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会社設立

社名(商号)変更時に絶対押さえるべき3つのポイント

近年、企業のブランディング強化や持株会社(ホールディングカンパニー)への組織再編により、社名を変更する企業が続出しています。

2018年には株式会社ZOZO(旧・株式会社スタートトゥデイ)やAGC株式会社(旧・旭硝子株式会社)など、上場企業だけでも40社以上が社名を変更。2019年はそれを上回るペースで増えています。

中小企業のなかにも、社名を刷新して新たなマーケティング戦略を進めようと検討する企業もあるのではないでしょうか。そこで今回は、社名を変更する際に絶対に押さえるべきポイントを紹介します。

新しい社名(商号)に変更するときのポイント

社名は、正式には「商号」といいます。新しい社名に変更する際は、次の3つのポイントに注意が必要です。

1 変更できる商号か事前に調査

2006年5月の会社法の施行により、商号規制は大きく緩和されました。しかし、「同一住所にて登記する他人の商号と同じ商号」を登記できない点は変わりません。

ショッピングモールやオフィスビルなど、多くのテナントが入居する施設に本社を置く場合は、同じ住所に変更予定の商号がないか事前に調べましょう。商号調査には法務局の「オンライン登記情報検索サービス」を利用すると便利です。

2 不正競争防止法の抵触に要注意

同じ住所の他人の商号でなければ、原則的には商号を変更できます。しかし、他社と誤認される名称を使用した場合、すでにその商号を使用している会社から使用停止を要求される可能性があります。

また、日本全国に知れ渡っている他人の商号はもちろん、全国的には無名でも同じ地域や業界で有名な他人の商号を使用した場合、不正競争防止法に抵触し、損害賠償請求を受けるおそれがあります。

商号変更をする際は必ず商号調査を行い、類似商号があった場合は専門家に相談するなど、リスクヘッジすることが大切です。

3 使用できる文字に制限がある

商号に使用できる文字は、以下に限定されます。

・ひらがな、カタカナ、漢字

・アルファベット(大文字、小文字)

・アラビア数字

・記号:「&」「‘」「,」「-」「.」「・」

※記号を先頭に使用することはできません。また「.」を除く記号を末尾に使用することもできません。また、アルファベットを用いる場合に限り、単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできます。

社名(商号)を変更する手順

ここまでは新しい社名(商号)に変更するときのポイントについて説明しました。続いて社名変更を行う手順を解説します。

まずは株主総会の決議

商号は、定款の絶対的記載事項です。そのため、商号を変更するには、必然的に定款を変更しなければなりません。

定款の変更には、株主総会の特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、その出席株主の議決権の3分の2以上)が必要です。そのため、まずは定時株主総会または臨時株主総会を開催し、定款変更の決議を行いましょう。

法務局に変更登記を申請

株主総会の2週間以内に管轄の法務局に変更登記申請を行います。変更登記を申請する際の必要書類等は次のとおりです。

・変更登記申請書

・株主総会議事録

・株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)

・収入印紙添付台紙(登録免許税3万円の収入印紙を貼付)

法人実印を変更する

社名の変更にあわせて、法人実印(会社の印鑑)を新調する企業がほとんどです。法人実印は法務局に印鑑登録を行っているため、届出印の改印手続きをする必要があります。

公共機関などに変更を届け出る

社名変更に伴い、役所や公共機関への届出も欠かせません。

<届出が必要な主な機関>

・税務署

・都道府県税事務所

・市区町村の役所、役場

・年金基準監督署

・公共職業安定所(ハローワーク)

その他、銀行などの金融機関や不動産管理会社、電気会社、水道局などへの届出も忘れずに行いましょう。

まとめ

社名を変えるということは、会社の歴史を動かす一大事です。速やかに、かつ確実に変更できるように、ポイントをしっかりと押さえて対応しましょう。不正競争防止法に抵触するおそれがあるなどリスクも伴うので、不安に感じる場合は専門家におまかせするのもひとつの方法です。