リーガルメディア > 登記 > 商号変更 > 商号変更をオンライン申請で申請する手順
商号変更

商号変更をオンライン申請で申請する手順

会社を設立した後で、社名(商号)を変えることができます。商号を変えたら変更登記が必要となり、登記はオンライン申請することができます。

この記事では、商号変更登記をオンライン申請する手順を紹介します。

商号変更とは

会社のイメージを刷新したい、現代的な社名にアップデートしたいなどといった理由から、設立した時につけた社名(商号)を変えたくなる場合があります。

会社の商号は、株主総会で承認されれば何度でも変更することができます。

商号変更の際のルール

基本的には自由な社名に変更できますが、以下の通り一定の制限はあります。

①株式会社であれば必ず「株式会社」と入れる

会社の種類(株式会社、合同会社、合名会社、合資会社)が分かるように、必ずいずれかの会社の種類名を入れなければなりません。株式会社を英語で「K.K」「Co.Ltd」などと表記することはできません。

②有名企業等の商号を真似してはいけない

不正な目的をもって他の会社と誤解される可能性のある商号をつけることはできません。たとえば、同業他社で有名企業の名前によく似た社名をつけ、顧客が同じ会社だと誤解するおそれがある場合は、「営業権の侵害」や「不正競争防止法」に触れる可能性があり、使用の差し止めや損害賠償を請求される可能性があります。

③「銀行」など使用制限のある語句は使えない

「銀行」、「証券」、「生命保険」などは、その事業の許可を得た会社のみが使用できます。許可のない会社がこれらの語句の入った商号をつけることはできません。

なお、アルファベットや一部の記号(「&」「-」「.」「・」「‘」)については商号に使うことができます。

商号変更登記をオンライン申請する方法

商号変更登記や、その他の商業登記申請は、2種類の申請方法があります。

1つは従来からの書面申請で、申請書その他添付書類をすべて書面で作成し、法務局に提出する方法です。

もう1つがオンライン申請で、インターネットを利用して申請データを自宅や職場から送信する方法です。

オンライン申請するメリット

オンライン申請を選択するメリットは主に以下のものです。

メリット①

オンライン上で登記の進捗状況が分かり、登記が完了したかどうかをオンライン上で確認できる。

メリット②

書面申請の場合、郵便で申請書を送ると受付までに時差が生まれるが、オンライン申請であれば申請すればその場で受付がされる。

メリット③

登録免許税の支払いをインターネットバンキングで行うことができ、書面申請のように収入印紙を購入する手間がかからない。

メリット④

書面申請より早く登記完了することが多い。国がオンライン申請を推奨していることもあり、オンライン申請の方が早く処理される傾向がある。

登記・供託オンライン申請システムの利用が必要

商号変更登記をオンライン申請するためには、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を利用する必要があります。

商号変更登記をオンライン申請する手順

手順①:新しい商号を決める

新たな商号を考えます。商号については、上述のとおり一部制限がありますので、それを守った商号を考えましょう。幅広く社員からアイディアを募るのもよいでしょう。

手順②:株主総会で承認する

会社の商号変更をするためには、株主総会で承認されなければなりません。

株主総会の特別決議(出席者の3分の2以上の賛成)によって可決される必要があります。

手順③:必要なソフトのインストールと利用者登録

オンライン申請に必要となる、「登記・供託オンライン申請システム」に登録します。

インターネットで「登記・供託オンライン申請システム」を検索してページを開き、トップページから「申請者情報登録」をクリックした後、必要な情報を登録します。

登録できたら、ソフトウェアのダウンロードページから「申請用総合ソフト」をインストールします。

手順④:申請書様式選択と申請書情報の入力

申請用総合ソフトにログインし、申請書情報の入力をします。

「処理状況表示」→「申請書作成」→「申請書様式一覧選択」の順にクリックしていき、「商号変更登記の申請書」を選択します。

会社法人等番号・商号・本店・登記の事由・登記すべき事項・登録免許税等の必要な情報を入力していきます。

手順⑤:電子署名

申請書に電子署名を付与します。

電子署名の方式には、ICカードで署名とファイルで署名の2つがあります。

「電子署名」をクリックし、「ICカードで署名」または「ファイルで署名」を選択します。

ICカードの場合には、ICカードリーダーにICカードを差し込んで「OK」をクリックします。

ファイルで署名の場合には、電子証明ファイルを選択して「開く」をクリックします。アクセスパスワードを入力して確定すると、電子署名の付与が完了します。

手順⑥:申請データの送信

電子署名が済んだら、申請書情報の送信を行います。

手順⑦:登録免許税の納付

登録免許税の納付を行います。

インターネットバンキングによる電子納付をする方法と、郵便局などで収入印紙を購入して用紙に貼り付けて提出する方法があります。

商号変更の登録免許税は、3万円です。

手順⑧:添付書類の提出

商号変更登記には、申請書情報以外にも添付書類が必要です。

基本的な添付書類は以下のものです。

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト

これらの書類を、「申請書総合ソフト」の「書面により提出した添付書類の内訳表の印刷」をクリックして用紙に印刷したものと一緒に管轄の法務局に提出します。

法務局の窓口に持って行く必要はなく、郵送できます。

ただし、この添付書類が届いた時点から法務局による審査が開始されるので、急いでいる場

合には持参した方が早いでしょう。郵送の場合は、レターパックなど追跡番号のある方法にしたほうがよいでしょう。

なお、添付書類についてもオンラインで提出することができます。

この場合には、手順③の後、PDF化した添付書類に電子署名をして、電子署名した添付書類を申請書に添付する作業を行います。

まとめ

商号変更登記は、比較的簡単な登記の一つなので、オンライン申請を初めて行う人にもおすすめです。オンライン申請の場合でも、株主総会議事録などの添付書類が必要となることには変わりありません。これらの書類をゼロから作るのは意外と大変で、ミスがあると再提出などの手間がかかります。

LegalScriptを活用すれば、簡単な入力で登記の必要書類をすべて作成できます。詳しくは以下のページをご覧ください。