それは、本店の移転先と定款の内容によって変わってきます。
まず、ご自身の会社の定款をチェックしてみてください。
普通は最初のほうに(第3条のことが多いようです)会社の本店所在地を定めている条文があると思います。
内容は様々だと思いますが、多くの場合
①当会社は、本店を東京都渋谷区に置く。
②当会社は、本店を大阪府大阪市に置く。
③当会社は、本店を静岡県榛原郡吉田町に置く。
④当会社は、本店を愛知県名古屋市中村区荒輪井町○丁目○番に置く。
などと記載されているはずです。
①~③のように住所の途中までしか書いてないことが多いですが、これは法律で定款に記載する会社の住所は最小行政区画まででよいとなっているからです(それ以降の住所を書いてはいけないわけではない)。
最小行政区画とは市区町村のことで、定款には最低限市区町村までの記載が求められているということです。
ただし、注意点として大阪市や名古屋市等といった政令指定都市の区は最小行政区画ではないということです。
あくまで、最小行政区画の区は東京の特別区を指すと思ってください。
次に、本店を移転先の住所を確認してみてください。
例えば定款の先ほどの条文に
当会社は、本店を東京都渋谷区に置く。
と書いてあるとしましょう。
そして、本店の移転先も同じく東京都渋谷区に移転するのであれば、定款の変更は必要ありません。
もし、東京都港区や大阪府大阪市に移転するのであれば、移転先の住所が定款に書いてある住所と変わってしまうので定款の変更の必要があります。
要は、定款に記載の住所の範囲外に移転する場合は定款の変更が必要で、範囲内に移転する場合は変更の必要はありません。
原則として定款の変更には株主総会の特別決議が必要ですので、株主総会を開催して定款変更案を可決してもらう必要があります。