【小規模事業者持続化補助金】申請書作成のポイントとは?
小規模事業者持続化補助金に採択されるには、事業計画書にあたる「経営計画」と「補助事業計画」の作成がキモとなります。
ここでは、この2つの申請書の記載内容と審査をふまえた作成ポイントをお伝えします。
経営計画の記載内容
「経営計画」は、自社の概要や強み、顧客と市場の状況、今後の中期的な経営計画を記載します。各項目の記載内容は次の通りです。
1.企業概要
企業概要は、事業内容や経営状況を具体的に記載しましょう。商品や社員の写真、売上推移のグラフ等、写真や図表を盛り込むと、視覚的に伝えやすくなります。
事業内容
法人名、代表者名、設立日、沿革、業種業態、ビジネスモデル、商品・サービス内容、従業員数、組織構成などを記載します
経営状況
売上・利益の推移(3年程度)、構成(売上や利益が多いサービス)などを記載します。
2.顧客ニーズと市場の動向
自社の外部環境について分析をします。顧客ニーズと市場動向をふまえて自社の商品・サービスの見通しを記載しましょう。
顧客ニーズ
ターゲット顧客(販売先、取引先双方)、顧客が求めるサービス内容などを記載します。
市場の動向
市場動向、競合他社の状況、顧客の増減、自社の商品・サービスの売上を左右する環境を盛り込みます。
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
自社の内部環境について分析をします。自社の強みや顧客の評価を具体的に示しましょう。
自社の強み
自社の強み(人、物、金、情報)、提供する商品やサービスの強み、競合他社より優れているものなどをアピールします。
顧客に評価されている点
顧客の声、意見(口コミやレビュー)、アンケート評価などが裏付けの材料になります。
4.経営方針・目標と今後のプラン
1.〜3.に記載した強みや経営資源を用いて何を実現したいのかを記載します。今後の経営方針や目標、課題とその解決方法について、具体的な計画を示しましょう。
経営方針・目標
経営資源や強みを用いた今後の経営方針、目標を記載します。また目標を達成するための課題についても検討しましょう。
今後のプラン
課題解決のための具体的な施策やスケジュール、売上や利益計画などを記載します。
補助事業計画の記載内容
「補助事業計画」では、補助金を用いて取組む事業の計画を示します。「経営計画」をふまえて記載しましょう。
1.補助事業で行う事業名
補助事業で行う事業を30字以内で簡潔に記載します。公式ホームページに過去に採択された事業名が公開されているので参考にしましょう。
例)○○システム導入による業務効率化と○○サービス提供事業
2. 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
補助事業で行う販路開拓等の取組について記載します。補助事業を行う目的、概要、販路開拓の内容を具体的に説明しましょう。
なお、経費明細表(様式3)に計上する経費については必ず触れてください。また、自社における新規性、競合他社の取組と異なる点、創意工夫する点などの具体的な記載も求められています。
3.業務効率化(生産性向上)の取組内容【任意】
任意項目のため空欄で提出が可能ですが、記載により加点の可能性があるため、業務効率化の取組があれば、積極的に記載しましょう。
4.補助事業の効果
補助事業がどのような効果をもたらすか、根拠と共に記載します。数値や実名、事例を用いて可能な限り具体的に表し、補助事業の具体性と実現可能性を示しましょう。
売上、利益の効果と根拠
売上・利益の見込み、客数・客単価・アクセス数等の変化
定性的な効果と根拠
自社内・顧客・取引先への波及効果、地域への影響や貢献
審査基準について
「小規模事業者持続化補助金」の審査基準は非公開ですが、審査方法が公開されています。審査員は、提出書類を、次の3つの「審査の観点」に基づいて加点審査し、総合的に評価が高い事業から順に採択します。
1.基礎審査
次の全ての要件を満たさないと失格となり、その後の審査が行われません。書類の不備や要件の合致にミスがないように注意が必要です。
- 必要な提出資料がすべて提出されている
- 公募要項の要件に合致する
- 補助事業を遂行するために必要な能力を有する
- 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組である
2.書面審査
下記の観点が「経営計画」「補助事業計画」に盛り込まれているか確認をしましょう。
自社の経営状況分析の妥当性
自社の経営状況、自社の商品・サービスの強みを適切に把握し、記載します。
※「経営計画」の「1.企業概要」、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に盛り込みましょう。
経営方針・目標と今後のプランの適切性
自社の強み、市場(商圏)の特性を踏まえて記載する。
※「経営計画」の「2.顧客ニーズと市場動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「4.経営方針・目標と今後のプラン」で強調しましょう。
補助事業計画の有効性
「補助事業計画」の計画が現実離れした内容になっていないか注意します。ターゲット顧客や事業内容、スケジュールの検討を深め、実現可能性の高い計画にしましょう。
※「補助事業計画」全般でご留意ください。
積算の透明・適切性
事業費(経費、価格・販売数の設定、資金調達)の計上や積算が正確であり、補助事業を実行する必要性、現実性があることをアピールしましょう。
※「補助事業計画」全般、「Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法 ※様式3」 でご留意ください。
まとめ
「小規模事業者持続化補助金」の申請は、事業計画書にあたる「経営計画」と「補助事業計画」の作成がキモとなります。審査員は「審査の観点」に沿って審査を行うため、申請書に審査ポイントを漏れなく盛り込むことが重要です。