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「女性、若者/シニア起業家支援資金」概要と融資までの流れ

日本政策金融公庫が行う「女性、若者/シニア起業家支援資金」は文字どおり、女性や35歳未満の若者、55歳以上のシニアの起業を支援する融資制度です。この記事では、貸付限度額や申込方法などの具体的な制度内容を説明します。

女性、若者/シニア起業家支援資金の概要

女性、若者/シニア起業家支援資金は、日本政策金融公庫が行う融資です。

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している金融機関で、全国に152支店を設置しています。

女性、若者/シニア起業家支援資金は、日本政策金融公庫の国民生活事業と中小企業事業がそれぞれ個別に行っています。そのため、資金用途や貸付限度額、申込窓口は事業ごとに異なります。

国民生活事業の女性、若者/シニア起業家支援資金

日本政策金融公庫の国民生活事業は、創業企業や小規模事業者へのサポート、海外展開支援などの事業資金融資、子どもの教育資金の融資などを行っています。

国民生活事業の女性、若者/シニア起業家支援資金の概要は、次のとおりです。

融資の対象者

創業前もしくは事業開始後おおむね7年以内で、次の要件のいずれかに該当する人です。

  • 女性 ※年齢制限なし
  • 35歳未満の人(若者)
  • 55歳以上の人(シニア)

資金用途、貸付限度額、貸付期間など

資金用途、貸付限度額は下表のとおりです。後述する中小企業事業のものとは資金使途や貸付限度額が異なります。

資金用途開業前後に要する資金
貸付限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間

設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)

運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内)

担保、保証人日本政策金融公庫の担当者との相談により決定

利率 ※担保を提供する場合

担保を提供する場合は、年利0.81~1.60%(土地取得資金は年利1.21~2.00%、令和2年3月2日時点)です。

なお、以下に該当する場合は優遇金利で融資を受けられます。

  • 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(年利0.56~1.35%)
  • 地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方(年利0.56~1.35%)
  • 地方創生推進交付金を活用した「起業支援金」および「移住支援金」の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方(年利0.31~1.10%)

※土地取得資金は基準利率(年利1.21~2.00%)、年利はいずれも令和2年3月2日時点。

引用:日本政策金融公庫ホームページ

融資を受けるまでの流れ

申し込みから融資までに3~4週間ほどを要します。融資までのプロセスは以下のとおりです。

①日本政策金融公庫に相談
創業ホットライン、創業サポートデスク、ビジネスサポートプラザのいずれかに相談します。

②申し込み
以下の必要書類を日本政策金融公庫の支店窓口へ「持参」または「郵送」します。

  • 借入申込書
  • 創業計画書
  • 見積書(設備資金の場合)
  • 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)

③面談
申し込みから1週間以内をめどに、審査担当者との面談が行われます。

④創業予定地の確認
審査担当者が創業予定地を直接訪れ、立地の利便性や競合環境の調査が行われます。

⑤審査
審査結果は面談から2週間程度で届きます。

⑥契約~融資
審査結果に同封された契約書に記入等をし、郵送で提出。その後、融資金が指定口座に入金されます。

中小企業事業の女性、若者/シニア起業家支援資金

日本政策金融公庫の中小企業事業では、中小企業や小規模事業者向けの融資・信用保険業務や経営課題の解決支援などを行っています。

中小企業事業の女性、若者/シニア起業家支援資金の概要は、次のとおりです。

融資の対象者

創業前もしくは事業開始後おおむね7年以内で、次の要件のいずれかに該当する人です。

  • 女性 ※年齢制限なし
  • 35歳未満の人(若者)
  • 55歳以上の人(シニア)

資金用途、貸付限度額、貸付期間

下表のとおり、資金用途、貸付限度額は国民生活事業の内容とは異なります。

資金用途設備資金、長期運転資金
貸付限度額
  • 直接貸付 7億2000万円(うち運転資金2億5000万円)
  • 代理貸付 1億2000万円
返済期間
  • 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内)
担保、保証人
  • 日本政策金融公庫の担当者との相談により決定
  • 直接貸付は経営者の個人保証が必要(一定の要件を満たす場合)
  • 「5年経過ごと金利見直し制度」の選択が可能

なお、直接貸付とは申し込み~融資までを日本政策金融公庫が直接行うもので、代理貸付は日本政策金融公庫の代理店(民間金融機関等)が行うものを指します。

利率

貸付金額が2億7000万円以下の場合は年利0.71~0.79%、2億7000万円を超える場合は年利1.11~1.19%(基準利率)で、貸付期間によって変動します(年利は令和2年3月2日時点)。

また、適用される利率は、担保の有無などの信用リスクによります。

なお、以下に該当する場合は優遇金利で融資を受けられます。

  • 技術・ノウハウ等に新規性がみられる事業であって、一定の製品化及び売上が見込めるものに係る資金(年利:0.46~0.54%)
  • 地方創生推進交付金を活用した起業支援金および移住支援金の交付決定を受けて新規開業しようとする方または新規開業した方が必要とする資金(年利:0.30%)
  • 起業支援金の交付決定を受けて新規開業しようとする方または新規開業した方が必要とする資金(年利:0.46~0.54%)

※いずれも土地にかかる資金は除く。年利は令和2年3月2日時点。

引用:日本政策金融公庫ホームページ

融資を受けるまでの流れ

①中小企業事業支店の窓口に相談

②申し込み
直接貸付の場合は日本政策金融公庫、代理貸付の場合は日本政策金融公庫の代理店に申し込みます。

③審査
提出書類の審査の他、担当者による創業予定地の調査を行います。

④融資

まとめ

女性、若者/シニア起業家支援資金は、優遇金利で融資が受けられる融資制度です。ただし、申し込み時に創業計画書等の作成が必要となるため、法人設立の準備や開業準備と同時に進めるのは大変かもしれません。

そのような時は、法人設立の手続きを LegalScript(会社設立登記)で行うと効率的です。ITを活用して開業準備をスムーズに行い、新たな事業のスタートダッシュにつなげてみてはいかがでしょうか。