もう悩まない!定款の目的で使える記載例(小売・飲食編)

会社を設立する際に必要な書類として、定款があります。定款を作成しなければ、会社を設立することはできません。
定款には絶対的記載事項というものが5つあり、その最初に登場するのが目的です。
この目的とは、これから設立する会社が行う事業の内容を指します。
今回は定款の目的として使える記載例を、小売・飲食業に絞ってご紹介します。
目次
会社は定款の「目的」の範囲内でのみ活動できる
会社を設立する際、どんな事業を営んでいくのか明確に決まっている方もいれば、ある程度の方向性しか決まっていないという方もいるでしょう。
定款の絶対的記載事項に「目的」があるのは、会社が定款に記載してある「目的」の範囲内でしか活動できないためです。会社は定款の「目的」に記載していないことは法律上できないことになっています。
しかし、実際に事業目的を決める場合、どんな事業目的を記載していいのかわからないとお悩みの方も多いはず。
ここでは、これから小売業や飲食業を始めようと考えている方のために定款の目的として使える記載例について説明していきましょう。
小売・飲食業の定款の目的として使える記載例
小売・飲食業を始める際、始める業種によっては、定款の目的として必ず記載しなければならない目的があります。まずはそちらからご紹介しましょう。
許認可の必要な事業目的は必ず記載する
新会社法施行により、事業目的の内容は以前よりも自由に定められるようになりました。しかし、許認可や届出が必要な事業を行おうとする場合、定款には必ずその事業目的が記載されていなければなりません。
定款にその事業目的が記載されていないと、許認可が下りないのです。それどころか、定款の変更を余儀なくされるという手間までかかってしまいます。
許認可が下りなければ、もちろんその事業を始めることはできません。
例えば、あなたが飲食店を始めたいとお考えなら、定款の事業目的には「飲食店業」や「飲食店の経営」といった目的が記載されていなければなりません。
ただし、事業目的に記載したからといって、必ず許認可が下りるというわけではないのでご注意ください。
飲食店を開業するためには、「飲食店営業許可」を保健所に申請する必要があります。そして、その許可を得るためには「食品衛生責任者」を必ず1店舗に1名置かなければなりません。このように、小売・飲食業の中には許認可や届出が必要になるものがあるということを覚えておいてください。
許認可や届出が必要になる業種
他にも、許認可や届出が必要になる業種があります。下表にまとめてご紹介します。
業種・業態 | 必要な許可等 | 申請先 |
飲食店、弁当・惣菜販売店、宅配(ピザ・寿司等) | 飲食店営業許可 | 保健所 |
喫茶店 | 喫茶店営業許可 | 保健所 |
居酒屋、スナック | 飲食店営業許可 | 保健所 |
深夜酒類提供飲食店営業届出 | 警察署 | |
リサイクルショップ | 古物営業許可 | 警察署 |
質屋 | 質屋営業許可 | 警察署 |
酒類販売業 | 酒類小売業(卸売業)免許 | 税務署 |
喫茶店を開業しようとお考えの方は、喫茶店営業許可を受ければいいのですが、この場合は少し注意が必要です。もし、喫茶店でお酒も提供しようと考えている場合は、喫茶店営業許可ではなく、飲食店営業許可を受ける必要があります。喫茶店営業許可では、お酒の提供はできないことになっているためです。
また居酒屋・スナックに限らず、午前0時を超えて酒類の提供を行う場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になることも合わせて覚えておくとよいでしょう。
定款の目的として使える記載例
それでは、小売業・飲食業の定款の目的として使える記載例をご紹介します。
小売業
- インターネット等を利用した通信販売業及び卸売業並びに小売業
- 食料品及び飲料品の小売業
- 古物の販売及びリサイクル店の経営
- 卸売業、小売業、通信販売業及び流通業
- 酒類の販売・卸売業
飲食業
- 飲食店の経営
- 喫茶店の経営
- 外食事業展開
- 飲食店、物販店等各種店舗開発の企画及び経営コンサルティング
- インターネットを利用できる喫茶室、飲食店の経営
ここで挙げた記載例は、あくまでも一例に過ぎません。事業目的は、それほど細かく定めなくても認められます。例えば、飲食業の場合、和食店、中華料理店、居酒屋などのように店のジャンルを特定するのではなく、「外食事業」などのように総称するのが一般的です。
また、事業目的は1つしか記載できないというわけではありません。数の制限はないため、いくつ記載してもいいのですが、書きすぎても信用を失うことにつながります。事業目的の記載は、5個~10個程度にとどめておいたほうがいいでしょう。
まとめ
小売・飲食業を始める際に、定款の目的として使える記載例についてご紹介しました。事業目的は、その会社が何をメインに事業を行っているのかわかるように書くことが大切です。自分がやりたいことを目的の一番目に記載しましょう。そうすることによって、会社の主要な事業が何であるかが対外的にもわかるはずです。
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