本店移転登記に必要な費用は? 手続き別に金額算出
会社の本店所在地を変更したら、本店移転登記の手続きが必要となるケースがあります。その場合は、本店を移転した日から2週間以内に、法務局に変更登記の申請を行います。
そして、本店移転登記を行う際は、費用が発生します。この費用は、登記申請を専門家に依頼するか自分で行うかによって、金額が変わります。
「手続きに必要な費用はいくら?」「必要経費は最小限に抑えたい」
そのような声にお応えすべく、本記事では、会社の本店移転登記で必要となる費用について解説します。
※本店移転をしても登記が不要なケースがあります。詳しくは以下の記事でご確認ください。
本店移転登記にかかる費用は最低3万円
会社の本店移転の登記を行う際に、最低限必要となる費用は登録免許税です。
登録免許税の納付額は、本店所在地の変更先が①法務局の管轄が同じ住所(管轄区域内)か、②法務局の管轄が異なる住所(管轄区域外)かで、下表のように変わります。
本店移転先 | 金額 |
①法務局の管轄が同じ住所(管轄区域内) | 3万円 |
②法務局の管轄が異なる住所(管轄区域外) | 6万円 |
自力で登記申請する場合は、この金額で行うことができます。
管轄区域内への移転と管轄外への移転で金額が異なるのは、新旧両方の法務局に対して手続き費用(登録免許税)を納める必要があるためです。
つまり、管轄区域内での移転の場合は手続き費用は1か所分となりますが、管轄区域外への移転の場合は手続き費用は2か所分となるため、登録免許税の額も2倍になります。
なお、法務局の管轄については、以下の記事で解説しています。法務局のホームページとあわせてご覧ください。
>法務局ホームページ(管轄のご案内)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
専門家への報酬の相場は3~5万円
本店移転をはじめとした登記申請の代理ができるのは、弁護士と司法書士に限られると法律で定められています。専門家に依頼する場合は、“登記のプロフェッショナル”である司法書士がほとんどでしょう。
司法書士に本店移転登記を依頼したときの報酬額は、3~5万円程度が相場です。この金額は、本店移転先が法務局の管轄区域内か管轄区域外かによって、変わってきます。
日本司法書士会連合会が公表している「司法書士の報酬アンケート(2018年1月実施)」の結果によれば、法務局の管轄区域外への本店移転登記の報酬額の全体平均値は47,466円(関東地区)となっています。
以上をふまえると、司法書士に依頼した場合の費用は、下表のとおりになります。なお、依頼する司法書士等によって報酬額が変わりますので、金額はあくまで参考値としてご覧ください。
本店移転先 | 金額(※参考) |
法務局の管轄が同じ住所(管轄区域内) | 6万円 (司法書士への報酬3万円+登録免許税3万円) |
法務局の管轄が異なる住所(管轄区域外) | 10万7000円 (司法書士への報酬4万7000円+登録免許税6万円) |
オンラインでの登記手続きは追加費用が必要
登記手続きはオンラインで行うことも可能です。しかし、オンラインでの手続きを行うためには、電子署名や電子証明書の発行手続きを別途行う必要があります。
一般の方がこれらを行うためには専用のパソコンソフトをダウンロードする必要がある他、導入のための手続きがかなり複雑なので、基本的には避けた方が無難です。
代表取締役の住所が変わるとは別途1万円
オーナー企業の経営者の場合、移転後の事務所を自宅として使用することもあるでしょう。また、管轄区域外への移転にともない、経営者が会社のそばに引っ越すこともあるはずです。
もし経営者の住所地も変更となる場合には、登記事項である代表取締役の住所地についても登記内容の変更が必要になります。
この場合、本店移転登記の費用に加えて、代表取締役の住所変更登記の登録免許税1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)が必要になります。こちらの登記も司法書士等に依頼すると当然、報酬額は上乗せされますのでご留意ください。
まとめ
今回は、会社の本店移転登記を行う際に必要となる費用について解説しました。
法務局に納める登録免許税の金額は一定ですが、司法書士等の専門家に登記手続きを依頼する際には、依頼する専門家によってかかる費用が異なります。
司法書士等に依頼すると、書類作成などを“おまかせ”できるので手間は大幅に軽減します。しかし、自力で行う場合よりも費用はかかってしまう点はご留意ください。
本店移転登記の費用と手間を抑える方法
本店移転登記を低コストかつ手間をかけずに行いたい方には、ITの活用をおすすめします。
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