【役員変更】登記申請だけじゃない!忘れがちな届出・手続き

株式会社の役員(代表取締役・取締役・監査役など)を変更したら、役員変更登記が必要です。登記の件数でも役員変更登記は最も数が多く、代表的な手続きです。

しかし、登記以外の手続きとなると、「税務署や社会保険事務所への提出、そのほかに何が必要だったかな?」と、すべてを思い出すのは案外難しいものです。

この記事では、役員変更の手続きをする場合に、どこに注意しておいたらよいか、手続きと注意点をリストアップしました。
このリストに従って手続きと社内の対応をしておくと、役員変更に必要なアクションを素早くとることができるはずです。ぜひご活用ください。

役員変更はどんな時に生じる?

まず、役員の変更がどんな時に必要になるか、おさらいをしておきましょう。

役員が就任したとき

株主総会や取締役会で、取締役、監査役、代表取締役などを新たに選んだ場合は役員変更となり、役員の就任登記が必要です。

役員就任登記については、以下の記事をご覧ください。

 参考記事:新たな取締役が就任!登記に必要な書類と手続きは?

役員が退任したとき

役員の辞任、解任、死亡、破産、欠格事由の発生、任期満了となった場合は、旧役員は退任となり、役員変更が生じます。その際は、基本的に役員退任登記をしなければなりません。

なお、役員退任登記については、以下の記事で解説しています。

 参考記事:役員が退任したら登記が必要!申請手続きの手順は?

役員が重任(再任)したとき

役員が任期満了にともなって退任すると同時に、同じ役員が再任した場合は、実質的には役員は変わらないという見方ができますが、役員変更となります。この場合は、退任登記と就任登記を個別にするのではなく、重任登記を行います。なお、退任と再任のタイミングがずれると、退任登記と就任登記をどちらも行う必要があり、その分費用もかかってしまいます。

役員重任登記については、以下の記事で詳しく説明しています。

 参考記事:役員重任登記の手続き・手順(ケース別解説)

登記以外に必要な届出・手続き

下表は、役員変更によって届出が必要となるものです。「役所3+銀行1」の4通りがあると考えておくとよいでしょう。

届出の内容 届出が必要なケース
税金関係の届出代表取締役の氏名住所に変更があったとき
社会保険関係の届出事業主に変更があったとき
行政庁届出許認可制事業の場合※それぞれの監督官庁の定める届出事由によります
金融機関届出役員が変更したときは基本的に必要

税金関係や社会保険関係の届出は、代表者変更・代表者住所変更の場合に必要となります。これらの事実が発生した法人は、変更が生じたら速やかに行います。

これに対して、許認可制事業の場合の届け出は、許認可制事業に関しての監督官庁への届け出が必要です。届出期限は各許認可の種類によって異なりますが、変更後2週間~30日間が多いです。なお、要件に該当しない場合は届出不要です。

また、銀行等の取引先金融機関に対しても届出が必要です。こちらは速やかに届ける必要があります。

役員変更の届出や手続きが遅れると、登記の場合の過料のように不利益が科される場合があります。かつて、登記は「期限遅れで過料など科されない」と思われていましたが、現在では、以前より厳しめに運用されています。期限には注意しましょう。

国税・地方税関係の届出

届出先

国税は税務署に、地方税は地方税事務所と市町村に届出が必要です(東京23区の場合のみ特別区への届出は必要ありません)。

届出が必要なとき

役員変更の中でも、代表取締役(取締役を1名のみおく会社の取締役を含む。以下同じ)の変更・代表取締役の氏名や住所に変更があったときは届出を要します。

必要な書式

国税・地方税ともに書式が定められているので、必要な事項を記載して届出ることが必要です。

・国税

国税庁ホームページから異動届出書のダウンロードをして使うと便利です。また、e-Tax でも受付があります。添付書類は原則必要ありませんが、ただし定款の写しを確認されることがあります。

