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代表取締役はどうやって決める?選定方法を解説

株式会社では必ず代表取締役を選ばなければなりません。

取締役が1人の場合はその取締役が代表取締役になりますが、取締役が2人以上いる場合は、どのように代表取締役を選べばよいのでしょうか。

この記事では、代表取締役の選定方法について解説します。

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代表取締役の選定とは

代表取締役を選ぶことを選定といいます。

似た言葉に「選任」がありますが、これは取締役に就く人を選ぶことをさします。それに対し、「選定」は取締役の中から代表取締役を選ぶときに用います。

代表取締役は1人である必要はなく、複数名選んでもかまいません。たとえば、「代表取締役社長」と「代表取締役会長」の2人の代表取締役が存在する会社も多く見られます。

参考記事:代表取締役が1社に2人以上いてもいい?メリットと注意点は?

代表取締役を選定する方法は、取締役会があるかないかによって異なります。

取締役会非設置会社での選定方法

取締役会がない会社(取締役会非設置会社)の場合、代表取締役の選定方法は、次の3つです。

  • 株主総会の決議
  • 取締役の互選
  • 定款で直接定める

また、代表取締役を選定せずに、取締役全員を代表取締役とすることもできます。

株主総会の決議による選定

株主総会の決議で代表取締役を選定する場合、次の手順で行います。

手順①:定款に株主総会で選定することを定める

代表取締役の選定方法について、株主総会の決議による旨を定款で定めます。定款に「当会社の代表取締役は、株主総会の決議によって選定する」などと記載します。

定款を変更する場合、株主総会の特別決議で可決される必要があります。特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上が賛成することで可決されます。

手順②:株主総会を開催して代表取締役を選定

株主総会を開催し、代表取締役を選定します。別段の定めがない場合、普通決議で決めることになります。

普通決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数が賛成することで可決されます。株主総会開催後に、株主総会議事録を作成します。

取締役の互選による選定

取締役の互選で代表取締役を選定する場合、次の手順で行います。

手順①:定款に取締役の互選で選定することを定める

代表取締役の選定方法について、取締役の互選による旨を定款で定めます。定款に「当会社の代表取締役は取締役の互選により選定する」などと記載します。

定款を変更する場合、株主総会の特別決議で可決される必要があります。特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上が賛成することで可決されます。

手順②:取締役同士での互選

取締役同士で話し合い、取締役の過半数の賛成によって誰を代表取締役にするかを決定します。過半数なので、取締役が2人の場合は2人、取締役が3人の場合も2人以上の賛成が必要です。

この方法を取締役の互選といいます。代表取締役が決まったら「互選書」または「決定書」を作成し、決議をした取締役全員が記名押印します。

互選書への押印は、原則として各取締役の個人の実印で行い、印鑑証明書を添付する必要があります。ただし、変更前の代表取締役が会社実印(法務局届出印)を押印している場合には、他の取締役は認印でも可となり、印鑑証明書を添付する必要がありません。

参考記事:取締役の互選って何?互選書の書き方は?(記入例あり)

定款で直接定めることによる選定

定款に「当会社の代表取締役は甲山太郎とする」などと定めます。定款を変更するためには、株主総会の特別決議で可決される必要があります。特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上が賛成することで可決されます。

取締役全員を代表取締役にする方法

取締役会非設置会社においては、原則として取締役は全員が代表取締役になります。そのため、代表取締役の選定について定款で何も定めなければ、取締役全員が代表取締役となります。

全員を代表取締役にする場合には、代表取締役の選定について定款で定める必要はありません。

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取締役会設置会社での選定方法

取締役会がある会社(取締役会設置会社)の場合、代表取締役の選定を行うのは原則として取締役会です。

また、定款に定めることで、代表取締役を株主総会で選定することもできます。

取締役会の決議による選定

取締役会設置会社の場合は原則、取締役会の決議で代表取締役を選定します。取締役会の決議は、取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数が賛成することにより可決されます。

取締役会は3人以上の取締役で構成されます。取締役が3人の場合には2人以上、4人の場合は3人以上の賛成により可決となります。

取締役会の開催後は取締役会議事録を作成します。取締役会議事録には、原則として出席した取締役・監査役全員が個人の実印を押印して、印鑑証明書を提出する必要があります。ただし、変更前の代表取締役が会社実印(法務局への届出印)を押印している場合には、他の取締役・監査役は実印や印鑑証明書は不要となり、認印を押印すればよいことになります。

株主総会での決議による選定

取締役会のある会社の場合でも、定款の定めによって株主総会での決議で選定することもできます。この場合は、取締役会非設置会社での選定方法の①株主総会の決議により選定と同じく、定款の変更手続きを行ったうえで、株主総会で代表取締役を選定します。

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