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役員重任登記の手続き・手順(ケース別解説)

重任とは、役員が任期満了で退任すると同時に、再び同じ役員が就任することをいいます。「同時」がポイントで、退任と就任のタイミングがずれると重任にはなりません。

 

そして、役員の就任・退任時と同様、役員を重任したときも登記は必須です。

 

「同じ人が役員を続けるのだから、登記をしなくてもよいのでは?」

 

そう感じる方もいらっしゃると思いますが、間違いです。重任の登記を怠ると、会社が解散してしまうおそれもあります。本記事では、役員重任登記の手続きと作成・手配する書類を、ケース別に紹介します。

 

役員重任登記の手続きの流れ(ケース別)

役員を重任したときは、2週間以内に、管轄の法務局へ重任登記を申請します。重任の場合は、退任登記と就任登記の両方を申請するのではなく、重任登記だけを申請すれば足ります。退任と就任のタイミングが同時でないと重任とはなりませんので、その場合は退任と就任の登記が必要です。

 

さて、役員重任には、次の図表のように、取締役会を設置しているか、役員全員を重任するか、代表取締役をどのように選定するかなどによって、いくつかのケースに分かれます。

 

取締役会設置会社および取締役会非設置会社の役員重任6ケース

 

ここからは、上の図表に記載した①~⑥の重任のケース別に、手続きの流れや用意する書類などを説明します。貴社にあてはまるケースをご確認ください。

 

①取締役会あり、役員全員重任

取締役会を設置している会社が役員全員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会を開催し、取締役と監査役を選任
  3. 取締役会を開催し、代表取締役を選定
  4. 必要書類の作成・手配
  5. 管轄の法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

通常、事業年度の最終日から3ヵ月以内に定時株主総会を開催します。それに先立ち、定時株主総会の開催日の2週間前(非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合は1週間前)までに、株主に招集通知を発送します。

 

定時株主総会では、取締役と監査役を株主総会の決議(普通決議)により選任し、就任の承諾を得ます。その後、取締役会で代表取締役を選定し、就任の承諾を得ます。なお、株主総会および取締役会の議事録は登記申請時に提出するため、必ず作成します。

 

その他、後述する書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄法務局へ重任登記の申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録
  • 就任承諾書
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

作成時に注意したい書類が、取締役会議事録です。取締役会議事録に会社実印の押印がない場合は、取締役会に出席した全役員の実印の押印および印鑑証明書を添付しなければなりません。手続きを省力化するためにも、取締役会議事録には会社実印を押すようにしましょう。

 

また、就任承諾書は、取締役と代表取締役の両方が必要です。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記の費用は、登録免許税の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)です。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

②取締役会あり、役員一部重任

取締役会を設置している会社が一部の役員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会を開催し、取締役と監査役を選任
  3. 取締役会を開催し、代表取締役を選定
  4. 必要書類の作成・手配
  5. 管轄法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

事業年度最終日の3ヵ月後までに定時株主総会を開催します。それに先立って、定時株主総会開催日の2週間前(非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合は1週間前)までに、株主へ招集通知を発送します。

 

定時株主総会では、取締役と監査役を株主総会の決議(普通決議)により選任し、就任の承諾を得ます。その後、取締役会で代表取締役を選定し、就任の承諾を得ます。株主総会および取締役会の議事録は登記申請書に添付するため、必ず作成します。

 

その他、後述する必要書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄の法務局へ重任登記の申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 定時株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書または本人の確認ができるもの(新任役員のみ必要)
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

新たに就任する取締役について、印鑑証明書を添付しないときは、「本人を確認できるもの」が必要です。本人の確認ができるものには、住民票の写しや運転免許証のコピーなどが該当します。

 

取締役会議事録には会社実印を押印するようにしましょう。もし押印がない場合は、取締役会に出席した全役員の実印の押印および印鑑証明書が必要になります。

 

