有限会社の本店移転登記に必要な書類とは?(記入例あり)
有限会社は、過去に設立が認められていた会社形態のひとつです。2006年5月の会社法施行に伴い、有限会社法が廃止されたため、それ以降の新規設立はできなくなりました。
現存する有限会社は「特例有限会社」といい、商業登記では、取締役会設置会社の定めを設けることができないなどの一定の制限が設けられています。ただし、本店を移転することについては制限がなく、本店を移転した場合には登記が必要となります。
当記事では、有限会社の本店移転登記を行う際に作成しなければならない書類や、登記申請書の書き方などについて解説します。
同一登記所の管轄区域内で本店移転する場合
本店を少し離れた場所に移転するような場合では、新しい本店の所在地を管轄する登記所と、現在の本店所在地を管轄する登記所は同一になります。このようなケースでは、現在の会社の登記がある登記所に、本店所在地の変更登記を行います。
登記申請書の記入例
こちらは同一登記所の管轄区域内の場合の本店移転登記申請書の記入例です。
必要な添付書類
本店所在地を地番まで定めている場合
添付書類については、本店移転登記をする有限会社が、本店所在地を定款で地番まで定めていた場合には、本店を移転するためには定款の変更が必要です。定款の変更には株主総会の決議が要ります。
したがって、このケースでの本店移転登記では、次の添付書類が必要となります。
- 本店所在地を変更する定款変更の決議をした株主総会の議事録
- 株主リスト
- 取締役の過半数の一致を証する書面(取締役の決定書)
本店所在地を最小行政区まで定めている場合
定款で本店所在地を最小行政区まで定めているケースで、その最小行政区内で本店を移転する場合には、本店移転にあたって定款変更は必要ありません。
このケースでは、通常の業務の執行として、取締役の過半数の一致があれば、本店所在地を変更することができます。したがって、次の書類の添付で足ります。
- 本店移転について取締役の過半数の一致があったことを証する書面(取締役の決定書)
司法書士に依頼する場合は委任状が必要
本店移転登記の手続きを司法書士に委任する場合には、この他、委任状が必要になります。
こちらは委任状の記入例です。
変更登記の手続きを司法書士に委任する場合には、登記申請書の一番最後の会社の代表取締役の氏名に会社の登記所届出印による押印はしません。その代わりに、会社代表者の住所氏名の下に、手続きを代理する司法書士の住所氏名を追加で記載し、司法書士の印鑑(認印)を押印します。
管轄区域外へ本店を移転する場合
本店を遠く離れた地域に移転する場合には、移転前の本店所在地を管轄する登記所と移転後の本店所在地を管轄する登記所が異なります。
この場合には、登記申請書を、変更前の登記所に提出する分と、変更後の登記所に提出する分の2通を用意する必要があります。
この2通は、同時に、変更前の本店所在地を管轄する登記所に提出します。2通につき、それぞれ3万円の登録免許税が課税されますから、管轄区域外に本店を移転する場合には、合計で6万円を用意する必要があります。
登記申請書の記入例
変更前と変更後の本店所在地を管轄する登記所には、次のような登記申請書を提出します。
変更前の本店所在地を管轄する登記所に提出する申請書
変更後の本店所在地を管轄する登記所に提出する申請書
司法書士に依頼する場合は、委任状も2通必要
管轄外の区域に本店を移転した場合の変更登記の手続きを司法書士に委任した場合には、2通の申請書のそれぞれに前に例示した委任状の添付が必要になります。
また、登記申請書の一番下の欄の会社代表者の氏名には会社の登記所届出印は押印しません。その代わり、その下に追加で、代理人である司法書士などの住所及び氏名を記載し、代理人の印鑑(認印)を押印する必要があります。
まとめ
有限会社の本店移転登記には、さまざまな書類が必要であることが、おわかりいただけたでしょうか。「意外と面倒だな」と感じた方も多いと思います。そのような方は、司法書士に依頼するのも一手でしょう。
しかし、プロに依頼すれば当然、コストもかかります。そこで、有限会社の本店移転登記を手軽に、かつリーズナブルに行いたい方には、LegalScript(本店移転登記)がおススメです!
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