
本店移転登記を申請する上で、取締役決定書が必要になることがあります。
この記事では、取締役決定書の概要や必要となるケースなどを、作成例をまじえながら解説します。

目次
取締役決定書とは?
取締役決定書(あるいは取締役決議書)とは、取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社)において、業務の執行などに関する重要事項について取締役が決定したことを証明する書類のことです。取締役会を設置している会社で言えば、「取締役会議事録」にあたります。
取締役決定書は、取締役会議事録のように会社法上の作成義務があるものではなく、記載すべき事項も定められているわけではありませんが、一定の変更登記を申請する場合には提出を求められることがあります。
本店移転登記の必要書類のひとつ
本店移転登記の申請には、申請書の他にもさまざまな書類が必要になります。
取締役決定書(取締役会非設置会社の場合)、または取締役会議事録(取締役会設置会社の場合)もそのひとつです。
すでに説明したとおり、取締役決定書は会社法上、作成する義務はありません。ところが、商業登記法の規定により、取締役会非設置会社が本店移転登記を申請する場合には、取締役決定書の添付が求められています。
※本店移転登記の申請以外でも、取締役決定書の添付を求められる変更登記申請があります。
なお、本店移転登記の必要書類については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:株式会社の本店移転登記に必要な書類は?(記入例あり)
そもそも取締役の決定とは?
取締役会非設置会社において、業務の執行などに関する重要事項をどのように決定するのかについては、取締役が1人の場合にはその取締役が単独で決定し、取締役が2人以上の場合には取締役の過半数の一致をもって決定することになっています。
なお、この取締役の決定について、会社法上は、上記の過半数の一致による決定(取締役が2人以上の場合)が規定されているのみです。取締役会のように一堂に集まって行うことは求められておらず、定足数(会議を開くための最低出席者数)も定められていません。つまり、会議を開催せず、持ち回りで決議することも可能であるということです。
本店移転登記申請書に添付する取締役決定書の作成例
繰り返しになりますが、取締役決定書は会社法上、作成義務があるものではなく記載事項も定められていません。また、商業登記法においても取締役の「同意または一致があったことを証する書面」とされているのみで、具体的な記載事項は示されていません。
基本的には、次の作成例のように、会社が本店を移転すること(移転先や移転時期も含む)について、いつ、どの取締役が決定したのかが明確にわかれば問題ありません。

主な記載事項
本店移転登記申請書に添付する取締役決定書には次のような事項を記載します。
①日付
本店を移転すること(移転先、移転時期も含む)を決定した日付を記載します。
②議事の結果
本店を移転することについて、取締役全員の一致があったのか、あるいは、過半数の一致があったのかを記載します。
③決定事項
移転先の住所と移転時期を記載します。
④取締役の氏名
上記の作成例では、会議形式ではなく、持ち回り決議として取締役全員の一致があり、その全員が氏名を記載しているケースを想定しています。一部の取締役が欠席している会議で、過半数の一致により決定した場合には、出席している取締役だけの氏名の記載で問題ありません。
使用する印鑑について
印鑑については、一般的に代表取締役は会社実印(届出印)、その他の取締役は認印を押します。
まとめ
取締役決定書とは、取締役会を設置していない会社において、業務の執行などに関する重要事項について取締役が決定したことを証明する書類のことです。会社法上の作成義務はありませんが、取締役会を設置していない会社が本店移転登記の申請をする場合には必要になりますので、忘れないように作成しましょう。
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