就任承諾書は、取締役と代表取締役の両方を作成します。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記の費用として、登録免許税の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)がかかります。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

③取締役会なし、役員全員重任(代表取締役を株主総会決議で選定)

取締役会を設置しておらず、代表取締役を「株主総会の決議」で選定する会社において役員全員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会を開催し、取締役・監査役・代表取締役を選任
  3. 必要書類の作成・手配
  4. 管轄法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

事業年度最終日から3ヵ月以内に定時株主総会を開催します。それに先立ち、開催2週間前までに株主へ招集通知を発送します。なお、非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合であれば1週間前に招集通知を発送すればよく、定款に定めればさらに短縮可能です。

 

定時株主総会では、取締役と監査役の選任決議、代表取締役の選任決議(いずれも普通決議)により選任し、就任の承諾を得ます。株主総会議事録は必ず作成します。

 

その他、後述する必要書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄の法務局へ登記申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

株主総会議事録には会社実印を押印します。会社実印の押印がない場合は、役員全員の実印の押印および印鑑証明書の添付が必要です。

 

また、就任承諾書は取締役と監査役のものがあれば足ります。代表取締役の就任承諾書の添付は不要です。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記にかかる費用は、登録免許税の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)です。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

④取締役会なし、役員全員重任(代表取締役を取締役の互選で選定)

取締役会を設置しておらず、代表取締役の選定方法を「取締役の互選」と定款に記載している会社において役員全員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会の開催
  3. 定時株主総会で取締役と監査役を選任
  4. 取締役の互選により代表取締役を選定
  5. 必要書類の作成・手配
  6. 管轄法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

事業年度最終日から3ヵ月以内に定時株主総会を開催します。それに先立ち、開催2週間前までに株主へ招集通知を発送します。なお、非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合であれば1週間前に招集通知を発送すればよく、定款に定めによりさらに短縮可能です。

 

定時株主総会では、取締役・監査役の選任決議(普通決議)によって選任し、就任の承諾を得ます。そして、定款の記載のとおり「取締役の互選」により代表取締役を選定し、就任の承諾を得ます。

 

後述する必要書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄の法務局へ登記申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役の互選書
  • 就任承諾書
  • 定款
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

取締役の互選書には、会社実印を押印します。会社実印の押印がない場合は、役員全員の実印の押印および印鑑証明書が必要となります。

 

就任承諾書は、取締役と代表取締役の両方を用意します。ただし、代表取締役に選任された人が互選の際に就任を承諾し、互選書にその旨の記載があれば、代表取締役の就任承諾書は不要です。この場合、変更登記申請書に「就任承諾書は、互選書の記載を援用する。」と記載します。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記の費用は、登録免許税の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)です。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

⑤取締役会なし、役員一部重任(代表取締役を株主総会決議で選定)

取締役会非設置で、代表取締役を「株主総会の決議」で選定する会社において一部の役員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会で取締役を選任
  3. 株主総会の決議により代表取締役を選定
  4. 必要書類の作成・手配
  5. 管轄法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

事業年度最終日から3ヵ月以内に定時株主総会を開催します。それに先立ち、開催2週間前までに株主へ招集通知を発送します。なお、非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合、1週間前に招集通知を発送すればよく、定款の定めによりさらに短縮可能です。

 

定時株主総会では、株主総会の決議(普通決議)によって取締役と代表取締役を選任し、就任の承諾を得ます。

 

後述する必要書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄の法務局へ重任登記の申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書または本人の確認ができるもの(新任役員のみ必要)
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

株主総会議事録には、会社実印を押印します。会社実印を押印しない場合は、役員全員の実印の押印および印鑑証明書が必要です。

 

就任承諾書は取締役、監査役のものを準備します。代表取締役の就任承諾書は不要です。

 

役員の一部を重任し、その他の役員を新任した場合は、新たに選任した役員の印鑑証明書が必要です。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記の費用は、登録免許税の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)です。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

