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設立準備

公証役場とは何をする場所?公証人の仕事とは?

株式会社の設立手続きのひとつに定款の認証があります。

定款の認証を行う場所を公証役場といいますが、あまりなじみのない役場かもしれません。

今回は、公証役場が何をしている役場で、どのような人がいるのかを解説します。

公証役場とは

公証役場とは、定款の認証の他、公正証書の作成や、私文書の認証などを行っている官公庁です。全国に300か所が設置されています。

通常、公証人と呼ばれる法律家(公務員)を中心に構成されています。

公証人

公務員は国からお金をもらうことが多いのですが、公証人は公務員でありながら独立採算制なので、人件費や家賃などの経費を管理しながら経営する自営業者としての側面もあります。公証人は全国に約500人います。

POINT
公証役場とは、公証人と呼ばれる法律家が運営する役場です。

公証人になるには

公証人試験

第十二条 左(下)ノ条件ヲ具備スル者ニ非サレハ公証人ニ任セラルルコトヲ得ス
一 日本国民ニシテ成年者タルコト
二 一定ノ試験ニ合格シタル後六月以上公証人見習トシテ実地修習ヲ為シタルコト

引用:公証人法第12条1項

上記のように法律上では公証人試験に合格後、一定の見習い期間を経ることで、公証人になれることになっています。しかし、今のところこの法律に基づいて試験が開催されたことはないようです。

法曹経験者からの任命

そこで、公証人は基本的に司法試験合格後、法曹(裁判官・検察官・弁護士)を30年以上経験した人や法務局長を経験した人から任命されることが慣例となっています。

特に、裁判官、検察官、法務局長経験者が多くを占めており、退職後に公証人として業務に従事する方が多いようで、弁護士経験者で公証人になっている人はほとんどいません。

特任公証人

このほかにも以下のような多年法務に携わった経験を有する者と認められる人が、公証人審査会の選考を受けた上で公証人に任命されることもあるようです。

  • 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官、検察事務官として15年以上勤務した者
  • 簡易裁判所判事、副検事として5年以上勤務した者
  • 司法書士として、15年以上の実務経験がある者
  • 企業の法務に関し15年以上の実務経験がある者
POINT
公証人は原則、法曹経験者が採用されます。

見直される公証人制度

株式会社を設立する時には必ずお世話になるのが公証人です。

定款の内容をチェックしてもらったり、不正やなりすましがないか確認したりしなければならないので、公証人による定款の認証は必須とされてします。

ただ、会社の定款を認証してもらうのに平日に公証役場まで行かなければならないのは結構な負担です。

そこで現在(2018年)法務省や内閣官房で、公証人制度の見直しの議論が進められいます。

法務省からは、電子定款作成時にスマートフォンやPCなどを使って音声や画像を使って手続きをすることで、公証役場へ出頭しなくてもいいようにする提案がされており、実現する予定です。

内閣官房からは、モデル定款という法律的に拘束力のあるテンプレートを使った定款については、公証人の認証を不要とするといった改革案が出されています。

POINT
近時、公証人による定款の認証について見直しの動きがあります。