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白色申告との違いから読み解く!青色申告の特徴と注意点

青色申告は、事業を営む人に大きなメリットをもたらす制度で、ぜひとも利用したい制度のひとつです。

この青色申告は、白色申告(青色申告以外の、普通の申告)と対比してみると、内容がよくわかります。当記事では、青色申告と白色申告の違いを紹介します。

青色申告と白色申告の違い

申告書作成の難易度が異なる

青色申告と白色申告の手続き上の最大の違いは、確定申告書や法人税申告書の記載する事業収入および事業所得を、青色申告決算書で計算するのか、それとも、収支内訳書によって計算するのか、ということです。

収支内訳書は内容が簡単で、青色申告決算書は内容が複雑です。収支内訳書は、単純な足し算と掛け算によって構成されますが、青色申告決算書は、複式簿記によって構成されますので、簿記の知識がない場合には、作成することが難しい内容となっています。

事業所得控除に差がある

申告書に添付する決算書を、収支内訳書ではなく青色申告決算書にすると、青色申告特別控除(最大65万円)の適用を受けることができます。白色申告の場合、こういった特別控除はありませんので、青色申告の場合には、所得控除を大きくとることができ、節税が可能になります。

専従者控除に差がある ※個人事業主のみ

個人事業主の白色申告の場合、事業専従者控除の金額が、配偶者が86万円、同居の親族が50万円と決まっていますが、個人事業主の青色申告の場合には、専従者に支払った給与の全額を必要経費に算入できます。

従って、例えば、配偶者である専従者に月15万円の給与を支払っている場合には、1年間の専従者給与として180万円を必要経費に算入できます。

この場合、同じ年間180万円の給与を配偶者に支払っても、青色申告の方が白色申告と比較して180万円-86万円=94万円分、事業収入から差し引く金額が大きくなりますから、税金を節約することができます。

青色申告を行う際の注意点

青色申告を行うためには、まず、日々記帳を行うことが必要になります。

現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などの帳簿を用意し、毎日毎日の取引を各帳簿に記入します。

そして、一定期間(通常は1か月)ごとに、それらを仕訳帳及び総勘定元帳に転記していきます。課税年度が終了したら、総勘定元帳から損益計算書と貸借対照表を作成し、その結果を、青色決算申告書に記入していきます。

領収書や請求書などの日々の取引の証拠なる書類も、青色申告を行う場合には、5年又は7年間保存しておく必要がありますので、整理してまとめて保管する必要があります。

簿記の知識がない場合はどうするか

青色申告で65万円の特別控除などの各種の税法上の特典を受けるためには、複式簿記によって作成した損益計算書と貸借対照表を作成する必要がありますので、どうしても簿記の知識が必要になります。

簿記の知識がない場合、青色申告を諦めて、普通の白色で申告を行った方がいいのでしょうか?

答えはNOです。青色申告のメリットは非常に大きいので、報酬を支払い税理士に手続きを依頼しても十分割に合います。

簿記の知識があって、事業主が自分で青色申告の決算書を作成するベストであることは間違いありませんが、簿記の知識がない場合でも、税理士に頼んで申告を青色で行った方が、事業主にとってメリットが大きいです。

青色申告の由来

白色申告で使用する収支内訳書は全体的に白っぽく見え、一方の、青色申告で使用する青色申告決算書は、決算書の罫線が緑色で構成され、全体的な印象として緑が目立ち、緑色を青色と言う場合もあるので、決算書の色で白と言ったり、青と言ったりしているとも考えられます。

しかし、青色申告の青の本当の由来は、雲一つない快晴の青から来ています。青色申告の記帳では、収入や経費が「いつ、どこで、いくら」なのかが記載されているほかに、現金や預金などがどのように増減したかなど、お金の動きまでが記帳されます。

そのために、収入や経費を誤魔化して、脱税することが難しくなります。雲(白)に隠して誤魔化せない、税務署が申告者のお金の動きを隅々まで把握できる、快晴の天気のような申告なので青色といいます。

まとめ

事業主の方が、確定申告や法人税の申告を青色で行うのと白色で行うのを比較した場合、所得税の他、住民税や国民保健保険料(個人の場合)、法人住民税、法人事業税(法人の場合)など、公的負担全体で考えてみると、かなりの差が出てきます。

起業した直後は特に事業資金が不足することが多いのですが、その時に、青色申告を利用して節税し、手元にできるだけ多くの資金を残すことは、事業の成功のためには、不可欠の行為です。

青色申告では各種の節税制度が利用できるので、青色申告の方が、税や社会保険料の負担が少なくなることは言うまでもありません。

青色申告は、複式簿記で決算書を作成するだけで利用できますから、簿記の知識がある方であれば、比較的簡単に利用できます。簿記の知識がない方でも、税理士に依頼することをおすすめします。