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本店移転登記申請書の「登記すべき事項」は何を書く?

会社の本店(本社)を移転するときは本店移転登記が必要です。本店の住所が変わったのに登記せずに放っておくと、登記情報を見た取引先等を混乱させてしまったり、郵便物が届かなかったりするなどのトラブルが起こりえます。さらに、登記をしないことに対する制裁(過料という罰金のようなもの)を受けるおそれもあります。

本店移転登記を申請する際には申請書を作成するのですが、この申請書を作るときに「登記すべき事項」の記載に戸惑う方が少なからずいらっしゃるようです。

この記事では、本店移転登記の登記すべき事項の記載内容について説明します。

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登記すべき事項とは

本店移転登記を申請する際には、本店移転登記申請書(下図)を作成する必要があります。「登記すべき事項」は下図の赤枠で囲んだ項目です。

株式会社本店移転登記申請書「登記すべき事項」の説明画像

本店移転登記をする場合の「登記すべき事項」の記載内容は、基本的には移転後の新しい本店所在場所移転した年月日です。

 

登記すべき事項の記入例

ここでは、本店移転登記の登記すべき事項の記入例を紹介します。

注意すべきは、管轄内移転か管轄外移転かによって記載内容が異なる点です。

管轄外・管轄内移転とは、たとえば、東京都新宿区に本店がある場合、移転先の住所も東京都新宿区内であれば、「東京法務局新宿出張所」の管轄なので「管轄内」の移転となります。移転先の住所が、東京都杉並区となる場合には、「東京法務局杉並出張所」の管轄となるので「管轄外」の移転となります。

参考記事:【本店移転登記】管轄内と管轄外って何?

それでは管轄内移転と管轄外移転のそれぞれの記入例を紹介しましょう。

「管轄内」の本店移転の場合の登記すべき事項

管轄内移転の場合の登記すべき事項の記入例は、以下のとおりです。

登記すべき事項

「本店」東京都新宿区●町一丁目1番1号

「原因年月日」令和●年●月●日移転

※「本店」には新本店の住所地、「原因年月日」には本店を移転した年月日を記載します。

「管轄外」の本店移転の場合の登記すべき事項

管轄外の本店移転の場合には、登記申請書は現在の本店住所の管轄の法務局宛と、新しい本店住所の管轄の法務局宛で、2通必要になります。

ここでは、東京都新宿区から東京都杉並区へ本店移転する場合の記入例を紹介します。

・旧本店所在地の管轄の法務局(東京法務局新宿出張所)宛の登記すべき事項

登記すべき事項

令和●年●月●日東京都杉並区●町一丁目1番1号に本店移転

※本店移転日、移転先の住所を記載します。

・新本店所在地の管轄の法務局(東京法務局杉並出張所)宛の登記すべき事項

登記すべき事項

令和●年●月●日東京都新宿区●町一丁目1番1号から本店移転

※本店移転日、移転前の本店住所を記載します。

登記手続きの流れ

登記手続きの流れを簡単に説明します。

本店移転についての決議を行う

まずは、本店の移転について決議をする必要があります。決議をする機関は、ケースによって異なります。

定款変更を必要とする本店移転の場合

たとえば、定款で「東京都新宿区に本店を置く」と定めている場合に、東京都杉並区に本店を移転する場合には、定款変更が必要です。

この場合には、株主総会の特別決議で定款変更について決議する必要があります。

そして、新本店の具体的な所在場所についてはさらに取締役会で決議します。(※取締役会がない場合、取締役の過半数の一致または株主総会で決議します)

定款変更が必要ない本店移転の場合

たとえば、定款で「東京都新宿区に本店を置く」と定めている場合に、新宿区内に本店を移転する場合には、定款変更は不要です。

この場合には、取締役会設置会社であれば取締役会、取締役会のない会社であれば取締役の過半数の一致によって本店移転の決議を行います。

必要な書類を作成し、登記を申請する

登記申請書に添付する必要書類を作成し、申請書と共に法務局に提出して登記を申請します。基本的には以下の書類が必要となります。

・株主総会+取締役会で決議した場合

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録

・株主総会+取締役の過半数の一致で決議した場合

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役の過半数の一致を証する書面

・取締役会のみで決議した場合

  • 取締役会議事録

・取締役の過半数の一致のみで決定の場合

  • 取締役の過半数の一致を証する書面

ケースによって申請書に添付する書類等が異なります。

本店移転登記の詳しい申請方法については、以下の記事をご覧ください。

参考記事:本店移転登記の手続きを自分で行う方法(株式会社の場合)

まとめ

本店移転登記は、ケースによって決議する機関や登記すべき事項の記載内容が異なります。自分で申請することも十分可能ではありますが、添付書類の作成などをゼロから行うのは意外と難しく、法務局から不備を指摘されてしまうケースも多くみられます。

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