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【合同会社】役員変更登記の手順と必要書類

合同会社の役員は、株式会社とは役員の意味合いが異なり、役員(社員)変更登記が必要になる場面や手順にも違いがあります。役員(社員)の変更が資本金にも影響するなど分かりにくい点もあります。

この記事では、合同会社の役員(社員)変更登記が必要なケースや手順、登記の必要書類について解説します。

合同会社で役員変更登記が必要なケース

合同会社の役員とは

合同会社の役員というのは、「社員」のことを指します。

株式会社の場合、役員は「取締役」などのことで、出資者である「株主」とは全く別の存在です。(同一人物がなることもできます)

一方、合同会社の場合、役員である「社員」は、出資者と経営者を兼ねているのが基本です。

「社員」になるためには、出資が必要だからです。

このように、出資して「社員」となった人全員が経営業務を行いますが、社員の中から定款で一部の人だけを「業務執行社員」に選び、それ以外の社員は業務執行をしない立場にすることもできます。

特に選ばなければ、社員全員が「業務執行社員」となり、業務の運営を行います。

また、社員の中から会社の代表者として「代表社員」を選ぶこともできます。

「代表社員」は株式会社の代表取締役に相当します。

特に「代表社員」を選ばなければ、社員全員が代表権を持ちます。

登記が必要となるケース

合同会社の役員変更登記が発生するのは、「業務執行社員」と「代表社員」について変更があった場合です。

なお、合同会社の場合、株式会社とは違って役員の任期はないので、変更がない限り役員変更登記は不要です。一方、株式会社の場合、同じ役員のままだとしても、最長10年の任期があるため、一定期間ごとに役員変更登記が必要です。

業務執行社員の加入

合同会社の「社員」(役員)になることを、「社員の加入」といいます。

社員の加入方法には、①新たな出資、②ほかの社員からの持分譲り受け、③社員の死亡による相続(社員が法人の場合、合併による承継)の3つのパターンがあります。

これらのいずれかが起きて、社員が加入した場合には社員の加入(就任)の登記が必要です。

なお、その社員が業務執行社員でない場合には、登記は必要ありません。定款で定めをしていない限り、社員は全員が業務執行社員になるのが原則です。

業務執行社員の退社

合同会社の社員(役員)をやめることを、「社員の退社」といいます。

社員の退社方法には、①任意(自ら)退社する、②一定の事由による法定退社の2つのパターンがあります。

①の場合、退社の理由は問いません。そして、自分が出資した持分について、誰かに譲渡(売買または贈与)するのか、会社から払い戻しを受けるか2つの方法があります。

②の法定退社の事由とは、総社員の同意、死亡、定款で定めた事由の発生などです。

社員が退社したときは、社員の退社(退任)の登記が必要ですが、その社員が業務執行社員でない場合はもともと登記されていないので、退社の登記は不要です。

代表社員の交代

代表社員Aが別の既存の社員Bに交代するケースがあります。

この場合、現在の代表社員Aが代表社員ではなくなった後、業務執行社員のメンバーとしては残るのであれば、代表社員の変更の登記のみを行います。

一方、現在の代表社員Aが業務執行社員も辞める場合には、社員の退社の登記も必要となります。

新たに代表社員を選出

今まで代表社員がいなかった合同会社で、既存の業務執行社員の中から新たに代表社員を選ぶことがあります。社員全員の同意によって定款を変更し、代表社員を選ぶことで代表社員制を新たに取り入れることができます。この場合、代表社員の選任の登記を行います。代表社員は、氏名だけでなく住所も登記されます。

新たに加入した社員を代表社員に選出

既存社員の中からではなく、新たに社員を加入させ、その人を代表社員とする場合があります。その場合、社員の加入と代表社員の変更の登記が必要となります。

代表社員が退社

代表社員が任意退社もしくは法定退社(死亡など)によって退社する場合があります。この場合は、代表社員の変更と社員の退社の登記が必要となります。

合同会社の役員変更登記の手順

合同会社の役員変更登記の手順は、ケースによって様々です。

ここでは、①業務執行社員が出資により加入した場合、②代表社員が交代した場合の2パターンについて紹介します。

業務執行社員の出資による加入

合同会社に加入する方法の一つに、新たな出資による加入があります。

新たな出資による加入の流れは以下の通りです。

①総社員の同意による定款変更

社員の氏名、住所(社員が法人の場合は商号、本店所在地)は、定款に載せなければなりません。

そのため、新たに社員が加入する場合、定款変更が必要となり、定款変更には総社員の同意が必要です。

②出資の払い込み

全額の出資の払い込みが完了しなければ、社員の加入の効果が発生しません。

払い込みが完了した後に定款変更した場合、定款変更時に加入の効果が発生し、定款変更後に払い込みが完了した場合、払い込み完了時に加入の効果が発生します。

③資本金の増加

新たな出資が行われると、原則として、合同会社の資本金は合同会社が計上すると決めた額だけ増加します。

資本金は登記されるので、役員(社員)変更登記と共に資本金の変更登記も必要となります。

④登記の申請

変更日から2週間以内に、必要な書類を作成の上、業務執行社員の加入の登記と資本金の額の変更登記を申請します。

登記する内容は、業務執行社員の氏名(法人の場合は商号)と加入年月日、増加後の資本金の額と変更年月日です。

代表社員の交代

代表社員が現在のAから、別の業務執行社員Bに交代するケースについての手順を紹介します。

①代表社員の選出

代表社員の選出方法は、「総社員の同意」または「業務執行社員の互選」のいずれかです。

代表社員の選出方法は定款で定めているため、それに従って行います。

②総社員の同意による定款変更

代表社員は定款に記載されます。そのため、代表社員をAからBに変更する場合、定款変更が必要となり、定款変更には総社員の同意が必要です。

③登記の申請

変更から2週間以内に必要書類を作成の上、代表社員の変更登記を申請します。

従前の代表社員Aが業務執行社員として残る場合は代表社員の変更登記のみですが、Aが会社を退社する場合は退社の登記も必要です。

合同会社の役員変更登記の必要書類

合同会社の役員変更登記の必要書類は、内容によって異なります。

ここでは、業務執行社員が新たな出資により加入した場合、代表社員がAから別の業務執行社員Bに変更する場合に必要なものを紹介します。

■新たな出資による業務執行社員の加入の登記

  • 総社員の同意書
  • 払い込みがあったことを証明する書類(通帳コピーに証明文を付したものなど)

■代表社員の変更登記

  • 代表社員Bの選出を証する書面(総社員の同意書または業務執行社員の互選書)
  • 代表社員Bの就任承諾書
  • 定款
  • 印鑑届出書
  • 代表社員Bの印鑑証明書

まとめ

合同会社の役員変更登記は、事例によって必要な手続きや変更登記の要否、内容が異なります。

社員の加入、退社によって資本金が変動するケースもあるので注意が必要です。 登記が必要となる事案なのか、必要な場合は登記事項をどのように変更するのかについて、登記事項証明書や定款と照らし合わせてしっかりと確認したうえで手続きを行いましょう。