⑥取締役会なし、役員一部重任(代表取締役を取締役の互選で選定)

取締役会非設置で、代表取締役の選定方法を「取締役の互選」と定款に記載している会社において一部の役員を重任する場合、登記までの手続きの手順、用意する書類、費用は次のようになります。

 

手続きの手順

  1. 定時株主総会の招集通知を発送
  2. 定時株主総会で取締役を選任
  3. 取締役の互選により代表取締役を選定
  4. 必要書類の作成・手配
  5. 管轄法務局へ重任登記を申請(2週間以内)

事業年度最終日から3ヵ月以内に定時株主総会を開催します。それに先立ち、開催2週間前までに株主へ招集通知を発送します。なお、非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合、1週間前に招集通知を発送すればよく、定款の定めによりさらに短縮可能です。

 

定時株主総会では、取締役の選任決議(普通決議)により選任し、就任の承諾を得ます。その後、定款の記載にもとづき、「取締役の互選」によって代表取締役を選定し、承諾を得ます。

 

後述する必要書類を作成・手配し、定時株主総会の開催日から2週間以内に、管轄の法務局へ重任登記の申請を行います。

 

必要な書類

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書または本人の確認ができるもの(新任役員のみ必要)
  • 取締役の互選書
  • 定款
  • 委任状(代理人申請を行う場合)

取締役の互選書には、会社実印を押印します。会社実印の押印がない場合は、役員全員の実印の押印および印鑑証明書が必要です。

 

就任承諾書は、取締役と代表取締役の両方を用意します。代表取締役の就任承諾書については、互選の際に就任を承諾し、互選書にその旨の記載があれば、不要です。この場合、変更登記申請書に「就任承諾書は、互選書の記載を援用する。」と記載します。

 

役員の一部を重任し、その他を新たに選任した場合は、新任役員の印鑑証明書を用意します。

 

必要書類の詳細については、以下の記事で説明していますので、ご覧ください。
>役員重任登記の必要書類とは? 怠ると会社消滅の危機も

 

費用

重任登記では、登録免許税として1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)が必要です。変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に、登録免許税額分の収入印紙を貼ります。

 

役員の任期をチェックする方法

役員重任は、任期満了による退任が前提になります。そのため、それぞれの役員の任期を把握しておくことが大切です。

 

役員の任期については、会社法で次のとおり定められています。

 

役員

任期

取締役

選任後、2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結まで

監査役

選任後、4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結まで

非公開会社の場合は、定款に定めることによって、最長10年まで任期を伸長することができます。また、取締役の任期は定款によって短縮可能ですが、監査役の任期は短縮できません。

 

代表取締役の任期については会社法には明文の定めがありませんが、会社の取締役でなければ就任できないので、取締役の任期に従います。

 

役員の任期は次の手順でチェックして、正確に把握しておきましょう。

 

【役員の任期はこの4点でチェック】
☑任期に関する定款の記載
☑事業年度の末日
☑役員の選任日
☑選任日以降の各事業年度の定期株主総会の開催日

 

重任登記を怠ると「解散」することも

非公開会社の場合、取締役の任期を定款の定めにより10年に伸長できるようになったことから、重任登記を忘れてしまうことが以前よりも増えています。極端な例では、12年も重任登記を忘れたまま放置してしまい、会社が登記官の職権で解散させられている例もあります。

 

失念している間は、従前の役員が「権利取締役」等で、従前どおりの権利義務を負いますが、登記忘れは取引先の信用を失うことにもつながります。任期の確認・手続きの日程の確認を確実に行い、重任登記を適切に行うようにしましょう。

 

役員重任登記の手続きを簡単に行う方法

以上のように、役員重任登記の手続きは、会社の機関設計等によって手続きの手順や必要書類の種類が異なります。さらに、書類はいくつかの種類を手配・作成する必要があるため、煩雑になりがちです。

 

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