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覚えておきたい!定款の目的を変更する際の5つの注意点

会社の目的は、定款に必ず記載しなければならない事項です。

 

もし定款に記載のない事業を始める場合には、定款を変更して新しい目的を追加しなければなりません。

 

定款を変更する手続きには、独特の注意点もあります。この記事で、ぜひ確認しておきましょう。

 

定款の目的を変更する理由

会社の目的とは、その会社が営む事業の内容を示すもので、定款に必ず記載しなければいけないと定められています。つまり、企業は定款に事業目的として記載されていることしか行えないのです。そのため、定款に記載のない事業を新たに始める際には、定款の目的を変更しなければなりません。

 

定款の目的を変更する際の注意点

定款とは、会社を運営するための基本的な規則を定めておくものです。会社の憲法とも呼ばれます。

 

会社を設立した後は、その定款で定めた内容に従って、会社を運営していきます。

 

しかし、会社を運営していくうちに、定款に定めていないことをする必要も生じます。その際、定款の変更が求められるケースがあります。

 

事業目的がそのひとつです。定款の記載の仕方や変更の仕方は、法的に決められています。複雑で面倒な部分もありますので、定款の目的を変更する際の注意点を確認しましょう。

 

定款変更手続きの注意点

会社の目的を追加するには定款を変更しなければなりませんが、その変更の手続きは会社の種類によって異なります。

 

株式会社の場合は、株主総会を開催して定款変更の決議を行う必要があります。この決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成で成立する特別決議です。また、株主総会の議事録を作成する必要があります。「定款の変更よりも決議が前」という手順なので注意しましょう。

 

定款の目的変更登記申請の注意点

会社の目的を変更するには、定款の変更手続きだけでなく、登記の変更も必要となります。

 

会社の本店所在地を管轄する法務局に目的変更登記の申請を行います。目的変更の登記は、定款変更の効力が生じた日から、2週間以内に本店所在地を管轄する法務局で申請します。遅れると罰金にあたる過料の制裁を受けることにもなりますので、注意してください。

 

また、目的の変更登記では、変更した後に登記事項証明書に載る目的を記載します。追加する目的だけを記載するのではありません。うっかり追加する目的だけを書いて申請すると、もともと登記されていた事業目的は消されてしまいますので、注意が必要です。

 

事業目的変更手続きの登記には、登録免許税3万円が必要です。変更の都度費用が発生するので、できるだけまとめて行うようにしましょう。

 

事業目的の増えすぎに注意

会社が定款に記載する目的の数に制限はありません。会社設立時には将来的に行いたい目的も記載するとよいでしょう。また、変更時には、近い将来始める事業はまとめて追加しておくべきです。

 

ただし、実際に行っていない目的を大量に含めておくのはおすすめしません。登記簿は誰でも見ることができますので、融資をお願いした金融機関や取引先、あるいは出資を検討している個人の目にも触れる可能性があります。その時に目的が多すぎると会社の実態がわかりませんし、あやしい印象を与えてしまうことにもなりかねません。

 

すでに行わなくなっている目的が定款にたくさん記載されているのも良くありません。定款を変更する際には、追加する事業の目的だけでなく、削除する目的についても検討すべきです。

 

事業目的の記載・表現方法に注意

目的の書き方は厳格に定められるわけではありません。会社が行う事業の内容が伝われば問題ありません。

 

ただし、具体的で明確に伝わる記載方法でなければなりません。事業内容がよくわからない、あるいは違法の恐れがあるなどと判断されると、目的変更申請が却下される場合がありますので、注意しましょう。

 

また、解釈に抜け道が生じるような書き方もしない方が無難です。例えば目的に「投資」と記載した場合、ベンチャーキャピタルのような通常の意味での投資を業とするものを想像します。

 

しかし、仮想通貨の購入と転売により利益を目指すといった、半ばギャンブルのようなものも「投資」と書けないわけではありません。社会的に評価されない事業目的や、反社会的勢力とのつながりをあやしまれる目的の書き方にならないように注意しましょう。

 

目的に許認可が必要な際の注意

事業を行うにあたり許認可が必要な業種を行うには、目的変更は必須になります。また、許認可の申請を行う際に、正確に目的が登記されていなければ、認可が下りない可能性が高まります。

 

例としては、古物商、介護事業、宅地建物取引業、労働派遣業、旅行業などがそれにあたります。

 

そのため、定款変更の時点から注意して十分に下調べをした上で手続きを行わなければなりません。許認可を審査するのは管轄の行政機関ですので、直接問い合わせてあらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。

 

定款の事業目的変更にはご注意を

定款の目的を変更すると一口に言っても、実際の手続きは煩雑です。

 

株主総会の特別決議や議事録の作成、定款の変更、そして法務局での登記変更、さらに管轄行政機関での許認可申請と、多くの場所でたくさんの手続きが発生します。場当たり的に処理しようと思うと失敗してしまい、時間がかかったり、追加費用が必要になったり、思わぬ事態に陥ることも少なくありません。

 

まず目的変更の内容について精査し、計画を立ててから進めましょう。また、関係機関や専門家に相談することをおすすめいたします。

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