リーガルメディア > 登記 > 役員変更 > 役員重任による変更登記で必要な書類とは? 登記を忘れると会社消滅も
役員変更

役員重任による変更登記で必要な書類とは? 登記を忘れると会社消滅も

株式会社では、役員(取締役と監査役)の任期が定められています。その任期が満了した際、引き続き役員を務めてもらうことを重任といいます。

 

重任のタイミングや手続きは、会社の形態や定款の内容によって異なるため、少し注意が必要です。

 

さらに、法務局への登記を行わなければならず、それを忘れているとペナルティなどが発生することもあります。トラブルを避け、スムーズに重任登記を行うための方法を把握しておきましょう。

 

役員の重任とは

株式会社の役員が任期を満了すると、自動的に退任することとなります。同じ人が継続して役員として業務を執行する場合は、再度、役員に選任しなければなりません。

 

このように、同一人物が退任と同時に再び就任することを重任といいます。

 

重任には、一定の手続きを経て、登記を行うことが必要です。会社によって手続きなどに若干の違いがありますので、よく確認して準備しましょう。

 

重任登記の必要書類一覧

役員の重任登記を行うにあたり、さまざまな書類の作成・手配をする必要があります。

 

ここで注意すべき点は、必要書類は取締役会の有無や定款の記載内容によって異なることです。下表で該当する欄をチェックし、必要書類を確認しましょう。

 

■重任登記の必要書類一覧

取締役会の有無 必要書類
取締役会を設置している

☑変更登記申請書

☑株主総会議事録

☑株主リスト

☑取締役会議事録

☑就任承諾書

☑委任状(役員本人が法務局へ直接提出しない場合)

取締役会を設置していない

 

※代表取締役の選任方法が「株主総会決議」

☑変更登記申請書

☑株主総会議事録

☑株主リスト

☑就任承諾書

☑委任状(役員本人が法務局へ直接提出しない場合)

取締役会を設置していない

 

※代表取締役の選任方法が「取締役の互選」

☑変更登記申請書

☑株主総会議事録

☑株主リスト

☑取締役の互選書

☑定款

☑就任承諾書

☑委任状(役員本人が法務局へ直接提出しない場合)

【ケース別】重任登記の必要書類を詳しく紹介

先述のとおり、役員の重任登記をするときは、取締役会の設置の有無などケースによって必要な書類が異なります。

 

取締役会を設置している場合

取締役会を設置している株式会社では、重任登記を申請する際に、以下の書類が必要になります。

 

  • 変更登記申請書

変更登記申請書のテンプレートは、法務局のホームページでダウンロード可能です。記載例もご覧いただけるので、それに沿って作成するとよいでしょう。なお、変更登記申請書には、登録免許税の額分の収入印紙を貼付する必要があります。

 

  • 株主総会議事録

役員の任期は定時株主総会の終結の時までとされていますので、重任のためにその株主総会で役員を再度選任します。それを記載して、株主総会議事録を作成します。

 

  • 株主リスト

株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)を作成します。

 

  • 取締役会議事録

株主総会と同じく、取締役会でも任期を満了する役員を再度選任します。その旨を記載した取締役会議事録を作成します。

 

  • 役員の就任承諾書

役員に選任された人、すなわち重任する人は、役員への就任承諾書を作成します。

 

  • 委任状

重任の登記申請を法務局に提出しに行くのは、ほとんどの場合は役員本人ではないでしょう。そのため、委任状を作成しておく必要があります。同様に、念のため取締役会の役員全員の印鑑証明を集めておいた方がより無難かもしれません。

 

取締役会を設置していない場合

取締役会を設置していない株式会社では、代表取締役の選任方法によって必要な書類が異なります。なお、代表取締役の選任方法は、株主総会決議か取締役の互選のいずれかで、定款で確認することができます。

 

代表取締役の選任方法が「株主総会決議」の場合

定款に定められた選任方法が株主総会決議である場合は、以下の書類を作成します。記載する内容は取締役会を設置している会社と同様です。

 

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 役員の就任承諾書
  • 委任状

代表取締役の選任方法が「取締役の互選」の場合

代表取締役の選任方法が「取締役の互選」である場合は、取締役の互選書を作成します。また、選任方法が互選であることを証明するために定款を添えて提出する必要があります。

 

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役の互選書
  • 定款
  • 役員の就任承諾書
  • 委任状

重任登記すべきタイミング

役員の任期は会社法で定められています。例えば、株式会社の取締役は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」とされています。

 

ただし、非公開会社では任期を10年まで延長することができますので、定款を確認する必要があります。

 

上記の形式の任期の場合、任期最終年度の定時株主総会が閉会した時点で満了します。その役員に継続して務めてもらうには、任期が満了する直前の定時株主総会で再度選任し、退任と就任が同時に行われるようにします。これが重任のタイミングになります。

 

そして、そのタイミングから2週間以内に役員の重任登記申請を行わなければなりません。

 

重任登記を忘れると会社が消滅する危機

役員の任期が満了したにも関わらず、重任登記をしていないと、会社に役員がいないとみなされる状態になってしまいます。

 

会社法の定めに従っていないので、過料を課される場合があります。そこまでいかなくても、本来ならば重任の登記だけで済むところ、退任と就任の2つの登記を行わなければならなくなります。

 

さらに、万が一、役員の重任登記を忘れたままで12年が過ぎてしまうと大変です。その株式会社は休眠会社として、一方的に解散登記がされてしまうこともあります。うっかり忘れていたせいで、最悪の場合は会社が消滅してしまうわけです。重任の手続きは確実に行わなければなりません。

 

まとめ

書類の集め方、またはそれ以前の決議方法などを間違えると、非常に大きな手間がかかってしまいます。準備を整え、不明点は専門家に確認し、手続きを行いましょう。

LegalScriptで法人登記書類を簡単作成

「登記をもっとシンプルに、もっとスマートに」をコンセプトに、会社設立や住所移転などの法人登記書類作成を気軽に行えるサービスです。
フォームに従って必要事項を入力するだけで必要な書類を簡単作成。
会社の資金の節約、事務負担の削減をお手伝いいたします。