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役員の就任時期がバラバラ…任期満了日はいつ?

会社に役員が複数名いる場合、それぞれの役員の就任した時期がバラバラということもあるでしょう。

そのような場合、任期が満了する日もバラバラになるのか気になるのではないでしょうか。ここでは、役員の就任時期が異なる場合の任期満了日について解説します。

会社法の「任期」の基本的な決まり

株式会社の役員には任期があります。任期を無期限とすることはできません。

会社法では、取締役の任期は、「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」、監査役の任期は「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と定められています。

少しわかりにくいため、分解してみていきましょう。

・「選任後2年以内に終了する事業年度」

事業年度は、1月1日から12月末日まで(12月末決算)、4月1日から3月末日まで(3月末決算)など、決算を行う基準となる期間で設立の際に必ず決めているものです。

選任後2年以内に終了する事業年度は、3月末決算の会社で令和2年4月に選任された取締役であれば、令和4年3月末日のことです。

・「最終のものに関する定時株主総会の終結の時」

事業年度のうち最終のものというのは、選任後2年の間に事業年度(決算期)が2回あったとしたら、2回目の事業年度のことです。

令和2年4月選任で3月末決算の会社では、令和3年3月末と令和4年3月末の2回ある事業年度のうち、令和4年3月末のことです。

この令和4年3月末の事業年度の後に開かれる定時株主総会が終結する時までが、役員の任期となるのです。

なお、定時株主総会は、事業年度末から3か月以内に開催する必要があります。
3月末決算の会社であれば、通常6月末までに定時株主総会を開く必要があります。

役員任期は変更できる

役員の任期については、定款の定めによって短縮できますし、公開会社でない会社であれば最長で10年まで伸ばすことも可能です。

取締役の任期は最短1年から最長10年まで、監査役の任期は最短4年から最長10年まで定款で定めることができます。

具体的な任期満了日の計算

ここでは、具体的な事例で役員の任期満了日がいつになるかを紹介します。

(事例)

・取締役 甲田太郎 令和1年7月10日就任

・取締役 乙村二郎 令和3年5月1日就任

・定款の役員任期の定め「取締役の任期は、選任後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする」

・事業年度 7月1日から6月末日まで(6月末決算)

定時株主総会で選任された場合

取締役の甲田太郎は、令和1年7月10日の定時株主総会で選任されたとします。

この場合、甲田太郎の任期満了日は、選任後5年以内(令和6年7月10日まで)に終了する事業年度(令和6年6月末日)についての定時株主総会終結時までです。

令和6年の定時株主総会が令和6年7月10日に開催されるとすると、甲田太郎の任期満了日は令和6年7月10日となります。

臨時株主総会で選任された場合

取締役乙山二郎は、令和3年5月1日の臨時株主総会で選任されたとします。

この場合、乙山二郎の任期満了日は、選任後5年以内(令和8年5月1日まで)に終了する事業年度(令和7年6月末日)についての定時株主総会終結時までです。

令和7年の定時株主総会が令和7年7月10日に開催されるとすると、乙山二郎の任期満了日は令和7年7月10日となります。

定時株主総会で選任された甲田太郎がちょうどまる5年程度の任期になるのに比べ、臨時株主総会で選任された乙山二郎の任期は、約4年になります。

これは、この会社の事業年度が6月となっているため、5月に就任した乙山二郎の任期については、選任された令和3年から5年後の令和8年の事業年度ではなく、4年後の令和7年の事業年度が「選任後5年以内の事業年度のうち最終のもの」となるからです。

もし乙山二郎が令和3年5月ではなく、たとえば令和3年8月に選任されていた場合、令和7年ではなく令和8年の事業年度の定時株主総会の時までが任期となります。

補欠または増員の役員の任期

補欠や増員で選任された取締役の任期はいつまでになるでしょうか。

補欠取締役とは、ある取締役が任期満了前に退任する場合に、その取締役の存在を補うために選任される取締役のことです。

増員取締役とは、すでに必要な人数の取締役が選任されている場合に、それに追加して後日選任された取締役のことです。

上記で説明した取締役甲山太郎と乙山二郎の任期は、定款に「取締役の任期は、選任後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする」としか定められていない場合です。

役員の任期がバラバラにならないための対策として、定款に「任期満了前に退任した取締役の補欠として、または増員により選任された取締役の任期は、前任者または他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする」と記載しておくことで、任期満了日をそろえることができます。

この規定があれば、乙山二郎が補欠または増員取締役として選任されている場合は、乙山二郎の任期は甲山太郎と同じ令和7年7月10日までとなります。

役員の任期をそろえるメリット

役員の任期がバラバラになってしまうと、役員の変更登記を申請しなければならない回数が多くなります。

せっかく役員の任期が最長10年まで伸ばすことができるようになり、役員変更登記をする回数を減らすことができるようになったにも関わらず、任期満了日がバラバラになるとその都度役員変更登記を申請しなければならず、無駄な手間や費用がかかります。

また、任期がいつまでなのかわかりにくくなり、登記申請するのをうっかり忘れてしまい、過料という罰金のようなものをとられてしまう可能性もあります。

補欠または増員取締役の任期について、他の取締役の任期と同じにする旨を定款で定めることにより、任期をそろえて無駄な登記申請の手間を省くことができます。

なお、役員任期について定款を変更した場合でも、役員任期は登記する内容ではないため登記申請は必要ありません。

まとめ

役員がバラバラの時期に就任している場合、任期満了日もバラバラになってしまうのではないかと不安になるかもしれません。

ただし、「補欠または増員」の場合の任期を定款に定めておくことで、任期がバラバラになる事態を避けることができます。

任期をしっかりと管理したうえで、自分で定期的に役員変更登記を申請すれば無駄な費用や手間がかかりません。Legal Script(役員変更登記)を活用することで、簡単な入力で自分で役員変更登記を申請することも十分可能です。

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