「役員変更のお知らせ」の通知方法や記載内容は?(例文あり)
会社の役員が変わった際には、取引先にお知らせするのがビジネスマナーです。
この記事では、役員変更後も円滑に取引を続けるための、役員変更を通知する方法や記載すべき内容を紹介します。
役員変更のお知らせとは?
会社の役員は、任期満了、任期中の辞任、死亡による退任、不祥事による解任、増員など、 さまざまな理由で変更します。
役員が変更した場合、取引先に役員変更を適切にお知らせしなければ、混乱を招いたり信用を失ったりしてしまう可能性があります。
そのため、役員の変更時はできるだけ速やかに取引先や得意先へ挨拶状を送るなどしてお知らせすることが大切です。
お知らせが必要なケース
会社によって、代表取締役、取締役(代表権のない取締役)、社外取締役(その会社の業務経験がなく監視する立場の取締役)、監査役、執行役などの役員が存在します。
そして、代表取締役が1人のみで代表取締役社長である会社もあれば、代表取締役が複数存在し、代表取締役社長、代表取締役副社長、代表取締役会長が存在する会社もあります。
必ずお知らせした方がよいのは、代表取締役社長が変更となるケースです。代表取締役社長は、その会社のトップであり、取引先にとっても最も重要な存在です。代表取締役社長が変更することで、会社の体制が大きく変わる場合もあるため、適切に通知しなければ取引先に混乱を与えてしまうおそれがあります。
また、次期社長候補として、新たに取締役を選任した場合にもお知らせをしましょう。その役員の存在をアピールでき、代表取締役社長に就任するためのステップをスムーズに進めていけます。
その他、役員のメンバーが変更となることは取引先にとっては関心事項であることが多いため、一人でも役員が変わるのであればお知らせすることをおすすめします。
「役員変更のお知らせ」の通知方法
役員変更を知らせる方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 面会して挨拶する
- 電話で連絡する
- 手紙で通知する
- E-mailで通知する
- FAXで通知する
- Webサイトに掲載する
- 新聞広告に掲載する
これらの方法の中から、できれば複数の方法を組み合わせてお知らせするのがおすすめです。
一番丁寧な印象を与えることができるのは、面会による挨拶ですが、すべての取引先に行うことは難しいでしょう。
そのため、手紙を郵送して通知する方法が現実的です。それに加えて、Webサイトに掲載したり、普段取引をしている担当者宛にE-mailで通知したりすれば好印象を与えられるはずです。
通知を出すあて先は、取引先企業の代表宛とすればよいでしょう。代表宛に通知すれば社内で回覧されるのが通常なので、部署ごとや支店ごとに通知を出す必要はないでしょう。
「役員変更のお知らせ」の例文
具体的な役員変更通知の文例を紹介します。
詳しい退任理由などを記す必要はなく、丁寧ではありつつも明確で分かりやすい文面を心がけましょう。
ビジネス文書なので、個性的である必要はありませんが、本来直接お伝えしたいところを書面で失礼することとなるため、礼儀正しく品性のある文章であることが大切です。
代表取締役社長が退任し、新代表取締役が就任する場合
代表取締役社長退任のご挨拶 謹啓 貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 さて私儀 去る令和〇年〇月〇日〇〇をもって株式会社〇〇代表取締役社長を退任いたしました。 在任中は公私ともに格別のご懇情を賜り誠にありがとうございました。 なお後任には乙山二郎が就任いたしましたので 変わらぬご指導ご鞭撻賜りたく何卒よろしくお願い申し上げます。 まずは略儀ながら書中をもって御礼方々ご挨拶申し上げます。 謹白 令和〇年〇月 甲山太郎 |
代表取締役社長就任のご挨拶 謹啓 貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます さて私儀 このたび甲山太郎の退任にともない代表取締役社長に就任いたしました つきましては 微力ではございますが社業発展のために尽力する所存でございますのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます 謹白 令和〇年〇月 乙山二郎 |
定時総会で複数の役員が変更する場合
謹啓 貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます。 さて 去る令和〇年〇月〇日開催の第〇回定時株主総会及び取締役会において役員を選任し下記のとおり就任いたしましたのでご報告いたします。 今後は役員一同決意を新たに社業発展のために精進する所存でございますので今後ともご厚情を賜りますようお願い申し上げます。 まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。 謹白 令和〇年〇月 株式会社〇〇 記 代表取締役社長 甲野一郎 取締役副社長 乙川花子(昇任) 取締役 丙村二郎(新任) 監査役 丁田好子 なお取締役戊山三郎は退任いたしました。 在任中に賜りましたご厚情に厚く御礼申し上げます。 以上 |
まとめ
役員変更はできるだけ速やかに通知することが望まれます。
早めにお知らせをすることで、先方にきちんとした会社であるという好印象を与え、役員が変わり新体制になってもこれまで通りの取引ができるという安心感を持ってもらえるでしょう。