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【会社設立後の提出書類】⑮雇用保険被保険者資格取得届の書き方(記入例あり)

労働者を新たに雇用した会社は、さまざまな書類を各所に提出しなければなりません。

労働者が雇用保険に加入するときに作成する「雇用保険被保険者資格取得届」も、提出義務が生じる書類のひとつです。

ところが、雇用保険の加入時には数種類の書類を提出することになるため、頭が混乱してしまうこともあるでしょう。

今回は、雇用保険被保険者資格取得届を提出する際のポイントや書き方について説明します。

雇用保険被保険者資格取得届の概要

雇用保険被保険者資格取得届(以下、被保険者資格取得届)は、雇用した労働者を雇用保険に加入させるときに提出する書類です。

雇用保険の加入要件は原則、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。この要件を満たす労働者を雇用した場合、雇用保険の適用事業となり、雇用保険に係る成立手続を行わなければなりません。

成立手続は提出順に要注意

雇用保険(および労災保険)に係る成立手続では、被保険者資格取得届の他、「保険関係成立届」「概算保険料申告書」「雇用保険適用事業所設置届」の計4つの書類の提出が必要です。

なお、提出には順序があり、最初に保険関係成立届を提出した後、その他の3つの書類を届け出なければなりません。

被保険者資格取得届は、雇用保険適用事業所設置届と提出先が同じ(所轄の公共職業安定所)なので、あわせて届け出るとよいでしょう。

提出期限、提出先、提出方法

被保険者資格取得届の提出期限は、資格取得の事実があった日(雇用保険の加入要件を満たす従業員を雇い入れた日)の翌日の翌月10日までです。

所轄の公共職業安定所(ハローワーク)の窓口に書類を持参してください。なお、電子申請による届出も可能です。

必要な添付書類

被保険者資格取得届は、基本的には添付書類は不要です。しかし、初めて提出する事業主や提出期限を過ぎてしまった場合は、以下のような、労働者の雇用の事実が確認できる書類の添付が求められます。

  • 労働者名簿
  • 賃金台帳(雇用~現在のもの)
  • 出勤簿またはタイムカード(雇用~現在のもの)
  • 雇用契約書

また、労働時間の短いアルバイトや有期契約の労働者を雇用した場合は、就業規則や雇用契約書の提出が必要です。

雇用保険被保険者資格取得届の書き方

ここからは被保険者資格取得届の書き方について説明します。申請書には規定の様式があり、ハローワークインターネットサービスでダウンロードできます。また、同サイト内での画面入力による申請書作成も可能です。

記入例とポイント

記入例をもとに作成時のポイントを抜粋して解説します。

なお、新たに雇い入れた労働者が雇用保険被保険者証(以下、被保険者証)の交付を受けている場合は書類作成時に必要となるので、雇用時に提出してもらうようにしましょう。

雇用保険被保険者資格取得届の記入例

①個人番号

被保険者のマイナンバーを記入します。事業主は番号確認と本人の身元確認を必ず行ってください。

②被保険者番号

③取得区分が「2 再取得」の場合、被保険者証に記載されている被保険者番号を記入します。「1 新規」の場合は空欄でかまいません。

③取得区分

過去に被保険者になったことのない場合、もしくは、被保険者でなくなった日から7年以上経過している場合は「1 新規」を選択します。それ以外の者は「2 再取得」を選択します。

④変更後の氏名

③取得区分で「2 再取得」を選択し、被保険者証の氏名と現在の氏名が異なっている場合に記入します。

⑤事業所番号

雇用保険に加入している事業所に付与されている番号です。事業所番号が4桁-6桁-1桁ではなく、連続した10桁の数字で構成されている場合は、最初の4桁をはじめの4つの枠内、残りの6桁を「―」以下の6つの枠内に記入し、最後の枠は空欄にします。

⑥被保険者となったことの原因

新卒採用の場合は「1」、中途採用者を雇い入れた場合は「2」など、該当する番号を記入します。※区分の詳細については、申請書の裏面に記載があります。

⑦賃金(支払の態様-賃金月額:単位千円)

千円単位で記入する点にご注意ください。

⑧職種

申請書の裏面に記載されている職種区分から、該当する職種の数字を記入します。

⑨契約期間の定め

契約期間を定めている場合は「1」と記入し、右欄に契約期間の開始・満了日および契約更新条項の有無を記入します。

まとめ

被保険者資格取得届は、労働者が雇用保険に加入するためには欠かせないものです。加入手続きがスムーズに進むように、以上のポイントを参考にしながら効率的に届出を行うようにしましょう。