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助成額は最大100万円!生産性向上を支援する「業務改善助成金」を簡単解説

厚生労働省の助成金事業には、さまざまな種類があります。今回紹介する「業務改善助成金」は、事業場の生産性向上と、労働者の最低賃金の引き上げを行うと受給できる助成金です。

 

業務改善助成金には、受給対象が中小企業や小規模事業者だったり、満たすべき要件がいくつかあったりなど、知っておきたいことがあります。ご興味のある方は、当記事をぜひチェックしてください。

 

業務改善助成金の概要

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上への取り組みを支援することで、事業場内の最低賃金の引き上げを目的とした制度です。

 

具体的には、生産性向上につながる設備投資などを行い、さらに事業場内の最低賃金を30円以上引き上げた場合に、最大100万円の助成金が支給されます。

 

要するに、生産性の向上によって生じる利益を、労働者に賃金として還元することを推奨した助成金制度といえるでしょう。

 

業務改善助成金を利用できる企業

業務改善助成金を利用できるのは、下表の資本金または従業員数のいずれかに該当する企業です。

 

業種

資本金

従業員数

製造業、建設業、運輸業など

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業、飲食店

5000万円以下

50人以下

サービス業

5000万円以下

100人以下

条件別の助成上限額・助成率

業務改善助成金の受給額は、事業場がある都道府県、賃金を引き上げる労働者数などにより変動します。詳細は下表のとおりです。

 

申請コース

賃金を引き上げる労働者数

助成上限額

助成率

30円コース

(800円未満)

1~3人

50万円

4/5

生産性要件を満たした場合は9/10

4~6人

70万円

7人以上

100万円

30円コース

1~3人

50万円

3/4

生産性要件を満たした場合は4/5

4~6人

70万円

7人以上

100万円

 

(出典:厚生労働省ホームページ)

 

※800円未満コースの対象は、地域別最低賃金800円未満の、青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の17県のうち、事業場内最低賃金800円未満の事業場に限ります。(令和元年10月現在)

※生産性要件については「助成金の額が割増される!「生産性要件」を簡単解説」で説明していますので、ご覧ください。

 

助成対象事業場

助成対象となる事業場は、次の両方の要件を満たす必要があります

 

・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内であること
・事業場規模30人以下の事業場であること

 

なお、30円コース(800円未満)の場合は、事業場内最低賃金800円未満の事業場であることも必要です。

 

受給の要件

業務改善助成金を受給する事業者は、次の要件に沿って事業を行う必要があります。

 

1.賃金引上計画を策定し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(その旨を就業規則等に規定する)

 

2.引き上げ後の賃金額を支払うこと

 

3.生産性向上に資する設備・機器などを導入して業務改善を行い、その費用を支払うこと。
<生産性向上に資する設備・機器の例>
・ベルトコンベアによる食料品の盛り付け作業の効率化
・POSレジによる在庫管理の短縮
・顧客・在庫・帳票管理システムによる業務の効率化

 

4.解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

 

業務改善助成金の留意点

 

業務改善助成金を以前に受給したことのある事業場でも、助成対象になります。

 

また、人材育成・教育訓練費や経営コンサルティング経費は設備投資などに含まれるため助成対象になる一方、単なる経費削減、職場環境の改善、通常の事業活動に伴う経費は含まれないので要注意です。

 

業務改善助成金の手続きの流れ

①助成金交付申請書の作成・提出

助成金交付申請書(様式第1号)を作成し、所轄の労働局長に提出します。交付申請書のひな型は厚生労働省のホームページでダウンロードできます。なお、提出時には次の書類を得添付します。

 

<添付書類>
・消費税、法人税(個人事業主は所得税)に係る納税証明書
・助成対象経費の見積書
・生産性要件を満たすことが確認できる書類(助成率の優遇を希望する場合)
※その他、所轄労働局長が提出を求める場合があります。

 

②業務改善計画と賃金引上計画の実施

都道府県労働局の審査を通過して交付決定通知を受けたら、交付申請書に記載した業務改善計画(設備投資などの実施計画)と賃金引上計画(事業場内最低賃金の引上計画)を実施します。

 

③事業実績報告書の作成・提出

事業実績報告書(様式第9号)を作成し、都道府県労働局に提出します。

 

事業実績報告書のひな型は厚生労働省のホームページでダウンロードできます。

 

④助成金の額の確定・受給

都道府県労働局の審査の結果、事業実績報告書の内容が適正と認められると助成金額の確定通知を受けます。

 

確定通知を受けた事業主は、支払請求書(様式第13号)を提出すると助成金を受給できます。

 

まとめ

業務改善助成金は、設備導入などによる生産性の向上と、賃金上昇による労働者のモチベーションアップを同時に図れます。借入とは違って返済義務はありませんし、要件を満たせば、ほぼ確実に受給できます。助成金の支給が“後払い”である点には注意が必要ですが、設備導入等で生産性向上に着手しようとお考えの方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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