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【定款の原本証明】作成方法と必要シーンを紹介

定款は、原本そのものを提出することは難しいため、原本証明した写しを提出する場面が多くなります。

この記事では、定款の原本証明の方法や必要となる場面について解説します。

定款の原本証明とは

会社は、必ず会社のルールを定めた定款を作成する必要があります。株式会社の場合、会社設立時の定款は公証役場で認証を受けなければなりません。

認証を受けた定款の原本は、1部は公証役場に20年間保管され、もう1部は会社が保管します。なお、設立後に定款の内容を変更した場合には公証役場の認証は必要ありません。そのため、変更後の定款の原本は会社のみが保管します。

このように、会社が保有する定款の原本は原則として1部だけであり、原本を提出するわけにはいきません。原本を提出する代わりに、定款が必要になる場面では、定款の写し(コピー)に「原本証明」したものを提出することになります。

「原本証明」とは、原本の代わりにコピーを用意した際に、そのコピーが原本と同じ内容であることを証明した文言を付記することです。

平たく言うと、「原本は提出できませんが、このコピーは原本と全く同じ内容であることを証明します」ということを意味します。

定款の原本証明の手順

定款の原本証明の方法には統一的なルールがあるわけではありませんが、一般的な原本証明の手順をご紹介します。

手順①:現在の定款を用意する

定款は、会社を設立した後に株主総会の決議によって内容を変更することができます。

原本証明した定款の提出を求められる場合、基本的に「現在」の定款を用意します。会社設立時から変更がなければ設立時の定款のままですが、変更した場合には変更後の最新の内容の定款を用意しましょう。

定款が最新の内容かどうかを判別しやすいように、定款を変更したときは、定款の表紙に「●年●月●改定」などと記載して変更日が分かるようにしておくとよいでしょう。

手順②:定款の全ページをコピーする

定款をきれいにコピーします。一部のページのみ抜粋すればよいという指示がない限りは、すべてのページをコピーしましょう。

また、特にサイズの指示がない限り、拡大や縮小はせずに原寸大でコピーしましょう。

手順③:原本証明の文言を記載する

定款のコピーの最終ページに、以下のような文言を記載し、会社代表者印を押印します。

この文言は提出先によっては規定されている場合がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

(原本証明の文言の記載例)

この写しは、定款の原本と相違ないことを証明します。
令和●年●月●日
本店住所
株式会社○○
代表取締役○○ (代表者印の押印)

袋とじまたは契印をする

定款の全ページのコピーを順番通りに並べてホチキスでとめた後、それを袋とじして、帯の部分と定款本体の部分にかかるように会社代表者印で契印をします。

裏表紙のみに契印する方法、表紙のみに契印する方法、表裏両方に契印する方法がありますが、特に指定がない場合には両方に契印しておくとよいでしょう。袋とじをしない場合には、すべてのページに会社代表印で契印をします。

定款の原本証明が必要なシーン

定款の原本証明がどのような場面で必要になるのかを紹介します。

シーン①:金融機関での口座開設

多くの金融機関では、法人として口座を開設する場合に、会社の登記事項証明書や印鑑証明書と共に、定款の提出を求めることがあります。

定款には、会社の登記事項証明書よりも詳しい内容が記載されているため、口座開設の審査のために定款を確認するのです。この時の定款は、原本証明がなくても定款のコピーを出せばよい場合もあるため、事前に確認しましょう。

シーン②:許認可申請

会社の事業内容によっては、国や都道府県などの許認可を受けなければ事業を行えない場合があります。この許認可申請の際の添付書類として、原本証明した定款が必要となる場合があります。

申請先によっては具体的な原本証明の方法を指定されている場合もあるため、申請マニュアルなどをしっかり確認し、指示通りに用意しましょう。

シーン③:登記申請

法務局で登記申請をする際に、定款が添付書類となる場合があります。たとえば、「会社の代表取締役を取締役の互選によって選定する」と定款で定めている会社が、代表取締役の選定の登記をする際には、原本証明した定款の添付が必要です。

シーン④:助成金や補助金申請

法人として各種の助成金や補助金の申請をする場合に、定款が添付書類となることがあります。原本証明が必要な場合、コピーを出せばよい場合、原本証明の方法が指定されている場合、原本を提示すればよい場合など申請先によって異なるため、事前に申請先に確認したうえで用意しましょう。

まとめ

定款の原本証明の方法には定型的なルールがあるわけではなく、提出先によっては原本証明の方法が具体的に指示される場合もあります。まずは提出先にどのようなものが必要となるのかをしっかりと確認することが大切です。

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