借入が全額自己資本に!「資本性ローン」はメリット豊富
開業資金を調達するときに、金融機関からの融資を検討する人も多いのではないでしょうか。
日本政策金融公庫が行っている資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)は、創業前や創業して間もない企業でも利用できる融資制度です。この記事では、他の融資制度にはない資本性ローンの特徴やメリットなどを紹介します。
資本性ローンの特徴・メリット
資本性ローンは、日本政策金融公庫の国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業がそれぞれ個別の融資を行っています。そのため、各事業で融資限度額や申し込み窓口などは異なりますが、次に説明する3つの特徴・メリットは共通しています。
融資期間中の返済は利息のみ
資本性ローンの返済は、期限一括返済(最終回の一括払い)です。つまり、返済期間を10年に設定した場合、元金の返済は10年後に一括で行い、それまでの間は利息のみを支払います。
ビジネスが軌道に乗るまでは、資金繰りに窮することも多いはずです。資本性ローンを利用することで月々の支払負担が軽減するため、キャッシュフローの面で大きな助けになるでしょう。
業績に応じて金利が変動する
金利は、業績によって1年ごとに変動します。業績が伸び悩んだ年度の翌年度は、金利が低めに設定されるため、利息支払の負担は軽くなります。ただし、業績が好調だった年度の翌年度は金利も高くなることは覚えておきましょう。
借入額は自己資本とみなされる※金融検査のみ
資本性ローンによる借入額は、「自己資本」としてみなされます。そのため、民間金融機関等での借入審査においては、通常の借入時と比べて有利に働きます。
ただし、借入額が自己資本とみなされるのは金融検査上での話です。会計上は「負債」に計上されるので要注意です。
資本性ローンの概要(国民生活事業)
ここからは資本性ローンの制度概要についての説明です。当記事では、国民生活事業の資本性ローンを紹介します。
制度を利用できる企業
資本性ローンによって融資を受けられるのは、次の要件1と要件2の両方を満たす法人または個人企業です。技術力の高さや新規性などを求められることもあるので、必ずチェックしましょう。
<要件1:日本政策金融公庫が行う以下の融資制度のいずれかの対象になる者>
・新規開業資金
※「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」「中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けている」「事業に新規性および成長性がみられる」のいずれかにかかる資金が対象。・女性、若者/シニア起業家支援資金
※「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」にかかる資金が対象。・再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
※「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」にかかる資金が対象。・新事業活動促進資金
・中小企業経営力強化資金
※「新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める」場合で、「新たに事業を始める場合や事業開始後おおむね7年以内」の対象者にかかる資金が対象。・食品貸付
※「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」にかかる資金が対象。・一般貸付
※前出の「食品貸付」の対象者にかかる運転資金が対象。・海外展開・事業再編資金
※海外直接投資(転貸資金を除く)にかかる資金が対象。・事業承継・集約・活性化支援資金
・企業再建資金
※シンジケートローン特例を適用しない貸付が対象。・生活衛生新企業育成資金
※「技術・ノウハウ等に新規性がみられる」にかかる資金が対象。・生活衛生企業再建資金
<要件2:以下のどちらの要件にも該当する者>
・地域経済の活性化にかかる事業を行うこと。
・税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。
出典・日本政策金融公庫ホームページ
融資限度額、返済期間、返済方法など
融資限度額、返済期間、返済方法、担保・保証人は、下表のとおりです。無担保・無保証人の融資制度なので、仮に倒産しても経営者個人は返済責任を負いません。
融資限度額 | 4,000万円 ※事業承継・集約・活性化支援資金の融資制度の場合は、別枠4,000万円 |
返済期間 | 5年1カ月以上 15年以内 |
返済方法 | 期限一括返済 (返済期間終了時に元金一括返済。利息は毎月支払い) |
担保・保証人 | 無担保・無保証人 |
出典・日本政策金融公庫ホームページ
利率
資本性ローンの特徴・メリットで説明したように、利率は業績(直近決算)に応じて毎年度変動します。利率は「売上高減価償却前経常利益率」をもとに算出されます。適用される利率は下表のとおりです。
売上高減価償却前経常利益率 貸付期間 5年1ヵ月以上
7年以内
7年超
9年以内
9年超
12年以内
12年超
15年以内
5%超 5.30% 5.60% 5.95% 6.20% 0%以上5%以下 3.15% 3.30% 3.50% 3.60% 0%未満 1.00% 1.00% 1.00% 1.00% 出典・日本政策金融公庫ホームページ
制度利用の注意点
資本性ローンの借入審査では事業計画書の提出が求められます。特に、創業時の開業資金として利用をお考えの方は、法人設立の準備や開業準備と並行して進めることになるため、多忙を極めることになるでしょう。
そんな時は、法人設立登記の手続きにLegalScriptを活用すると効率的です。ITを活用して開業準備をスムーズに行い、開業後のスタートダッシュにつなげてみてはいかがでしょうか。