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インターネット販売をする時に必要な許認可とは?

インターネット販売では、販売する商品によって許認可が必要な場合があります。許認可取得までに時間を要するものもありますので、ご注意ください。

インターネット販売で許認可が必要となるケース

オンラインショップを簡単に開設できるサービス等の充実によって、新しくインターネット販売を始めたいという方も多いのではないでしょうか。

しかし販売したい商品を決めて、オンラインショップの開設準備をする前に、販売に許認可が必要かどうか確認しておかなければなりません。

もしも必要な許認可を取らずに販売してしまった場合、重い罰則が科される可能性があります。

たとえば以下のような商品を販売する場合は、許認可の取得が必要ですので十分に注意しましょう。

  • 食品を販売する場合
  • 酒類を販売する場合
  • 中古品を販売する場合
  • 化粧品を販売する場合

これら以外の商品は、すべて許認可が不要というわけではありませんので、販売開始前にご確認ください。

それでは、例に挙げた4つの場合の許認可について説明していきましょう。

食品を販売する場合

食品を販売するためには、食品衛生に関する知識や設備が必要になります。食品の販売には、「食品衛生法」という法律に基づいて必要な許可等がありますので、ご注意ください。

食品を作って販売したいという場合はもちろん、仕入れた食品を販売する場合でも、小分けにして詰め直したりするような場合でも、食品の種類に応じて、保健所の営業許可が必要になることがあります。

食品を作って販売するとき

たとえば、手作りのジャムやクッキーをインターネットで販売したいという場合、食品を作る場所と作った食品を保管しておく場所(商品発送する拠点)の両方それぞれに、作る食品に応じた、保健所の営業許可が必要になる場合があります。

営業許可を受ける際には、施設の所在地を管轄する保健所に相談しましょう。許可に必要な書類や要件等、管轄する保健所によって多少異なりますので、まずは相談することをお勧めします。

また食品販売の営業許可を得るためには、施設ごとに食品衛生責任者または食品衛生管理者を置かなければなりませんので、ご注意ください。

仕入れた食品を販売するとき

仕入れた食品を販売する場合でも、食品の種類によっては、保健所の営業許可が必要です。また、仕入れた商品を小分けにしたり、詰め直したりする場合、販売の許可だけではなく食品製造のための営業許可が必要になることがありますので、事前に保健所に確認しましょう。

「食品を作って販売するとき」と同様に、インターネット販売する場合には、作った食品を保管しておく場所(商品発送する拠点)の営業許可が必要になることがあります。

酒類を販売する場合

一般の店舗で酒類を販売する場合、税務署に「一般酒類小売業販売免許」の許可申請を行わなければなりませんが、インターネットで酒類を販売する場合は、「通信販売酒類小売業免許」の許可申請が必要になります。

ここで、注意しなければならないのは、インターネット販売では扱える酒類に制限があるということです。

インターネット販売できる酒類

インターネット販売で扱える酒類は、輸入酒類と国産の地酒に限られ、大手メーカーの酒類を取り扱うことはできません。また、国産の地酒を扱う場合には、酒造メーカー(蔵元)の「課税移出高証明書」の提出が必要になるなど、免許申請までに時間もかかりますので、ご注意ください。

酒類のインターネット販売を検討する場合は、税務署の「通信販売酒類小売業免許申請の手引」を読んで確認しましょう。

なお、この通信販売免許は新しく創設された区分で、それ以前に免許を取得している業者は、制限なくあらゆる酒類を通販できます。

中古品を販売する場合

自分用に購入した洋服やバック、書籍などを、オークションサイトやフリマアプリで販売することに許可は必要ありませんが、中古品を継続してインターネット販売するような場合は、「古物商の営業許可」が必要です。

古物商とは、中古品等を売買または交換することで、具体的には中古CDショップや、古本屋、古着屋、リサイクルショップなどを指します。もちろん、実店舗を持たないインターネット販売でも、同じく古物商の営業許可が必要です。

古物商の営業許可は、事業所(もしくは住所)が所在する都道府県の公安委員会に申請します。窓口となるのは、警察署の生活安全課等です。

古物商営業許可申請には、申請書だけではなく、住民票の写し、身分証明書(運転免許証等とは異なります)などの書類の準備が必要となりますし、申請から交付まで約40日かかりますので、出来るだけ早い段階で申請の手続を進めましょう。

化粧品を販売する場合

国内で仕入れた化粧品を、表示や中身に手を加えず、そのまま販売する場合、許認可を取得する必要はありません。

しかし、国内製造または輸入した化粧品を販売するためには、以下のような許可が必要となります。

国内で製品を製造して販売する場合

  • 化粧品製造業許可(許可区分:一般)
  • 化粧品製造販売業許可

海外から輸入した製品に法定事項を表示して販売する場合

  • 化粧品製造業許可(許可区分:包装・表示・保管)
  • 化粧品製造販売業許可

申請窓口は、都道府県(もしくは市や区)の薬務課、薬事課等となりますので、申請を検討する場合は確認してください。

まとめ

インターネット販売をイチから始める場合はもちろん、既に営業許可を得て実店舗で商品を販売している場合でも、ネット販売を始める際に、新たに営業許可を取らなければならないこともあります。

取り扱う商品によって、取得しなければならない許認可は異なりますし、許認可取得までに時間がかかるものもありますので、早めに許認可申請に着手するようにしましょう。

また法人の場合、基本的に許認可申請には登記事項証明書を提出しなければなりません。新たにインターネット販売等の事業に取り組む場合には、登記事項証明書の事業目的に「○○のインターネット販売」「〇〇の製造販売」等の記載が必要になります。

法人の事業目的を追加する場合は、定款の事業目的の変更登記が必要となりますので、ご注意ください。

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