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【取締役の解任】登記に必要な書類と手続きは?

取締役が退任したら登記(役員変更登記)が必要です。退任の事由は、任期満了や辞任などであることが多いですが、場合によっては解任もあり得ます。

本記事では、取締役の解任登記で必要となる書類と申請手続きについて説明します。

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取締役の解任登記の必要書類

解任とは、自分の意思ではなく、周囲の命令などによって職を解かれることです。

取締役の解任登記の申請にあたっては、次の書類が必要になります。

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録(取締役を解任したことを証明する書類)
  • 株主リスト
  • 委任状(※場合により必要)

それでは、各書類について詳しく見ていきましょう。

変更登記申請書

会社の変更登記を申請するための書類です。様式は、株式会社、特例有限会社、持分会社など、会社形態によって異なりますので注意が必要です。

変更登記申請の様式は、法務局のホームページでダウンロードできます。

外部サイト:法務局ホームページ「商業・法人登記の申請書様式」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

収入印紙貼付台紙

登記の申請には登録免許税がかかります。収入印紙貼付台紙は、登録免許税の金額分の収入印紙、あるいは、金融機関などで現金で納めたことを証明する領収証書を貼付するためのものです。

収入印紙貼付台紙は、変更登記申請書とあわせて左側をホッチキスなどでとめ、各ページの間(綴り目)に変更登記申請書に押印した印鑑(代表取締役が法務局に提出した印鑑または代理人の印鑑)と同一の印鑑により割印(正しくは「契印」)をする必要があります。

この収入印紙貼付台紙は、法務局ホームページでダウンロードする変更登記申請書とセットになっています。

株主総会議事録

株主総会で当該取締役の解任決議がなされたことを証明するためのものです。

出席取締役の署名または記名押印については、会社法上の義務はありません。
ただし、会社によっては定款で、出席した取締役の署名または記名押印を義務付けている場合がありますし、一般的には、定款に定めがなくても出席取締役全員の記名押印(認印)をしていることが多いと言えます。

※「記名」とは、氏名が彫られたゴム印の押印や、パソコンなどで氏名を入力することなどをいいます。

株主総会議事録が複数ページになる場合には、変更登記申請書と同様に左側をホッチキスなどでとめて、各ページの間に割印する必要があります。出席取締役全員の認印で割印することもありますが、代表者のみの契印でも問題ありません。

株主リスト

株主総会議事録とともに、当該取締役の解任決議の有効性を担保するためのものです。2016年10日1日から添付が義務付けられました。

この株主リストには、「議決権数上位10名の株主」または「議決権割合が3分の2に達するまでの株主」のいずれか少ない人数の株主について、原則として次の事項を記載する必要があります。

  1. 氏名または名称
  2. 住所
  3. 株式数
  4. 議決権数
  5. 議決権数割合

これら5つの事項と、作成日や作成者名(原則として代表取締役)などを記載し、会社実印を押印する必要があります。記載された株主の印鑑は不要です。

株主リストの記載例は、以下の記事でご覧いただけます。

参考記事:登記で必要な「株主リスト」の書き方(記載例あり)

委任状

会社の代表者以外の者が代理で申請する場合にのみ必要です。特に決まった様式はありませんが、代理人の氏名や住所、委任日、委任内容、また、委任した会社名(商号)や所在地、代表取締役の氏名などを記載したうえ押印が必要です。

委任状の記載例は、以下の記事でご覧いただけます。

参考記事:商業・法人登記で委任状が必要なケースは?(記入例あり)

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取締役の解任登記の申請手続き

株主総会で取締役の解任について決議し、必要書類を揃えたあとは、取締役の解任登記の申請を行います。

ここでは、取締役の解任登記の申請手続きや費用について説明します。

株主総会での解任決議

取締役の解任は、会社の経営体制を大きく変更する行為であるため、会社法により株主総会での決議を経なければならないと規定されています。

決議の方法は、「普通決議」というもので、原則として、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数が解任に賛成したときに当該取締役を解任することができます。

ただし、会社によっては定款において、より厳格な可決要件を定めている場合もありますので確認が必要です。

解任決議は、定時株主総会や臨時株主総会で随時行うことができますが、正当な理由(法令や定款に違反したことや経営判断を誤ったことなど)もなく解任すれば、解任された元取締役は会社に対して損害賠償を請求できることになっていますので、注意が必要です。

申請先:管轄の法務局

登記の申請先は、本店所在地(定款に記載している本店所在地であり、いわゆる本社とは異なります)を管轄している法務局(登記所)です。

自社の管轄法務局を調べる方法については、以下の記事で説明しています。

参考記事:登記の申請先はどこ?管轄法務局の調べ方

申請期限:解任から2週間以内

取締役の解任登記の申請期限は原則、株主総会で解任決議を行った日の翌日から2週間以内です。

期限を過ぎた申請については、会社法上は100万円以下の過料(罰金と同じようなものですが、刑罰ではないという整理があります)の適用対象となります。

登記の期限については、以下の記事で解説しています。

参考記事:役員変更登記の申請期限は2週間以内!起算日はいつ?

申請方法:窓口提出・郵送・オンライン申請

登記の申請方法には、管轄法務局の窓口に提出、郵送、オンライン申請の3つの方法があります。登記の申請に慣れていなければ、書類に不備があることが多いため、その場で確認してもらえる窓口提出がおすすめです。

費用:資本金の額で異なる

取締役の解任登記の申請に限らず、登記の申請には登録免許税というものがかかります。

取締役の解任登記を含む役員の変更登記の申請にかかる登録免許税は、申請する会社の資本金の額によって定められています。

  • 資本金1億円以下:1件につき1万円
  • 資本金1億円超:1件につき3万円

また、解任登記の申請を司法書士に依頼する場合には、上記の登録免許税とは別に3~5万円程度の報酬を請求されます。

登録免許税の納付方法

上記の登録免許税を納付する方法としては、次の3つの方法があります。

  • 登録免許税額の収入印紙を「収入印紙貼付台紙」に貼付して変更登記申請とあわせて提出する。
  • 金融機関または税務署の窓口で現金で納付したあと、領収証書を「収入印紙貼付台紙」に貼付して変更登記申請とあわせて提出する。
  • インターネットバンキングやATMで納付する。(オンライン申請の場合)

登録免許税の納付方法については、以下の記事でも説明しています。

参考記事:登録免許税って何? 意味、金額、支払方法を解説

解任登記申請を手軽に、リーズナブルに行う方法

取締役の解任は頻繁にあることではありませんが、解任登記の申請自体はその他の役員変更登記の申請と比べてもそれほど難しいものではありません。しかし、「書類作成する時間がない」「手間をかけずに登記申請を行いたい」という方もいるでしょう。

そうした方々におすすめのサービスが、LegalScript(役員変更)です。

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