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下請法違反で苦しんでいる下請事業者がとるべき対応策とは?

下請事業者は親事業者から仕事を受注するという関係上、弱い立場にあります。親事業者との取引において無理を押しつけられるという事態も起こりがちです。

しかし、これでは日本の産業や経済を支える下請事業者が生き残れなくなってしまいます。そこで、下請事業者を守るために「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」という法律が制定されています。

本記事では、親事業者の下請法違反によって苦しんでいる下請事業者が取るべき対応策について説明します。

下請事業者は下請法で守られている

下請法では、親事業者が優越的な地位を利用して下請事業者に不当な不利益を及ぼすことがないように、親事業者の行為についてさまざまな規制を定めています。

下請法で規制される親事業者の行為

以下に掲げる11個の行為は下請事業者に不利益を及ぼす可能性が高いため、親事業者が行うことは禁止されています。

【11個の禁止行為】

  • 受領拒否
  • 下請代金の支払遅延
  • 下請代金の減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 物の購入強制・役務の利用強制
  • 報復措置
  • 有償支給原材料等の対価の早期決済
  • 割引困難な手形の交付
  • 不当な経済上の利益の提供の要請
  • 不当な給付内容の変更・やり直しの要請

なお、以上の禁止行為の内容や、下請法が適用される会社の規模や取引の内容については以下の記事で解説していますので、ご参照ください。

>下請法の適用は資本金の額で決まる!違反行為も解説

また、親事業者の取引上の手続きがいい加減なものであるときも、下請事業者に不利益が及んでしまいます。

そのため、親事業者は以下の4つの手続き上の義務を怠ってはならないこととされています。

【4つの義務】

  • 発注書面を交付する義務
  • 下請代金の支払期日を定める義務
  • 取引の内容を記載した書類を作成・保存する義務
  • 延滞した下請代金の遅延利息を支払う義務

下請法違反に対してやるべきこと

親事業者が以上に掲げた禁止行為を行ったり、守るべき義務を怠ったりした場合、下請事業者は不利益を受けて苦しむことになります。

そんなときは、以下のような対応策が考えられます。

親事業者と話し合う

まずは、親事業者に対して下請法違反の行為を指摘すべきです。親事業者が下請法の内容を知らないために違反行為を行っているだけという可能性も、十分にあります。

大切な取引先であれば、円満な方法で解決するに越したことはありません。角の立たない言い方で改善を求めるとよいでしょう。

公正取引委員会へ相談する

親事業者に対して、下請法違反をどうしても指摘しづらいときは、公正取引委員会へ相談することです。

公正取引委員会へ相談したことが、親事業者に知らされることはありません。
下請事業者の意向に反して公正取引委員会がただちに親事業者に対する調査を行うわけでもありません。調査を行う際も、相談した下請事業者が特定されないように配慮されます。

万が一、特定されたとしても、公正取引委員会へ相談したことに対して親事業者が報復措置を取ることは下請法で禁止されています。

公正取引委員会への相談の効果

下請事業者が公正取引委員会へ相談すると、以下の流れで違反行為の改善が期待できます。

勧告・指導

公正取引委員会は、下請法に違反した親事業者に対して、勧告や指導を行うことがあります。

この手続きを通じて、違反行為の取りやめや減額した下請代金の返還などを求めてもらうことができます。

事実上の強制力

もっとも、公正取引委員会の勧告や指導に法的な強制力はありません。

しかし、勧告を受けた親事業者は、公正取引委員会のホームページで社名や違反内容などが公表されます。

さらに、勧告に従わない場合は独占禁止法上の排除措置命令や課徴金納付命令が行われることがあります。

そのため、勧告に従わない親事業者はほとんどありません。

まとめ

公正取引委員会の措置には、実効性が期待できます。

しかし、親事業者としても悪意はなく、うっかり違反行為をしているに過ぎないことも多いものです。

下請事業者としては、親事業者に対して上手に下請法違反の点を伝えた上で、円満な取引を続けたいところです。

そのためにも、下請法は正確に理解しておきましょう。

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