【記入例あり】登記申請補正書の書き方(商業・法人登記)
商業登記を申請した後に、法務局から誤りや不備を指摘され、「補正書」の提出を求められるケースがあります。補正書については、あまり詳しく解説されることが少なく、突然補正書の提出を求められても困惑してしまう人も多いようです。
そこで今回は、登記申請補正書の概要や記入方法について解説します。
登記申請補正書とは
登記を申請するときは、登記申請書を提出します。そして、その登記申請が受け付けられると、法務局の登記官が申請書の内容や添付書類などを審査して、申請どおりの登記を実行するかを判断します。
審査の過程で、申請書や添付書類に誤りや不備があることが発覚すると、登記官は登記の申請人に対して「補正」(訂正)することを指示します。
補正の指示を受けると、申請人は一定の期間内に「補正書」を提出して訂正の申出をしなければなりません。
ただし、申請書の内容には誤りがなく、添付書類のみに誤りがある場合には、「補正書」の提出は求められず、添付書類のみを差し替えれば済むこともあります。
補正書は、紙で登記申請書を作成した場合には、紙の登記申請補正書を作成する必要があり、オンラインで登記申請書を送信した場合には、オンラインで登記申請補正書を送信する必要があります。
補正書に記載する内容は、どのような内容の補正の指示をされたかによって異なります。ただし、どのような場合でも、何について訂正するのかを明示して記入する必要があります。
登記申請補正書の記入例
登記申請補正書には次の内容を記載します。
※これは紙申請の場合の補正書の解説となり、オンライン申請での補正の場合には入力方法が異なります。
①会社法人等番号:会社法人等番号を記載します。番号は、登記事項証明書に載っているほか、国税庁の法人番号公表サイトで検索することもできます。
②商号:会社の商号(社名)を記載します。
③本店:本店の住所を登記されているとおりに記載します。
④申請人:資格(代表取締役など)と氏名を記載します。氏名の右側に、申請書に押印したものと同じ法務局に届け出ている会社の実印を押印します。代理人による申請の場合には、代理人の住所、氏名を記載し代理人が押印します。
⑤申請番号・受付番号:登記を申請した時の申請番号と受付番号を記載します。受付票がなく分からない場合には、登記官に確認しましょう。
⑥補正内容:補正する内容を記載します。
記入時のポイント
補正書を作成するときは、登記官の指示を正確に聞き取り、指示通りに行うことが大切です。登記官からの補正連絡がある場合に備え、登記を申請したときは、申請書と添付書類について必ず控えを残しておくようにしましょう。
そして、控えを見ながら登記官の指示を受け、疑問点があればしっかりと確認しましょう。
あいまいなまま補正書を提出しても、さらなる補正が必要になってしまう可能性もあるため、不明点があれば具体的に質問して解消し、一度の補正で済むようにしましょう。
まとめ
登記官から補正の指示をされた場合には、具体的にどこにどのような誤りがあり、どのように訂正をすればよいのかをしっかりと確認することが大切です。誰にでも入力ミス等は起こりうることなので、慌てずに話を聞き、指示を受けたとおりに対応しましょう。できるだけ補正を避けるためには、登記申請をする前に申請書や添付書類を再度見直すことをお勧めします。