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取締役の変更登記申請書の書き方(記入例あり)

取締役が新たに就任したり、辞任や死亡、任期満了に伴って退任したりすると、取締役の変更登記が必要となります。取締役を変更する登記は、商業登記の中でも頻繁に行われるもののひとつで、手続きの方法をしっかりと把握できれば自分でも申請することは可能です。

ところが、初めて登記申請を行うときは、いろいろと戸惑うこともあるでしょう。その中でも、変更登記で必ず作成する変更登記申請書は頭を悩ませる要素のひとつといえます。

本記事では、取締役の変更登記の代表的なパターンを3つあげ、変更登記申請書の書き方と添付する書類について解説します。

取締役就任時の変更登記申請書

以下の画像は、取締役会非設置会社において、取締役が新たに就任したときの変更登記申請書の記入例です。

<記入例:取締役が就任したときの変更登記申請書 ※取締役会非設置会社>

株式会社変更登記申請書の作成例(就任)

変更登記申請書を作成するときに、特に注意していただきたいのが、押印に使用する印鑑です。会社代表者が登記申請する場合は、法務局(登記所)に届け出ている会社実印を使用します。

会社代表者ではなく、代理人が申請する場合は会社実印を押印する必要はありません。この場合、代表取締役の氏名の下に、代理で申請する司法書士の住所氏名を記入し、代理人の認印を押印します。

添付書類

添付する書類は、取締役会を設置している会社か設置していない会社かによって、下表のように異なります。

取締役会設置会社取締役会非設置会社
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 本人確認証明書
  • 委任状(代理人申請を行う場合に必要)
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • 委任状(代理人申請を行う場合に必要)

※各種書類の詳細については、「新たな取締役が就任!登記に必要な書類と手続きは?」でも詳しく説明しています。

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取締役の就任登記について、取締役設置会社と取締役非設置会社で異なる点は、本人確認証明書と印鑑証明書のどちらを添付する必要があるかです。

取締役会設置会社は「本人確認証明書」が必要

取締役会設置会社の取締役には原則、会社を代表する権限がありません。会社を代表しない取締役が就任する場合には、就任承諾書に就任する取締役の認印を押印しても問題ありませんし、印鑑証明書を添付する必要もありません。

ただし、このケースでは、取締役の本人確認証明書を添付する必要があります。本人確認書証明書は、次のものが該当します。

  • 住民票の写し
  • 運転免許証(表裏の両面)のコピー
  • マイナンバーカード(表面のみ)のコピー

※コピーを添付書類にする場合は、「原本と相違がない。」という文面と本人の氏名を記入し、押印します。

なお、登記申請書に印鑑証明書を添付する場合には、印鑑証明書記載事項で本人確認ができるため、本人確認証明書を添付する必要はありません。

取締役会非設置会社は「印鑑証明書」が必要

取締役会非設置会社の取締役は原則、会社を代表する権限を持ちます。したがって、取締役の就任承諾書は就任する取締役が市区町村役場に届出ている個人実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。

再任の場合は「本人確認証明書」「印鑑証明書」は不要

取締役を再任する場合には、会社を代表する取締役が就任する場合の印鑑証明書、会社を代表しない取締役が就任する場合の本人確認書面のいずれの添付も不要です。

取締役退任(辞任)時の変更登記申請書

下の画像は、取締役会設置会社において取締役が辞任により退任したときの「変更登記申請書」の記入例です。

<記入例:取締役が辞任したときの変更登記申請書 ※取締役非設置会社>

株式会社変更登記申請書の作成例(辞任による退任)

変更登記申請書に押印する印鑑は、法務局(登記所)に届け出ている会社実印を使用します。ただし、会社代表者ではなく代理人が申請する場合は、会社実印の押印は不要です。その場合は、代表取締役の氏名の下に、代理で申請する司法書士の住所氏名を記入し、代理人の認印を押印します。

添付書類

添付する必要がある書類は辞任届です。

辞任届を作成する際の注意点は、辞任する取締役が代表取締役か、一般の取締役かによって使用する印鑑が異なることです。その詳細を下表にまとめました。

辞任する取締役注意点
代表取締役

どちらかの方法が必要です。

  • 法務局に届け出ている会社実印を辞任届に押印する。
  • 辞任届に個人実印を押印し、印鑑証明書を添付する。
取締役辞任届への押印は認印でかまいません。

※各種書類の詳細については、「取締役が辞任…登記に必要な書類は辞任届だけ?申請手続きは?」でも詳しく説明しています。

なお、司法書士などに代理人申請を依頼する場合は委任状が必要です。

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取締役退任(任期満了)時の変更登記申請書

下の画像は、任期満了により退任したとき(理由が任期満了であることが読み取れない場合)の変更登記申請書の記入例です。

<記入例:取締役が任期満了で退任したときの変更登記申請書>

株式会社変更登記申請書の作成例(任期満了による退任)

先に紹介した2つのケース同様、変更登記申請書には法務局(登記所)に届け出ている会社実印を押印します。会社代表者ではなく代理人が申請する場合は、会社実印を押印せず、代表取締役の氏名の下に、代理で申請する司法書士の住所氏名を記入し、代理人の認印を押印する点も同じです。

なお、任期満了による退任と同時に再任する場合は、重任登記を行います。重任登記については以下の記事で解説しています。

> 役員重任登記の手続き・手順(ケース別解説)

添付書類

添付書類については、株主総会の議事録の記載から、任期満了によって退職したことが読み取れる場合には、株主総会議事録株主リストのみとなります。

一方、株主総会の記載から取締役の退任の理由が任期満了であることが読み取れない場合には、株主総会議事録と株主リストの他、会社の定款を添付する必要があります。

定款を添付する理由は、会社の定款には取締役の任期に関する定めがありますので、その記載を見れば、取締役の退任理由が任期満了であることがわかるためです。

また、司法書士に登記を代理申請してもらう場合は委任状も必要です。

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今回は、取締役の変更登記の代表的な3つのケースをピックアップし、それぞれの変更登記申請書の記入例をご紹介しました。取締役変更のケースによって記載内容が異なることがおわりいただけたでしょうか。

実際には、取締役の変更には他にも多くのケースがあり、それぞれにあわせた変更登記申請書の作成が求められます。その方法をひとつひとつ調べていたら、思いのほか時間がかかってしまうでしょう。

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