・地方税

異動届出書・異動届などの名称で、各都道府県税事務所・各都道府県に提出する書式が定められています。各都道府県で、異動届出書の受付がインターネット経由で可能となり、対応の時間を短縮できています。地方税システムeLTaxでの受付をしている自治体について地方税ポータルからサービスの対応状況をご確認ください。

添付書類は各都道府県・各自治体によって異なります。東京都の場合、履歴事項全部証明書または一部証明書といった登記簿の写しで、異動事実か確認できるものを要求されます。

社会保険関係の届出

届出先

郵送で事務センターまたは事業所の所在地を管轄する年金事務所

届出が必要なとき

事業主(代表取締役)に変更があったときや、代表取締役の氏名・住所に変更があったとき

必要な書式

事業所関係変更(訂正)届という書式が必要です。なお、添付書類は不要です。

許認可を受けた行政庁への届出

届出先

許認可を受けた行政庁に届出をします。たとえば、建設業の場合は、主たる営業所を所管する建設事務所が届出先となり、事実の発生から30日以内に行う必要があります。

届出が必要なとき

許認可の種類によって要求される場合に違いがあります。代表取締役のみの変更事由の発生に限られません。例として、建設業の場合は、経営業務管理責任者や専任技術者に役員が就任していた場合には変更届が必要です。

必要な書式

許認可等により一概には言えませんので、直接の問い合わせを要します。建設業の場合、変更届が必要になりますが、登記簿の写しのほか、役員に「登記されていないことの証明書」や、「身分証明書」(破産開始決定を受けていないことの証明書)を要求されることが多くなっています。

銀行等金融機関への届出

届出先

銀行など取引先金融機関に届出をします。

届出が必要なとき

代表者(代表取締役)の変更の場合に必要です。

必要な書式

金融機関所定の変更届が必要です。また、登記簿の写しの添付を要求されます。当座預金の場合は、一般に実印を持参する必要があります。

届出・手続き以外に留意すべきこと

行政や金融機関への届出や手続き以外にも、役員変更を行った際に気をつけるべきポイントがいくつかあります。

挨拶状

役員変更を主要な取引先に知らせないことは、取引先の信用にかかわります。そこで、印刷屋さんやオフィスサービス業者さんに「挨拶状一式」と頼むと、作成してくれます。かなり早く対応してくれるうえに、発送も請け負ってくれるので便利です。役員変更が決まったら、すぐに発注しておくのが望ましいところです。

ホームページの書き換え

挨拶状を送りながら、ホームページの役員の名前が変わっていないのは「だらしない」との印象を取引先に与える可能性があります。挨拶状の場合と同様、Webでの営業が盛んな近年では、信用にかかわるので、速やかに書き換えておきましょう。ネットショップの場合などは特定商取引法上の表示の書き換えも必要になります。

印鑑・文房具変更

・印鑑
社名が入っている印鑑は、変更不要です。ゴム印は、変更が必要な場合があります。

・名刺
速やかに用意しましょう。新役員だけでなく、旧役員で会社にとどまる方がいる場合はその名刺の用意も必要です。

・契約書や請求書のテンプレート(ひな型)
契約書のテンプレートや請求書に代表者名が入っている場合があります。通常は、代表取締役の名前が入っていると思われますので、書き換えておきましょう。

契約書の記載内容の確認

原則的に、役員交代のために、契約書を書き換えたり締結しなおしたりする必要はありません。なぜなら、役員が変更されても、その法人が契約の締結主体であることにはかわりがないためです。

原則的に契約書を変更する必要はありませんが、契約書によっては、役員交代の通知等が必要であると定められている場合があります。

その他

連絡先の設定、ネームプレートの書換、社内規則、システム、部屋の表示などに注意するほか、会社によっては規則類に名前を入れている例もあるので、その場合は書き換えることが必要です。社内のことは後回しになりがちですが、やるべきことを最初に理解しておくと後からの対応がスムーズです。

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