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定款を変更する方法とは?手続きの流れを解説

定款を変更するためには株主総会での特別決議が必要であり、その変更内容によっては変更登記の申請も必要になります。

今回は、定款変更の手続きの流れなどについて解説します。

定款変更とは

定款とは、会社としての目的や組織、活動などについての基本的な規則を定めたものであり、会社設立時に必ず作成しなければならないものです。

定款は会社設立時に作成すればそれで終わりというわけではありません。事業を進めていくうえでは、会社としての目的や組織などを変更することもありますし、その変更が定款の記載事項に抵触するのであれば、定款も変更しなければなりません。

何が定款変更に当たるのかは、まず、自社の定款にどのような事項が記載されているのかを理解していなければなりません。

なお、定款の記載事項は大きく分けて次の3種類に分けられます。

・絶対的記載事項

会社法第27条により、定款に記載することが義務付けられている事項です(記載がなければ、定款自体が無効になります)。

株式会社の絶対的記載事項は、「目的」、「商号」、「本店の所在地」、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」、「発起人の氏名又は名称及び住所」の5つです。

さらに言えば、「発行可能株式総数」についても、定款で定めていない場合には株式会社の成立の時までに定めなければならないこととされているため、実質的には絶対的記載事項と言えます。

・相対的記載事項

定款に記載することが義務付けられているわけではありませんが、定款に記載しないと効力が生じない事項です(記載がなくても定款自体が無効になることはありません)。

例えば、「株式の譲渡制限に関する定め」、「株券発行の定め」、「取締役会の設置」、「監査役の設置」、「公告の方法」などが挙げられます。

・任意的記載事項

会社が任意で記載する事項です。例えば、「事業年度」、「役員の数」、「支店の所在地」などが挙げられます。

定款変更の手続きの流れ

株式会社における定款変更の手続きの流れは次のとおりです。

①株主総会での特別決議

定款を変更するためには、株主総会での特別決議が必要になります。

株主総会は、基本的に会社の決算後3か月以内に開催する定時株主総会と、必要に応じて開催する臨時株主総会があります。

定款の変更について、どちらの株主総会で特別決議を行うのかは、その緊急性などに応じて判断することになります。

特別決議とは

特別決議とは、行使できる議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成をもって可決となる決議のことを言います。

特別決議が求められている議案としては、定款変更のほか、資本金の額の減少や会社の解散や合併などが挙げられます。会社経営の根本にかかわる議案を可決するためには、この特別決議が求められるということです。

なお、株主総会での決議の方法として、普通決議というものもありますが、こちらは、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数の賛成をもって可決となる決議です。対象となる議案としては、取締役の選任・解任(一定の解任については特別決議)や計算書類の承認などが挙げられます。

②株主総会議事録の作成

株主総会の議事録については、会社法によりその作成が義務付けられていますし、このあと説明する変更登記の申請の際にも提出が求められます。

株主総会議事録の記載事項

株主総会の議事録に定められた様式はありませんが、会社法施行規則第72条では次の事項の記載が義務付けられています。

  1. 開催日時及び場所
  2. 議事の経過の要領及びその結果
  3. 会社法の規定により株主総会において述べられた意見又は発言があるときはその概要(具体的には会計監査人などの意見のことを指します)
  4. 出席した取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の氏名又は名称
  5. 議長をおくときは議長の氏名(一般的には代表取締役が議長になります)
  6. 議事録を作成した取締役の氏名(一般的には代表取締役か担当取締役が議事録を作成します)

株主総会議事録への署名(記名押印)について

株主総会の議事録に、出席した取締役などが署名または記名押印することは会社法上の義務ではありません。

しかしながら、旧商法では株主総会に出席した取締役には署名または記名押印を義務付けていたこともあり、多くの会社では定款に、議長や議事録を作成した取締役、また、出席した取締役に署名または記名押印させる旨の規定を置いています。

このため、実務上では上記の記入例のとおり、出席した取締役などが記名押印するようになっています。

一定の定款変更は変更登記の申請が必要

定款変更については変更登記の申請が必要になるものとそうでないものがありますが、例えば、次の定款変更である場合には変更登記の申請をしなければなりません。

  • 事業目的の変更
  • 商号(社名)の変更
  • 本店所在地の変更
  • 支店の移転や設置、廃止
  • 発行可能株式総数の変更
  • 取締役会の設置や廃止
  • 監査役の設置や廃止
  • 公告方法(官報に掲載、電子公告制度を利用するなど)の変更

変更登記の申請が必要になるのは、事業目的や商号(社名)、本店所在地の変更のような絶対的記載事項の変更だけではありません。相対的記載事項や任意的記載事項の変更であっても変更登記の申請が必要になることがありますので注意が必要です。

定款を変更する場合に、変更登記の申請が必要であるのかどうか不明である場合には、管轄の法務局(登記所)にご確認ください。

変更登記の申請先・申請期限

変更登記の申請先は原則として管轄の法務局です。

申請期限は定款の変更が生じた日、つまり、株主総会の日の翌日から起算して2週間以内です。

ただし、本店所在地を変更した場合の申請期限は、実際に本店を移転した日の翌日から起算して2週間以内です。また、本店所在地を管轄法務局の区域外に変更したときは、これまでの管轄法務局と新たな管轄法務局に手続きを行わなければなりません。

変更登記の申請に必要な書類

変更登記の申請については、オンラインで行うこともできますが、法務局の窓口で行う場合には原則として次のような書類やCD-Rなどの電子媒体が必要になります。

  • 変更登記申請書
  • 登記すべき事項を記録したCD-Rなど(法務省の「登記・供託オンライン申請システム」によって提出することも可)
  • 株主総会議事録
  • 株主の氏名または名称、住所および議決権数などを証する書面(株主リスト)
  • 委任状(司法書士などの代理人が提出する場合)

定款変更にかかる費用

変更登記の申請をするためには、原則として3万円の登録免許税がかかります。

ただし、本店所在地を管轄法務局の区域外に変更したときは、これまでの管轄法務局と新たな管轄法務局に手続きを行わなければならないため、登録免許税は合計6万円(3万円×2)になります。

なお、変更登記の申請手続きを司法書士に依頼する場合には、上記の登録免許税などの実費に加えて、3万~5万円程度の費用がかかります。

まとめ

株式会社で定款を変更するためには、株主総会での特別決議が必要になります。
また、定款変更の内容によっては変更登記の申請が必要になりますので忘れないようにしましょう。

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