印鑑証明書(法人)の取得方法と利用シーン
個人の印鑑証明書は住所地の市区町村役場で取得することができるのに対し、法人の印鑑証明書は法務局で取得できます。
ここでは、法人の印鑑証明書の取得方法やどのような場合に必要となるかなどについて解説します。
法人の印鑑証明書の取得方法
法人の印鑑証明書は、法務局で取得できます。取得方法には、法務局窓口での申請、法務局内にある証明書発行請求機での申請、郵送での申請、オンラインでの申請の4種類があります。それぞれの方法について説明します。
窓口
一番オーソドックスなのは、窓口で申請書を提出して請求する方法です。本店所在地の法務局だけでなく、全国の法務局で取得することができます。
交付申請書は法務局内に置いてあるほか、インターネット上でダウンロードすることができ、これに必要事項を記入し、「印鑑カード」と共に窓口に提出します。申請書の記入内容は、会社名、会社の本店所在地、印鑑提出者の資格(代表取締役等)・氏名・生年月日です。
窓口に行くのは、必ずしも会社の代表者である必要はなく、他の人が行く場合でも委任状は不要です。
ただし、印鑑カードがなければ請求できず、代表者本人が請求する場合にも必ず印鑑カードが必要です。印鑑そのものは持参する必要がありません。
代表者以外が申請する場合には、事前に代表者の生年月日を確認しておきましょう。窓口で請求する場合、1通あたり450円の手数料がかかり、これを収入印紙で支払います。
証明書発行請求機
法務局内に証明書発行請求機が設置されている場合、交付申請書を記入せずに機械の操作で情報を入力することにより請求できます。
この方法でも、手数料は1通あたり450円で、窓口の場合と同様収入印紙で支払います。
郵送
時間がかかっても構わないという場合には、郵送で請求することもできます。
郵送で請求する場合、交付申請書に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙(1通あたり450円)、印鑑カード、返信用封筒、返信用郵便切手と共に法務局に郵送します。
郵送請求する場合には、印鑑カードの紛失や情報漏洩を予防するために、書留などの追跡番号のある方法での郵送をおすすめします。
オンライン
事前の手続きが必要ですが、オンラインで請求することもできます。オンラインで請求する場合には、前もって法務局に申請を行い法人の電子証明書を取得しておく必要があります。
さらに、申請するための専用ソフトをダウンロードする必要があります。
詳しくは、法務省の「登記ねっと」を参照してください。
登記ねっと:https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/flow/sogosoft/gaiyo.html
オンラインで請求した場合、郵送で受け取る場合には手数料は1通410円、窓口で受け取る場合には手数業は1通390円かかります。印紙を買う必要はなく、インターネットバンキングなどの電子納付によって手数料を納付することができます。
法人の印鑑証明書が必要となる場面
法人の印鑑証明書は、どのような場合に必要となるでしょうか。
法人の印鑑証明書は、書類に捺印した印鑑が本物の会社の代表印であることを証明する役割を果たします。
法務局で印鑑登録された印鑑で押印することで、その会社が登記されており実在していること、その会社の代表印を押すことで意思を持って契約等を行っていることを証明できます。
たとえば、法人が委任状に会社代表印を押印し、その委任状に印鑑証明書を添付することで、確かに実在する会社の代表者が委任したという事実を証明することができます。
また、金融機関での口座開設をするときや不動産取引をする場合なども印鑑証明書の提出を求められます。
法人と個人の印鑑証明書は何が違う
法人の印鑑証明書と個人の印鑑証明書には、どのような違いがあるのでしょうか。
個人の印鑑証明書の記載内容は、印影のほか、その個人の住所、氏名、生年月日、発行年月日です。
法人の印鑑証明書の記載内容は、印影のほか、その法人の本店所在地、商号、代表者の役職名、氏名、生年月日、発行年月日です。
また、個人の印鑑証明書は、自治体によってレイアウトや字体、用紙の大きさなど書式が異なりますが、法人の印鑑証明書は全国どこでも統一の書式となります。
個人の印鑑証明書は、基本的に住所地の自治体でしか取得することができないのに対し、法人の印鑑証明書については全国の法務局で取得することができます。
どちらの印鑑証明書も大切な書類で、悪用されてしまう恐れがあるため、紛失しないように気を付け、必要な通数のみをその都度取得するようにしたほうがよいでしょう。
通常、提出を求められた場合には個人、法人どちらの印鑑証明書でも期限(発行日から3か月以内など)があるため、まとめて取得しても無駄になってしまう可能性が高いでしょう。
まとめ
法人の印鑑証明書を取得する方法は4種類あり、自分にとって利便性の高い方法を選ぶとよいでしょう。
法務局が近くにある場合には、法務局に出向いて取得してもよいですが、近くに法務局がなく、頻繁に印鑑証明を取得する必要がある場合には、事前に手続きをしてオンラインで請求するのがおすすめです。