
個人事業から法人化(法人成り)するときは、会社の設立手続きと同時に個人事業の廃業届も提出が必要です。
今回は、法人成りをするときなどに提出が求められる「個人事業の廃業届出書」の概要や書き方について説明します。
この記事を読めば、廃業届の書き方から提出方法まで、自分で完結させることができます。
目次
個人事業の廃業届出書とは
個人事業の廃業届出書は、文字どおり個人事業を廃業するときに提出する書類です。
単なる個人事業の廃業だけではなく、法人成りする際にも、新しい会社の設立手続きと並行して、この届出書を提出する必要があります。
提出期限は廃業から1カ月以内
個人事業の廃業届出書の提出期限は廃業した年分の確定申告期限までに提出しなければなりません。
提出期限が土曜日・日曜日・祝日の場合は、その翌日が期限となります。
提出先
廃業届は2カ所に提出します。
- 税務署:個人事業で確定申告をしていた所轄税務署(納税地を管轄する税務署)
- 都道府県税事務所:廃業届の様式や期限が異なるため、事前に確認が必要です
※事務所を移転していても、提出先は元の事務所を管轄していた税務署です。
提出方法は3種類
税務署に提出する場合、提出方法は「税務署への持参」「郵送」「e-Taxによる提出」の3種類があります。
e-Taxの場合、書類を印刷したりする必要はありませんが、専用のソフトウェアなどを利用する必要があります。また、初めて利用する際は別途識別番号の取得などが必要です。
持参または郵送の場合、書類の印刷や本人確認書類などが別途必要になります。
必要なもの・事前準備
用意するもの
- 個人事業の廃業届出書(国税庁ホームページからダウンロード可能)
- 個人事業の確定申告書類(屋号や税務署などの情報を確認できます)
- 設立した法人の登記簿謄本(法人成りの場合)
個人事業の廃業届の書き方
記入するときの注意点
届出書の作成はそれほど難しくはありませんが、個人事業の開業届出書と併用した様式であったり、記入しなくてもよい欄があったりと、戸惑うことがあるかもしれません。
そこで、法人成りする際に「個人事業の廃業届出書」を作成するポイントをいくつか絞って解説します。

①税務署名
個人事業主として確定申告を行っていた所轄税務署を記入します。
②職業
個人事業で行っていた職種を具体的に記入します。
③屋号
個人事業で屋号を使用している場合は記入します。屋号がない場合は空欄でかまいません。
④届出の区分
廃業にチェックをつけ、(事由)の右側に「法人成りのため個人事業を廃業」などと記入します。
⑤所得の種類
廃止した事業に係る所得の種類に該当するものをチェックします。また、事業を2つ以上行っていて、そのすべての事業の廃止する場合は「全部」、一部を廃止する場合は「一部」をチェックします。
⑥廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
設立法人名、法人代表者名、法人納税地、設立登記日を記入します。
⑦開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
該当する書類を提出する場合はチェックします。
⑧給与などの支払の状況
給与を支払っている従業員や事業専従者等がいる場合は記入します。
記入例
次の画像は、個人事業の廃業届出書の記入例です。書類を作成する際の参考にしてください。

廃業と同時に提出が必要になるかもしれない関連書類
法人成りで個人事業を廃業するときに、次の書類の提出が必要になるケースがあります。
所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告制度を使って確定申告していた場合は、この届出書の提出が原則として必要です。
- 期限:青色申告を取りやめようとする年分の確定申告期限までに提出しなければなりません。 提出期限が土曜日・日曜日・祝日の場合は、その翌日が期限となります。
- 提出先:所轄税務署
給与支払事務所等の廃止届出書
従業員や事業専従者に給与を支払っていた場合、この届出書が必要です。
- 期限:廃業した日から1カ月以内
- 提出先:給与支払事務を行っていた事務所を管轄する税務署
事業廃止届出書
課税事業者である場合は、事業を廃止するときにこの書類の提出が必要です。
- 期限:廃業後速やかに提出
- 提出先:所轄税務署
注意点・よくある間違い
- 屋号がないときに空欄にするのを躊躇しがちですが、屋号がなければ空欄で問題ありません。
- 法人成りの場合は、設立登記日を正確に記入する必要があります。 登記簿謄本等で確認し、間違えないようにしてください。法人登記簿謄本の取り寄せはLegalScript証明書請求が安くてお得です。ぜひご利用ください。
- 廃業後の手続きを後回しにしがちですが、書類によっては1カ月以内という期限があるものもあります。法人設立手続きと並行して、できるだけ早く提出するようにしましょう。
まとめ
個人事業の廃業届出書は、法人成りのときに必ず必要な書類です。
廃業届に加えて、青色申告の取りやめ届や給与支払事務所の廃止届など、複数の関連書類を提出する必要がある場合もあります。
個人事業主の方が法人成りするのは、事業拡大や会社経営上の恩恵を受けるのが一番の目的だと思います。その目的をスムーズに実現させるためにも、「個人事業の廃業届出書」等の提出は忘れずに行いましょう。 目安として、廃業した日から1カ月以内に、個人事業で確定申告をしていた税務署に提出することを意識すると良いでしょう。
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