療保険者記入欄>
健康保険組合、共済組合が事業主に代わって被扶養者の確認をする場合に署名、押印が必要です。なお、協会けんぽ加入者の場合、確認は不要です。
記入例
最後に国民年金第3号被保険者関係届の記入例(協会けんぽの場合)を掲載します。書類作成時の参考にしてください。