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総務

合同会社の本店移転登記を行う際に作成をしなければならない書類2個

Moving boxes and furniture in new office

導入

合同会社は、平成18年5月1日から施行された会社法によって新しく設立が認められるようになった形態の会社です。アメリカ合衆国の州法で設立が認められているLLC(Limited Liability Company)をモデルとして導入されたもので、会社法では新規の設立が認められなくなった有限会社に代わる会社組織と位置付けられています。

株式会社と比較して、出資と経営が一体で内部関係・意思決定手続きがシンプルだという点に特徴がありますので、小規模事業の法人化に向いている形態の会社です。設立の際の法人登記費用も高くないので、設立のしやすい会社と言えます。

合同会社は、本店所在地で設立の登記をすることで成立しますが、会社が成立した後に、本店所在地を変更した場合、その移転があった日から2週間以内に、本店移転登記の申請を行わなくてはなりません。合同会社は、株式会社とは異なり、会社の設立に関しては登記すべき期間は設けられていませんが、設立登記をした後は、登記事項に変更があった場合、その変更があった日から原則2週間以内に、変更登記の申請をしなくてはなりません。

そこで、以下では、合同会社の本店移転登記を行う際に作成しなければならない書類や、登記申請書の書き方などについて解説します。

同一登記所の管轄区域内で本店を移転する場合

合同会社の本店事務所を、歩いていけるような少し離れた場所に建て替えたような場合には、同一登記所の管轄区域内で本店を移転する場合に該当します。この場合には、現在の本店所在地を管轄する登記所に、変更登記申請書を提出するだけで手続きが完了します。

このケースでの本店移転登記申請書の一例を表示すると、次のようになります。

定款の定めが、本店所在地について最小行政区を定めるものとなっている(上記の例では、定款の本店に関する定めが「本店は大阪府○○市に置く」となっている)場合、その最小行政区内で本店を移転する場合には、本店移転に当たって定款を変更する必要はありません。

定款を変更する場合には、原則として、総社員の同意が必要になりますが、このケースでは、本店を移転するにあたり、総社員の同意は不要です。業務執行社員の過半数の一致があれば、本店を移転することが可能になりますので、この変更登記申請書には、その書面を添付します。

一方、定款で本店所在地について地番まで定めている(上記の例では、定款の本店に関する定めが「本店は大阪府○○市三丁目3番3号に置く」となっている)場合、本店所在地の変更に当たっては、総社員の同意が必要になります。このケースでは、本店移転登記の申請書には、定款に別段の定めがない限り、業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面ではなく、本店移転について総社員の同意があったことを証する書面を添付します。

委任状について

本店移転登記の手続きを司法書士に委任する場合には、この他、委任状が必要になります。

委任状の一例を表示すると次のようになります。

変更登記の手続きを司法書士に委任する場合には、登記申請書の一番最後の会社の代表社員の氏名に会社の登記所届出印による押印はしません。その代わりに、会社代表者の住所氏名の下に、手続きを代理する司法書士の住所氏名を追加で記載し、司法書士の印鑑(認印)を押印します。会社の代表社員の登記所届出印は、委任状の方に押印します。

同一登記所の管轄外域内で本店を移転する場合

本店を遠く離れた地域に移転する場合には、移転前の本店所在地を管轄する登記所と移転後の本店所在地を管轄する登記所が異なります。この場合には、本店移転登記申請書を、変更前の登記所に提出する分と、変更後の登記所に提出する分の2通を用意する必要があります。

この2通は、同時に、変更前の本店所在地を管轄する登記所に提出します。2通につき、それぞれ3万円の登録免許税が課税されますから、管轄区域外に本店を移転する場合には、合計で6万円を用意する必要があります。

登記申請書の一例を表示すると、次のようになります。

■変更前の本店所在地を管轄する登記所に提出する申請書■

■変更後の本店所在地を管轄する登記所に提出する申請書■

管轄外の区域に本店を移転した場合の変更登記の手続きを司法書士に委任した場合には、2通の申請書のそれぞれに前に例示した委任状の添付が必要になります。委任状に関しては、【同一登記所管轄区域内で本店を移転する場合】と全く同じなので、説明は割愛いたします。