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株式会社設立時に「印鑑証明書」と「顔写真付き身分証明書」を提出する理由

株式会社を設立する際には、いくつかの書類を準備する必要があります。その中には、「印鑑証明書」と「顔写真付き身分証明書」も含まれており、何に使うの?と疑問に感じる方の声を耳にします。

 

ここでは「印鑑証明書」と「顔写真付き身分証明書」を提出する理由や背景事情などについて、簡単に説明します。

 

印鑑証明書や身分証明書を求められるケース

株式会社を設立する場合は、様々な手続を取る必要があります。その中でも重要なものとして、定款の提出と設立登記が挙げられます。その際、以下の(1) (2)のように、印鑑証明書および身分証明書が求められます。

 

(1) 定款には、設立しようとする会社の目的、商号、本店所在地、出資される財産の価額及び発起人の氏名等を記載し、その上で公証人の認証を受ける必要があります。この際、公証人に定款とともに発起人全員の印鑑証明書の提出が求められています。

 

(2) 次に設立登記ですが、これは法務局に登記申請書を提出して手続を取ります。


株式会社の設立登記に必要な書類のうち、重要なものを列挙します。

 

① 登記申請書
② 定款
③ 取締役等の就任承諾書(取締役会を設置している場合は代表取締役の就任承諾書、取締役会を設置していない場合は取締役全員の就任承諾書)
④ 取締役等の就任承諾書に記載された氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(以下単に「身分証明書」という。)。ただし、取締役の印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)を添付する場合はこの限りでない。
⑤ その他必要書類

 

上記③の取締役等の就任証明書には、商業登記規則61条7項により、取締役に就任しようとする者個人の身分証明書又は印鑑証明書を添付します。

 

身分証明書の代表的なものは、次のとおりです。

・住民票写し
・住基カードのコピー
・運転免許証のコピー
・マイナンバーカードの表面のコピー

 

しかし、規則61条7項ただし書記載のとおり、取締役に就任しようとする者個人の印鑑証明書を添付すれば身分証明書を添付する必要がありません。実務においては、印鑑証明書を添付することが大部分ですので、身分証明書を添付する例は少ないでしょう。

印鑑登録の手続方法

ここで印鑑登録について簡単に触れておきます。

 

印鑑登録とは、市区町村役場において印鑑を登録し、いわゆる実印を作ることをいいます。

 

この印鑑登録方法ですが、本人が出頭し、運転免許証、パスポート、在留カードなどの官公署発行で「顔写真付きの本人確認書類」を提示したときには即日登録することができます。

 

しかし、顔写真付きの本人確認書類を提示しないときは、市区町村長からの書面による照会・回答の手続を取り、回答書によって本人確認をしなければなりませんので、即日登録することはできません。即日登録を終え、印鑑証明書を取得したいときは、顔写真付きの本人確認書類を持参する必要があります。

 

会社設立時に「印鑑証明書」と「顔写真付き身分証明書」が必要な理由

以上ご説明しましたように、定款を作成するときには公証人に印鑑証明書を提出し、本人確認として顔写真付き身分証明書を提示する必要があります。また設立登記を申請するときは法務局に印鑑証明書又は顔写真付き身分証明書を提出する必要がある場合があります。

 

それでは、なぜ公証役場等で印鑑証明書や顔写真付き身分証明書を提出する必要があるのでしょうか。

 

近時の実体がなく名前だけの会社が、振り込め詐欺の舞台として利用されたり、犯罪収益についていわゆる資金洗浄(マネーロンダリング)を行うために利用されたりしていることが指摘されています。

 

これらを防止するためには、印鑑証明書や顔写真付き身分証明書を提出させて、本人確認をしっかりと行うことが求められています。さらに、その前段階である印鑑登録の場面でも、顔写真付き身分証明書を提出させて本人確認を確実に行っています。

 

まとめ

株式会社設立時には3か月以内に発行された「印鑑証明書」と「顔写真付き身分証明書」を準備し、スムーズに手続が進むようにしましょう。

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