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【法定文書の保存期間一覧】書類の保管方法

会社が作成する書類は、法律で保存が義務付けられているものが多く存在します。必要な機関の間、適切に保存していなければ罰則がある場合もあるため注意が必要です。この記事では、法定保存文書の一覧とその保管方法などについて解説します。

法定保存文書とは

法定保存文書とは、法律によって保存することが義務付けられている文書のことを指します。

保存が必要な期間についても文書ごとに決められており、数か月のものから数十年のものまで様々です。

保存期間については、「起算日」(数え初めの日)も文書によって異なるため、注意が必要です。

また、保存期間はあくまでも最低限保存すべき期間なので、会社で定めたルールなどにより、必要に応じてそれ以上の期間保管する場合もあります。

企業が作成する文書は、多くのものが法定保存文書になります。

法定保存文書の根拠となる法律は、文書の種類によって様々です。

税務関係の書類であれば、商法、会社法、法人税法などが根拠となり、労務関係の書類であれば、労働基準法、雇用保険法、健康保険法などが根拠となります。

法定保存文書を正しく保管していない場合、罰則があったり、株主や債権者から訴えられてしまうなどのリスクがあるため、必ず法律を守り、必要な期間しっかりと保管しましょう。

書類一覧

法定保存文書には具体的にどんなものがあるのか、主なものを一覧で紹介します。

すべては紹介しきれないため、文書の作成時は、その書類が法定保存文書にあたるかどうかを都度しっかりと確認しましょう。

会社が作成する書類は、大部分が法定保存文書となります。

経理関係

文書名保存期間起算日
計算書類・附属明細書(貸借対照表、損益計算書など)10年作成した日
会計帳簿・事業関連の重要書類(総勘定元帳、株式台帳、配当簿など)10年帳簿を閉鎖したとき
決算に関する書類で10年保存義務がないもの7年確定申告の期限の翌日
取引に関する帳簿類(仕訳帳、預金出納帳、現金出納帳など)7年確定申告の期限の翌日
現金、預金の収受に関する書類(領収書、預金通帳、借用証など)7年確定申告の期限の翌日
源泉徴収簿7年提出期限年度の翌年の1月11日
監査報告書5年株主総会の1週間前の日(取締役会がある場合、2週間前の日)
賃金台帳5年最終記入日
会計監査報告書5年株主総会の1週間前の日(取締役会がある場合、2週間前の日)
会計参与が備え置く計算書類・会計参与報告書5年株主総会の1週間前の日(取締役会がある場合、2週間前の日)

総務法務関係

文書名保存期間起算日
株主総会議事録10年株主総会開催日
取締役会議事録10年取締役会開催日
委員会議事録10年作成した日
重要会議の議事録10年作成した日
期限が満了した・解約となった契約書類10年満期の日、解約の日
事業報告書5年確定申告の期限の翌日
有価証券報告書・附属書類5年提出日
四半期報告書、半期報告書3年提出日
臨時報告書、自己株式買付状況報告書1年提出日
株主総会の代理権証明書、議決権行使書3か月株主総会開催日

人事労務関係

文書名保存期間起算日
賃金台帳7年賃金支払い期日
賃金関係の重要書類(タイムカード、残業記録簿など)5年賃金支払い期日
従業員の身元保証書5年作成した日
雇い入れ・退職に関する書類5年手続き完結日
雇用保険の被保険者に関する書類4年手続き完結日
労災保険に関する書類3年手続き完結日
雇用保険に関する書類2年手続き完結日

法定保存文書を保存するのに適した方法

法定保存文書を保存する方法について解説します。

1. 保存期間を明記する

法定保存文書には、それぞれ保存期間が決まっています。
保存期間は法律で定められているのが最低限の期間なので、会社でそれより長い保存期間を定める場合もあります。
そして、文書を整理する際には、保存期間が一目でわかるように保存するファイル等に記載しておくことが大切です。
保存期間が分からないと、整理するのが難しく、書類は溜まっていく一方です。

2.担当者が変わっても分かるように整理

法定保存文書の管理を1人の社員に任せてしまうと、担当者が退職したり変わったりした場合に、書類がどこにあるのか、どのように分類されているのか分からなくなってしまうことがあります。
そうならないように、文書の整理や保管のルールをきちんと会社として作り、誰が担当しても同じ管理方法になるように徹底しましょう。

3.セキュリティのしっかりした社内書庫などに保管

法定保存文書には、会社の機密情報や社員や顧客の個人情報などが多く含まれています。
そのため、外部の人間や、閲覧する権限のない社員が文書を見られるような状態にすべきではありません。
セキュリティカードなどがなければ入れない社内書庫などで厳重に管理し、災害などの際にも文書が水没などしないような場所で保管をするのが望ましいでしょう。

4.文書によっては電子化も検討

文書によっては、電子化するという選択肢もあります。
電子化することで、検索が容易になったり、保管する場所をとらないというメリットがあります。
ただし、電子化する場合には書類によって法律で様々な条件などがあるため、すべての書類をすぐに電子化できるわけではありません。
また、電子化する場合には、バックアップを取っておいたり、ウィルス対策をするなどのセキュリティ面での注意も必要です。

5.自社での管理が難しい場合は外部委託する

自社には保管するスペースがない、管理できる人材がいないなどという場合には、文書の保管サービスを提供する倉庫業者などに依頼する方法もあります。
サービス内容や価格は業者によって異なるため、詳しい内容を確認し、信頼できる業者かどうか見極めてから利用することが必要です。

まとめ

会社で作成する書類の多くが法定保存文書となります。

それぞれ保存が必要な期間も異なるため、作成時には注意しましょう。

会社できちんと文書の保存についてルールを作成し、誰もが同じように管理することが大切です。

いざというときに書類が見つからない!という事態を避けるため、日頃からしっかりと管理しましょう。